特集
トレンドマイクロ製のパスワード管理ツール「パスワードマネージャー」
アカウント情報をクラウドへ保存、マルチデバイスでデータを同期
(2012/12/17 10:21)
本特集では、ウイルス対策ソフト「ウイルスバスター」で知られるトレンドマイクロ製のパスワード管理ソフト「パスワードマネージャー」を紹介していく。
「パスワードマネージャー」は、ログインが必要なWebサイトのIDやパスワードを保存しておき、次回から自動でログインできるようにするソフト。IE、Firefox、Google Chromeに対応するほか、Android/iOS向けアプリやWindows ストアアプリも公開されている。
「パスワードマネージャー」に保存されたアカウント情報は暗号化された状態でトレンドマイクロのサーバー上へ保存され、ほかのパソコンやスマートフォンでもアカウント情報を同期してWebサイトへ自動でログインできるようになる。ひとりで複数のデバイスを利用することが一般化した昨今ならではのソフトと言えるだろう。
導入の準備
「パスワードマネージャー」は、無料版と月額版が用意されている。無料版は5つまでのアカウント情報を保存でき、月額版は月額150円(税込み)で6つ以上のアカウント情報を保存可能。利用する際は、まずは無料版をインストールしよう。無料版として使い続けられるほか、あとから月額版へ移行することも可能だ。
「パスワードマネージャー」の利用には、トレンドマイクロアカウントが必要。トレンドマイクロアカウントは、「パスワードマネージャー」のインストール時に無償で作成できる。また「パスワードマネージャー」は、インストール時に設定した“マスターパスワード”によって保存したすべてのアカウント情報を管理する仕組み。「パスワードマネージャー」の利用時にはマスターパスワードの入力が求められる。
「パスワードマネージャー」のインストール時には、併せてIE/Firefox/Google Chrome用のアドオンを一括でインストールできる。また、初回インストール時のみ、Webブラウザーに保存されているアカウント情報を「パスワードマネージャー」へ保存することが可能となっている。
自動ログイン機能を使う
導入後は、IE/Firefox/Google Chromeでアカウント情報を保存していないWebサイトにログインした際に、「パスワードマネージャー」へアカウント情報を保存でき、次回からは自動でログインすることが可能。
また、Webブラウザーのツールバーに追加される「パスワードマネージャー」のアイコンをクリックすると、アカウント情報を登録したWebサイトが一覧表示され、選択すればそのWebサイトを開いてログインできる。
オプションにより、Webブラウザーでログイン画面を開いた際に自動でログインするか、ログインするかどうかをたずねるダイアログを表示するかを選択できる。またアカウント情報を登録する際は、一覧に表示する登録名を任意に指定できる。1つのWebサイトで複数のアカウントを使い分けている場合は、アカウントを判別しやすく設定しておくとよいだろう。
自動ログイン以外の便利な機能
自動ログイン機能以外にも便利な機能が用意されている。たとえばプロフィール機能を使えば、あらかじめ「パスワードマネージャー」に住所・氏名・メールアドレスといった個人情報を登録しておくことで、Webページ上に設置された入力フォームに自動で入力することが可能。
またメモ機能は、「パスワードマネージャー」へ任意のメモを保存できる機能。メモはアカウント情報と同様に暗号化された状態で保存され、ほかのデバイスと同期することが可能。さらに、パスワードの自動生成機能も備える。アルファベットの大文字・小文字、数字、記号を組み合わせた6桁から20桁までのパスワードを作成できる。
一部の銀行などのWebサイトを閲覧する際は、普段利用しているWebブラウザーに代わって「パスワードマネージャー」が備える“セキュアブラウザ”が起動する。セキュアブラウザは、キー入力を暗号化したり、不要なアドオンやプラグインを無効化することで、情報漏洩の可能性を軽減できる。
マルチデバイスで使う
「パスワードマネージャー」のAndroid/iOS向けアプリ版やWindows ストアアプリ版には、独自のWebブラウザーが搭載されている。このWebブラウザーを利用することで、アカウント情報を保存したWebサイトへログインしたり、新たにアカウント情報を保存することが可能。Android/iOS向けアプリでは、プロフィール機能やメモ機能も利用できる。
アカウント情報の一元管理の手軽さと安全性の両立が魅力
「パスワードマネージャー」は、マスターパスワードをひとつだけ覚えておくだけで、複数のアカウント情報を一元管理できる手軽さが魅力。もちろん手軽さだけでなく、暗号化による安全性も考慮されている。また「パスワードマネージャー」による自動ログインを利用していくことで、それぞれのアカウントに対して、手動で入力していたときよりも安全性の高いパスワードを設定することも可能となるだろう。