いまさら聞けないExcelの使い方講座
【Excel】セルに入力されている数式が複雑すぎて修正不能!エクセル文書の参照関係を矢印で把握するテク
2017年8月23日 06:55
Excel(エクセル)は、仕事や普段の生活で使う機会の多い、最も身近なアプリケーションのひとつです。しかし、「イマイチよくわからないまま使っている」「実は少し苦手……」という人も多いのではないでしょうか? この連載では、いまさら人に聞けないけど、知っていれば必ず役に立つ、Excelを使いこなすためのノウハウを紹介します。
どのセルを参照しているのかひと目でわかるようにしたい!
ほかの人から引き継いだブックに入力された数式が複雑で、理解するのがとても大変だった……という経験はありませんか。数式がややこしいと、どのセルを参照して計算しているのか、ひとつひとつ追っていくのもひと苦労です。
そんなときには、「参照元のトレース」という機能が役に立ちます。「参照元のトレース」機能を使えば、参照関係にあるセル同士を矢印でつないでセルのつながりがひと目でわかるようになります。今回はこの機能の使い方を解説します。
「参照元のトレース」機能で参照しているセル同士の関係を見える化
商品番号と数量を入力すると合計金額が表示される請求書(①)の例を考えてみましょう。合計金額の計算がどこのセルを参照して行われているのかを視覚的にたどれるように矢印を表示させます。
まず、参照元を調べたいセルをクリックして選択します。ここでは、合計金額が入力されるセルなので、セルB7(②)です。そして[数式]タブ(③)→[参照元のトレース](④)をクリックします。
セルB7には、セルE15の値と同じ値を表示するという意味の数式(⑤)が入力されています。参照元のセル(セルE15)から、②で選択したセル(セルB7)に向かって青い矢印(⑥)が表示されました。
もう一度[参照元のトレース]をクリックすると、参照元のセルE15が参照しているセルからの矢印(⑦)が表示されます。
繰り返し[参照元のトレース]をクリックすることで、セルの中の数式が参照しているセルをどこまでもたどっていくことができます(⑧)。ほかのシートのセルを参照している場合には、矢印の始点にほかのシートを示すアイコン(⑨)が表示されます。
このように「参照元のトレース」機能を使って矢印を表示すれば、ブックの中で行われている計算を簡単に追っていくことができます。
計算の過程を理解できたら、[数式]タブ(⑩)→[トレース矢印の削除](⑪)をクリックして矢印の表示を消すことができます。
ほかの人が作った複雑な数式も流れがひと目で理解できる!
今回は、「参照元のトレース」機能を使って、セルの参照元を矢印で表示する方法を解説しました。
計算の流れが矢印で視覚的に表示されるので、ほかの人が作ったブックを使用する時も、セルをたどって数式を地道に読み解いていく手間がありません。
複雑な計算も流れをひと目で確認できる「参照元のトレース」機能を、業務の中でぜひ活用してみてくださいね。