Creators Updateで向上!Windowsの操作性

もうコントロールパネルは不用!? 充実し始めた「設定」

 米国時間の11日から一般提供が開始された「Windows 10 Creators Update」では、数多くの機能追加や仕様変更が施されている。本連載では多数の更新点の中から、使い勝手に関わる変更に焦点を当ててご紹介する。

デスクトップアプリのインストールを抑止・禁止できるように

 短期集中連載の最後は「設定」の変更点をピックアップしよう。各所に細かい変更が加わっているが、新カテゴリとして“アプリ”と“ゲーム”が加わった。前者は関連する項目が増加したため、1つのカテゴリとして独立に至っている。だが、もっとも興味深いのは[アプリのインストール]という項目だ。ドロップダウンリストから[任意の場所のアプリを許可する][ストア以外からアプリをインストールする前に警告する][ストアのアプリのみ許可する]の3項目が選択可能だが、後者2項目はデスクトップアプリのインストールを抑止・禁止するというもの。

「設定」の[アプリ]-[アプリと機能]画面には、[アプリのインストール]という項目が加わった。基本的にはデスクトップアプリのインストールを制御するものだ
ドロップダウンリストで[ストア以外からアプリをインストールする前に警告する]を選択し、デスクトップアプリのインストーラーを起動すると、警告メッセージが現れる

 Microsoftとしてはデスクトップアプリではなく、UWP(ユニバーサルWindowsプラットフォーム)アプリケーションを推奨したいのだろう。同社の意向はともかく、従来どおりデスクトップアプリをWindows 10で気軽にインストールする場合は、既定値の「任意の場所のアプリを許可する」を選択する。

“ゲーム”カテゴリではゲーム実況動画配信サービス“Beam”での配信設定が可能

 後者の“ゲーム”はPCゲームに関する設定を行う“ゲームバー”や、PCゲーム画面の録音・録画を行う“ゲームDVR”に関する項目が集められているが、注目すべきはMicrosoftが買収したゲーム実況動画配信サービス“Beam”を取り込んでいる点。一連の設定は[ブロードキャスト]で行うが、実行自体は[Win]+[G]キーで呼び出すゲームバーからワンクリックで行える。

こちらは配信側の画面。PCゲームの端に配信中の画面やWebカメラによる自身の映像が配信される
Webブラウザーで開いた視聴者側の視点。チャットはもちろん、配信者が許可すればゲーム内の操作も行える

 さらに注目すべきは[ゲームモード]である。本稿執筆時点でもMicrosoftによる詳細な説明はないものの、CPUやGPUといったハードウェアリソースをPCゲームへ優先的に割り振るというもの。実際に試したところ、フレームレートが向上するといった具体的な成果は感じられず、体感レベルではPCへの負荷が高まる印象を持った。関係者の説明によればゲームモードへの最適化を行うことで、さらなる効果を得られるそうなので、今後に期待したい

「設定」側にある設定項目。こちらはOSレベルでゲームモードの利用を選択する
こちらはPCゲーム側の設定項目。OSと共に有効にすることで、PCゲームのリソース割り振りが有効になる……はずである

[ディスプレイ]画面は使い勝手が向上

「設定」の[システム]-[ディスプレイ]。Anniversary Updateにおける[ディスプレイの詳細設定]の内容が統合された

 新設ではないものの、使い勝手がよくなっているのは[システム]-[ディスプレイ]である。Anniversary Updateまでは2階層になっていたものの、Creators Updateは1ページにまとめられた。また、スケーリングの仕様変更に伴い、従来の[テキストやその他の項目のサイズ調整]は通常の方法では呼び出せなくなっている。代わりに[カスタムスケーリング]で一括設定を行う項目が用意された。詳しく検証していないが、内部的にはレジストリを変更しているらしく、そのためメッセージには『元の設定に戻すのは難しい可能性があります』とあるのだろう。

[カスタムスケーリング]をクリックすると、ドロップダウンリストではなく任意の倍率で設定可能になる

 以上、駆け足でCreators Updateの変更点をピックアップしてきた。この他にも書き切れない変更ポイントが多数盛り込まれているので、本誌でも機会を見て紹介するが、是非ご自身のPC環境で確認してほしい。