REVIEW(09/10/09)

お絵かきソフト風の操作で粘土を盛り付けるように3Dモデルを作成「Vox Modeler」

これまで3Dモデリングに縁がなかった人でも気軽に立体作品の制作を楽しめる

「Vox Modeler」v1.4「Vox Modeler」v1.4

マウスの右ドラッグでキャンバスの向きを変えられるマウスの右ドラッグでキャンバスの向きを変えられる

 「Vox Modeler」は、お絵かきソフトのような操作性で、粘土を盛り付けるようにして3Dモデルを作成できるソフト。Windows XPに対応するフリーソフトで、編集部にてWindows Vistaでの動作も確認した。作者のWebサイトからダウンロードできる。

 画面構成は極めてシンプルで、キャンバスの左側に各種ツールが縦一列に並ぶのみ。キャンバスを右クリックすると、キャンバス上の編集可能な領域に立方体の枠が表示され、そのまま右ドラッグすれば立方体の枠を回転させることが可能。

 キャンバス上を左クリックすると、球体の粘土のような物質を配置でき、そのままドラッグすればお絵かきソフトのようにこの物質で線を引くことができる。基本的な制作の流れは、一方向からある程度粘土を盛り付けたら、キャンバスを右ドラッグして向きを変え、さらに盛り付けていくという具合だ。

 もちろん、不要な部分を削り取ることも可能なので、初めにおおよその形状を作っておき、あとから彫刻のように少しずつ削って形を整えていくということもできる。全体的にシンプルかつ直感的な操作となっているので、これまで3Dモデリングソフトに縁がなかったという人でも立体作品の制作を楽しめるだろう。

 用意されているツールは、大雑把に形状を整える“盛る”“削る”、細かな調整を行う“パテ”“ヤスリ”、表面に色を塗る“ペンキ”、カーソル内にある物質を削除する“消しゴム”の6種類。それぞれのツールは、マウスホイールの回転で大きさを調整できる。

“レイヤー”機能を使えば、2つの作業状態を切り替えながら作品を制作できる“レイヤー”機能を使えば、2つの作業状態を切り替えながら作品を制作できる“レイヤー”機能を使えば、2つの作業状態を切り替えながら作品を制作できる

 また、キャンバスの作業状態を2つに分けて、それぞれの状態を切り替えながら作品を制作できる“レイヤー”機能を備える。片方の作業状態を非表示にしたり、編集できなくしておけるため、あらかじめ作成しておいたパーツに隠れてしまい、これから作成するパーツの状態を把握しにくいといった状況を防げる。

 6種類のツールとレイヤーの切り替えボタンの下には、カラーパレットのようなカラフルなボタンが並ぶ。このボタンは、ただ単にキャンバス上へ配置する物質の色を変えるだけでなく、指定した色をロックすることで、その色で作成した物質を編集できなくすることが可能。

 たとえばネコの顔を作成する際、あらかじめ青い物質で顔を作成し、青をロックしてから赤い物質で耳を作成すれば、誤って顔の形を変化させることなく耳の形を整えることができる。この機能は、複数の色を同時にロックすることも可能だ。

 作成した3Dモデルは、独自のVOX形式で読み書きできる。また、「Metasequoia」のMQO形式や“COLLADA”規格のDAE形式のほか、OBJ形式で出力することも可能。そのほか、TGA形式の画像ファイルとして出力する機能も備える。

【著作権者】
colon 氏
【対応OS】
Windows XP(編集部にてWindows Vistaでの動作も確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.4(09/10/07)

(加藤 達也)