いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】新年早々のトラブル 昨年12月の日付が今年の日付に!? 理由と修正方法

「月日」で日付を入力する時に注意

「月日」だけの日付入力に要注意

 セルに日付を入力する際、「12/10」などと入力することがありますよね。自動的に「12月10日」と変換され、「月」や「日」とわざわざ入力する手間が省けます。しかし、このような「MM/DD」形式の入力方法には弱点があることをご存じですか?

 例えば、以下の交通費のメモを見てください。何も問題がないように見えますが、数式バーに注目すると、実際に入力されている値の違いがわかります。

セルA3には「12月5日」(①)と表示されており、数式バーは「2023/12/5」(②)となっています
セルA13には「12月26日」(③)と表示されており、数式バーは「2024/12/26」(④)となっています

 これは12月26日以降の行を、年明けの2024年に「12/26」のように入力したことが原因です。エクセルでは「MM/DD」形式のデータを入力した場合、入力した時点の「年」の情報が自動的に補完されます。

 「2023/12/26」のつもりで「12/26」と入力しても、“今”が2024年なら「2024/12/26」とエクセルは判断するわけです。

 データを集計する場合、日付がずれているのは問題ですよね。年明けから年度末にかけて、昨年の日付を入力することが多いと思います。解決方法を覚えておきましょう。

[置換と検索]ダイアログボックスで置換する

 [置換と検索]ダイアログボックスを使って、「2024」を「2023」に一括置換します。誤変換を防ぐために、置換するセル範囲を選択してから操作してください。

日付の入力されたセル範囲(⑤)を選択しておきます。[Ctrl]+[H]キーを押して(⑥)、[検索と置換]ダイアログボックスを表示します。[検索する文字列]に「2024」(⑦)、[置換後の文字列]に「2023」(⑧)と入力して、[すべて置換](⑨)をクリックします
置換した件数が表示されます。[OK](⑩)をクリックします。[検索と置換]ダイアログボックスを閉じておきます
セルA13を選択して数式バーを確認すると「2023/12/26」(⑪)と置換されたことがわかります

「YYYY/MM/DD」形式で入力して書式で整える

 「YYYY/MM/DD」形式で入力するのは面倒ですが、思わぬミスを防ぐために習慣付けておくことをおすすめします。単純に「2023/12/28」のように表示されてしまうのが嫌という理由なら、セルの書式設定を設定しておきましょう。

「YYYY/MM/DD」形式で入力すると、「2023/12/28」(⑫)のように表示されるのが嫌な場合は、書式設定でセルの表示を整えましょう
[Ctrl]+[1]キーを押して(⑬)、[セルの書式設定]ダイアログボックスを呼び出します。[日付](⑭)を選択して[3月14日](⑮)を選択して[OK](⑯)をクリックします
「12月28日」と表示が切り替わりました(⑰)

誤変換に注意

 日付のミスは気付きにくいうえ、集計時に問題になるポイントです。日付は“西暦を省略しない”で「YYYY/MM/DD」で入力することをおすすめします。[検索と置換]ダイアログボックスを使った置換処理では、誤変換をしないように慎重に操作してください。[次を検索]→[置換]とクリックして、ひとつずつ確認しながら置換する方法もおすすめです。