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【Excel】数式が多用された資料を引き継いでしまった!エクセルで数式のメンテナンスをラクにするテク2選

数式が多用された資料のメンテナンスがわずらわしい

 他の人が作成したExcelの資料を引き継いだり、複数のメンバーでExcelの資料を共有したりする時に困ることの1つとして、数式のメンテナンスがあると思います。例えば、大きな表のあちらこちらに数式が設定されていて、その内容を教えられていない場合、どの部分に数式が設定されているのかを探すのは骨が折れます。また、複数人で表を編集しているうちに、誰かが不適切な変更を行ってしまい、数式のエラーが発生してしまったという経験のある人も多いのではないでしょうか。

 今回は、Excelで数式をメンテナンスする際に役立つ、ワークシート分析の機能を2つ紹介します。

 1つ目は、表のどこに数式が設定されているのかを瞬時に確認する方法です。2つ目は、発生している数式のエラーをチェックする方法です。

 ではさっそく見ていきましょう。

セルに数式を表示する

 「売上表」の例で見てみましょう。この表のE列(「合計」列)と、最終行(11行目の「合計」行)には数式が設定されています(①)。通常、これらのセルには入力した数式ではなく、計算結果が表示されていますよね。数式を確認するために、目的のセル(ここではセルB11)を選択して、数式バーに表示される内容をチェック(②)している人は多いと思います。

 ただしこの方法だと、1つ1つセルをクリックしてチェックしなければならず、数式が多数設定されているような表の場合は、手間がかかりますよね。

 そこでここでは、どのセルに数式が設定されているのかを瞬時に確認してみます。[数式]タブ(③)→[数式の表示](④)をクリックします。

 列の幅が自動的に広がり、セルに数式が表示されましたね(⑤)。これで、どこに数式が設定されているか、またどんな数式が設定されているのかを一瞬で確認できますね。確認を終えたら、再度[数式の表示](⑥)をクリックします。

 すると、元に戻ります(⑦)。

数式のエラーが発生しているセルをチェックする

 複数のメンバーでExcelの表を共有している業務の中で、誰かが不適切な編集を行ってしまい、数式のエラーが発生してしまったという経験はありませんか。大きな表を扱っている場合、1つ1つ画面をスクロールして、エラーの発生個所と原因を追究していくのは気が遠くなる作業ですよね。

 この項では、シートで発生している数式のエラーをチェックする方法について説明します。先ほどの「売上表」に対して、他の人が不適切な編集を行ってしまったため、エラーが発生しているという場合を考えてみましょう(①)。

 [数式]タブ(②)→[エラーチェック](③)をクリックします。

 すると、[エラーチェック]ダイアログボックスが表示され、エラーの内容が確認できます。ここでは、セルE6にエラーが発生している(④)ことがわかります([エラーチェック]ダイアログボックスに表示される内容はエラーの種類によって異なります)。

 これは、「+」を使った演算で、計算の対象となるセル(D6)に文字列が入力されているため、「#VALUE!」というエラーが発生しているのです(ちなみに他の箇所(例えばセルE9)は、SUM関数を使っているので、文字列が入力されていてもエラーは発生しません)。

 [数式バーで編集](⑤)をクリックして、数式を正しく修正してみます。「+」を使った演算ではなく、SUM関数を使うように変更します。

 数式バーに「SUM(B6:D6)」(⑥)と入力して、[再開](⑦)をクリックします。

 エラーチェックが完了した旨のメッセージが表示されるので、[OK](⑧)をクリックします。

 シート内のエラーが修正されましたね(⑨)。

数式が多用された資料の管理が楽になる

 今回は、Excelで数式をメンテナンスする際に役立つ、ワークシート分析の機能を2つ紹介しました。

 引き継いだ資料の数式の管理に困ったときには、ぜひ思い出して使ってみてくださいね。

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