NEWS(11/12/12 15:25)

Microsoft、「Silverlight 5」を正式公開

64bit環境をサポート。ビジネスからゲームまでをカバーするプラットフォームに

「Microsoft Silverlight」v5.0.61118.0「Microsoft Silverlight」v5.0.61118.0

 米Microsoft Corporationは9日(現地時間)、マルチプラットフォームのコンテンツ再生環境“Silverlight”の最新版「Microsoft Silverlight 5」を正式公開した。

 “Silverlight”を利用すると、さまざまなプラットフォームやWebブラウザーで、高品質な動画や多彩なアニメーションを利用した表現力豊かなWebアプリケーションを実現可能。サポートされるWebブラウザーはWindows上の「Internet Explorer」「Firefox」「Google Chrome」およびMac OS X上の「Safari」となっており、同社製のモバイルOS「Windows Phone 7」のアプリケーションプラットフォームとしても利用されている。

 最新版のv5.0では、64bit版のWebブラウザーをサポート。パフォーマンスの向上はもちろん、2Dおよび3Dのグラフィックが改善されている。

 たとえば2Dでは、テキストのレンダリングでは字間や行間の調節、リッチテキストコントロールでテキストの回り込み処理などがサポートされた。“PostScript”を利用したベクターイメージの印刷機能や、“ピボットビューワー”コントロールなどが追加されるなど、ビジネスアプリケーションでの利用を意識した改良が盛り込まれている。

 また、3Dではゲーム開発用のプラットフォーム“XNA Framework”の3D APIが利用可能。遅延の少ない“XNA”のサウンドエフェクトを利用することもできる。そのほか、H.264メディアのハードウェアデコード、メディアのリモートコントロールや可変速再生などもサポートされており、マルチメディア・ゲーム関連でも機能拡張が著しい。

 さらに、OSとの連携に関してもさまざまな改良が施されている。たとえば、署名つきの“信頼された(Trusted)”アプリケーションならば、ローカルシステムへ無制限にアクセスできるようになった。また、ブラウザー外実行時には、複数のウィンドウを表示することが可能。そのほか、ブラウザー内表示でのデスクトップ通知、“P/Invoke”によるOSネイティブ機能の呼び出し、ダブルクリックやトリプルクリックの検出などもサポートされており、よりネイティブアプリケーションに近い動作を“Silverlight”で再現可能だ。

 なお、“Silverlight”アプリケーションを開発するためのソフトウェア開発キット「Microsoft Silverlight 5 SDK」や、「Visual Studio」向けのアドオン「Microsoft Silverlight 5 Tools for Visual Studio 2010 SP1」なども公開されている。ただし、現在のところ英語版のみとなっており、日本語版は公開されていないようだ。

【著作権者】
Microsoft Corporation
【対応OS】
Windows XP/Server 2003/Vista/Server 2008/7など(64bit版を含む)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
5.0.61118.0(11/12/09)

(柳 英俊)