杜のVR部
第4回
目の前に飛んでくる球を視線で弾き返すVRブロック崩し「Proton Pulse」
VRHMD最大の課題、“手元が見えない状態でいかにゲームをするか?”
(2014/11/17 11:00)
今回ご紹介するのは、頭を動かすだけですべての操作が完結するOculus Rift(オキュラスリフト)用ブロック崩しゲーム「Proton Pulse」だ。グラフィックやサウンドもよく作り込まれており、ゲームセンターで遊んでいるかのような感覚になる。
メニュー画面の操作もすべてOculus Riftだけで行うことができ、キーボードやコントローラーは不要になっている。英語のソフトなので少し注釈をつけながらプレイ内容を紹介していこう。
ゲームが始まると一瞬、構図がわからず面食らうかもしれない。このゲームはブロック崩しなのだが、上にブロックがあって下のバーで玉を弾き返すという我々が慣れ親しんだ構図ではない。奥にあるブロックを壊すために、手前の板を動かして玉を弾き返すことになる。これは何かに似ていないだろうか。
そう、テニスの壁打ちと同じだ。壁打ちブロック崩しと言ってもいいのかもしれない。テニスではラケットを振るが、このゲームでは頭を動かして板を移動させる。玉が遅いうちはいいのだが、速くなると結構めまぐるしくなってくる。
このゲーム、やることは非常にシンプルなのだが、とにかくエフェクトがド派手だ。クラブに居るかのようなカラフルでサイケな雰囲気の色彩は見ていると目がチカチカするようでいて、意外と気にならない。BGMもダンス系の激しい音楽が流れるので、非常にシンプルなブロック崩しをプレイしているはずが、派手なゲームを遊んでいるような気分になる。
コントローラー問題への解の探求
なお、この「Proton Pulse」は現在、体験版のみ。2013年にKickstarterで資金調達をしており製品版の発売が待ち遠しい作品だが、本作で特に注目したいのが、手元で操作をしないことの手軽さ。ブロック崩しというシンプルで古典的なデジタルゲームをコントローラーなしで遊べるということだ。
Oculus Riftを始めとするVRヘッドマウントディスプレイを被ると、手元が見えない状態になる。その状態でどうやって操作をするのかというのは大きな課題になっている。
現状、Oculus Riftに対応したゲームを見渡すかぎり、さすがにキーボードでの操作をゴリ押してくるコンテンツはないが、PCにXbox 360コントローラー等のゲームパッドを接続して遊ぶものが非常に多い。ゲーマーが慣れ親しんだスティックとボタンによる操作は確かに分かりやすい。また、WiiリモコンやLeap Motionといったモーションコントローラーなどさまざまなデバイスを繋いで操作するものがあったり、VR専用にグローブ型のコントローラーやスティック型のコントローラーが開発中といった具合で、VRの中でどうやって操作をするかという課題に世界中が取り組んでいる。
「Proton Pulse」の開発を行っているZeroTransformは同様に、頭を動かすだけでプレイできるシューティング「Vanguard V」の開発も同時に進めている。
- 操作は頭を動かすだけ!宇宙空間を駆けるVRシューティング『Vanguard V』 - もぐらゲームス
- http://www.moguragames.com/entry/vanguard_v/
頭を動かして遊びながら、VRの操作について考えてみるのもいいのではないだろうか。
ソフトウェア情報
- 「Proton Pulse」
- 【著作権者】
- ZeroTransform LLC
- 【対応OS】
- (編集部にてWindows 7で動作確認)
- 【対応ハードウェア】
- Oculus Rift DK1/DK2
- 【ソフト種別】
- 体験版(寄付歓迎)
- 【バージョン】
- 0.99
評価PCスペック(参考)
- マウスコンピューター G-Tune NEXTGEAR-NOTE i790SA1
- 【CPU】
- Core i7-4700MQ 2.40GHz
- 【メモリ】
- 16GB(増設)
- 【グラフィックボード】
- GeForce GTX 870M
- 【FPS】
- 75FPS
- 【ヘッドホン】
- SteelSeries 5Hv3
- Proton Pulse
- http://www.vanguardv.com/?page_id=5
- Proton Pulse | Apps | Oculus VR Share (Beta)(ダウンロードページ)
- https://share.oculus.com/app/proton-pulse