本当にWindows 10って使えるの?

スマホのSMSもデスクトップで着信!?Windows 10のアクションセンター

 Windows 10への無料アップグレードが、今年7月29日で終了する予定だ。また、Windows 7の延長サポート期間も残り4年を切っており(*1)、“その後”をどうするか、そろそろ考えたいところ。

 そこで本連載では『Windows 10にすべきか悩む……』という人向けに、“Windows 10って使えるのか?”を紹介している。

*1Windows 7の延長サポート期間は2020年1月14日まで

アクションセンターはスマホのSMSを通知可能になる

Windows 10のアクションセンター。デスクトップアプリやUWPアプリケーションからの通知が並ぶ

 アプリケーションなどの通知を一括管理するアクションセンターは、Windows 7のバルーン通知やWindows 8.xのトースト通知をスマートフォンの履歴機能のように参照する機能である。Windows Phone 8.xの同機能をWindows 10に移植したものだ。Microsoftは“アプリケーションへの玄関口”と本機能を説明しているが、Windows 10 バージョン1511(Threshold 2)の時点では、それ以上でもそれ以下でもない。

 まずは下図をご覧頂きたい。こちらはWindows 10 Insider Preview ビルド14316の「設定」から“通知のアクション”に並ぶアプリケーションの設定を開いたものだが、アクションセンターに表示する通知数の設定や、優先順位を付けて表示する場所を指定できるようになった。また、スタートメニューと同じようにWindows Insider Program参加者へ、アクションセンターの通知形式を提案している。

通知に関する設定も日々改善されている。なお、指定できる通知数はビルド14316では、1/3/5/10/20の5種類から選択可能だ
MicrosoftがWindows Insider Program参加者に「Sway」で提案した新たなアクションセンター

 Windows 10リリース直前に日本マイクロソフトが行った説明では、通知やアクションセンターからメッセージの返信が可能になると説明していたが、本稿執筆時に確認したところ、UWPアプリケーションの「メッセージング」が既に対応していた(バージョン2.13.20000.0)。“Build 2016”では、アクションセンターの拡張機能に関するセッションが設けられてたが、こちらでも『昨年求めたもの』と、インタラクティブなトースト通知は実現済みと説明している。

Windows 10 バージョン1511(Threshold 2)と最新の「メッセージング」を組み合わせると、「Skype」によるチャットはトースト通知上から返信できる。デスクトップ版「Skype」やUWP版「Skype」(ベータ版)は未対応だった

 同セッションでは今後の方向性として“Action Center in the Cloud”を提唱した。具体的にはAndroid版「Cortana」をインストールしたAndroidデバイスに届いたテキストメッセージを、Windows 10のアクションセンターにも表示させ、そこから相手に返信するというものだ。

Androidデバイスで受信したテキストメッセージを、Windows 10のアクションセンターで表示するデモンストレーション
“Notification Mirroring”の概要

 上図は本仕組みをイラスト化したスライドだが、Windows 10やAndroidのデバイスに、それぞれNC(Notification Client)となる「Cortana」をインストールし、クラウド上にあるNS(Notification Server)経由で各クライアントに配信する仕組みだ。なお、上図は「PowerPoint」のアニメーションで作成され、右上に示された“Universal Dismiss”は文字どおり、任意のデバイスで通知を削除すると、他のデバイスの通知も削除できる。

一方のデバイスで通知を削除すると、他方のデバイスでもメッセージが削除される“Universal Dismiss”

 Microsoftは本機能がWindows 10 Anniversary Updateで実装するか明言していないが、実に興味深い機能だ。なお、iOS版「Cortana」はAppleの制約により、現時点ではAndroidデバイスだけを対象とすると言う。このように単なる通知の集合場所だったアクションセンターが、クラウドや他のデバイスと連携することで、これまでと違った広がりを見せているのだ。

(Cactus:阿久津 良和)