杜のVR部

第61回

日本発!三人称視点が楽しいアクションゲーム「箱庭の彼女」

女の子の仕草に人間らしさを感じることで深まる実在感

 VRのコンテンツで一般向けに配信されているものは現在、海外製のものが圧倒的に多い。しかし第1回で紹介した「BLAST BUSTER」や、第42回の「オーバーストリーム」など日本でも制作されているコンテンツもある。

 今回はそんな日本発のコンテンツから、個人開発者おかず氏が制作しているアクションゲーム「箱庭の彼女」を紹介しよう。開発したアプリを共有できるOculus公式のプラットフォームOculus Shareにて公開されている。

戦う女の子の後ろからついていく三人称アクション!

 「箱庭の彼女」は謎の施設に潜入した女の子が敵と戦いながら奥を目指す三人称視点のアクションゲーム。施設を進むと敵の防衛ロボットが待ち構えており、射線が赤いレーザーで表示されている。

 ジャンプや回避行動などのアクションはなく、一切気付かれずにステルスで進むのは至難の業。装備している銃やグレネードなどを使って敵を倒しながら奥に進んでいこう。

スクリーンショットだと結構離れているように見えるが、実際は思ったほど遠くない
メニューを開いて装備を変えることも可能

 操作はキーボードとマウス、またはXbox 360コントローラーに対応しており、コントローラーの場合は左トリガーで銃を構え、右トリガーを押すと攻撃。アナログスティックで女の子を動かしながら、照準は目線で合わせることができる。

銃を構えた状態で歩くこともできる
目線で照準を合わせるのは新しい感覚だが、慣れるとかなり直感的に操作できる

 最後にはボスが待ち構えており、通路の奥に向かって逃げながら戦うことになる。後ろ向きになって銃を構えながら撃つ様子は、まさにじりじりと退却しているようで非常にリアルだ。

最後まで進むとボスが出現、激しく攻撃してくる
銃を撃ちながら後退する臨場感はかなりのもの

VRで体験する三人称アクションの面白さ

 VRというと一人称視点がいいのではないかと思う人もいると思うが、これまでも本連載でお伝えしているように、三人称視点にはまるでミニチュアが動いているような、不思議な面白さがある。

 Oculus Rift向けのローンチタイトル「Lucky's Tale」ではキツネのラッキーと一緒に冒険するという設定で、プレイヤーの方を振り向いたりして、キャラクターに命が吹き込まれたようなプレイ感覚だ。

 「箱庭の彼女」の制作者のおかず氏は「Lucky's Tale」を見て、VRで遊ぶ三人称アクションの面白さに気付いたという。「箱庭の彼女」では、まるでフィギュアのキャラクターが動いているかのような感覚だ。女の子はゲーム中はこちらを意識するアクションをとることはないが、後退するときのじりじりとした下がり方、そしてエレベーターに乗るときに敵に背を向けないようにしながら乗り込む様子などに人間らしさが感じられる。

筆者は女の子がエレベーターに乗るときに人間らしさを感じた

 「箱庭の彼女」はUnreal Engine 4(UE4)を使って作られており、ステージのグラフィックやエフェクトはUE4のハイクオリティなものを使用しているため臨場感は抜群だ。

 「箱庭の彼女」はこれまで、デジゲー博2015、冬コミなどで体験版が配布されてきた。Oculus Shareで公開されているバージョンも体験版だ。今後、完成が楽しみな作品である。

ソフトウェア情報

「箱庭の彼女」
【著作権者】
@pafuhana1213 氏
【対応OS】
Windows(Oculus Runtime 0.8で動作確認済)
【対応ハードウェア】
Oculus Rift DK2
【ソフト種別】
体験版
【バージョン】
0.1

Oculus Rift DK2版評価PCスペック(参考)

マウスコンピューター G-Tune NEXTGEAR-MICRO im550PA6-SP2
【CPU】
インテル Core i7-4790K プロセッサー(4コア/4.00GHz/TB時最大4.40GHz/8MB スマートキャッシュ/HT対応)
【メモリ】
16GB PC3-12800 (8GB×2/デュアルチャネル)
【グラフィックボード】
AMD Radeon R9 Fury X(4GB)
【fps】
75fps
【ヘッドホン】
BOSE Quietcomfort 25

(もぐらゲームス:すんくぼ)