いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】名簿の氏名に「様」を直接追加するのは無駄! 100件でも一瞬で完了するワザ

すべての列に「様」を追加!? 直接入力する必要なし

文字列の追加に便利な基本テクニック

 作成した表を関係者に確認してもらったら、修正に時間のかかりそうな指摘があった……。たまにありますよね。以下は会員名簿のイメージです。すべての氏名に「様」を付けるように指示されたらどうしますか?

『すべての氏名の後ろに「様」を追加しておいて』と言われても直接入力の必要はありません

 手入力で頑張る必要はありません。100件あっても一瞬で「様」を追加する方法があります。元に戻すのも簡単です。任意の文字を追加したり、削除したりする操作は“文字列操作”と呼ばれ、エクセルの基本的なテクニックです。さっそく試してみましょう。

その① セルの書式設定で「様」を追加する

 [セルの書式設定]ダイアログボックスを利用すれば、任意の文字列を一気にすることができます。ここでは、氏名に「様」を追加していますが、「○○“人”」や「□□“回”」などの文字列でも応用可能です。

 [種類]の入力欄に入力する「@」はセルの文字列を表し、「""」で任意の文字列を囲んで指定します。「@」と「""」は半角で入力してください。

セル範囲を選択しておきます(①)。[Ctrl]+[1]キーを押します(②)
[セルの書式設定]ダイアログボックスが表示されました。[ユーザー定義](③)を選択して[種類]に「@"様"」(④)と入力します。[OK](⑤)をクリックします
氏名の後ろに「様」が追加されました

 「様」の前にスペースを入れて「@" 様"」のように指定することも可能です。「""」で囲んだ文字列のまとまりが追加されます。

 元に戻す場合は[標準]を選択するだけです。[セルの書式設定]ダイアログボックスを呼び出すか、[ホーム]タブにあるプルダウンメニューから選択します。

セル範囲を選択して、[Ctrl]+[1]キーを押して(⑥)、[セルの書式設定]ダイアログボックスを呼び出します。[標準](⑦)を選択して[OK](⑧)をクリックします
セル範囲を選択して。[ホーム]タブ(⑨)のプルダウンメニューから[標準](⑩)を選択しても構いません

その② 「&」演算子で「様」を連結する

 「=A1&A2」のような数式を見たことがある人もいるでしょう。「&」は“連結演算子”などと呼ばれ、エクセルでは「セルA1とA2の値を連結する」という意味になります。

 連結する対象は文字列でもOKです。半角の「&」に続けて「""」で囲んで任意の文字列を指定します。ただし、作業用の列が必要になります。演算子で「様」を連結した数式がセルに入力されるため、結果を編集する場合は「値」として保存する必要があります。

作業用のセルに「=B3&"様"」と入力(⑪)します。「&」と「""」は半角で入力します
オートフィルでコピー(⑫)すれば、まとめて「様」を追加できます

 なお、Excel 2019/2021、Microsoft 365のExcel、Web版のExcelで使える「スピル」なら、オートフィルの必要はありません。「=B3:B32&"様"」と入力するだけで、一気に「様」が追加されます。

 スピル(spill)は「こぼれる」「あふれる」といった意味で、数式の結果が複数の場合、隣接するセルに結果がまとめて表示されます。

1つのセルに「=B3:B32&"様"」(⑬)と入力するだけで一気に「様」を追加できます

 [セルの書式設定]ダイアログボックスのほうが手軽に思えますが、「&」演算子は、複数のセル+任意の文字列、セルの値+任意の文字列+セルの値といった処理も可能です。状況に応じて使い分けるといいでしょう。

文字列操作に慣れておこう

 [セルの書式設定]ダイアログボックスを利用した処理では「人」や「回」など、任意の文字列にも応用可能です。実務では、複数のセルを連結したうえで、任意の文字列を追加するといった処理もありますよね。利用頻度の高いテクニックなので、ぜひマスターしてください。