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「PowerToys 0.96」が公開 ~コピペツールに好みのAIモデルを追加する機能などを導入

リネームツールも強化。EXIFを読んでファイル名にカメラのモデル名を反映させることも

「Microsoft PowerToys」v0.96.0がリリース

 米Microsoftは11月19日(日本時間)、「Microsoft PowerToys」の最新版v0.96.0を公開した。「PowerToys 0.96」では「Advanced Paste」、「コマンド パレット」、「PowerRename」などのモジュールでいくつかの改善が実施されている。

「Advanced Paste」にAIモデルプロバイダー

 クリップボードからコンテンツを貼り付ける際にさまざまなデータ加工を行えるようにする「Advanced Paste」に、AIモデルプロバイダーが追加された。オンライン(クラウド)、オンデバイス(ローカル)のAIモデルを複数「Advanced Paste」に追加し、貼り付けの際に好みのモデルを選んでデータを加工できるようになった。

オンライン、オンデバイスのAIモデルを複数「Advanced Paste」に追加
貼り付けの際に好みのモデルを選んでデータを加工

 対応するAIモデルは、以下の6種類だ。

  • Azure OpenAI
  • OpenAI
  • Google Gemini
  • Mistral
  • Foundry Local
  • Ollama

 とくに、オンデバイスのローカルAIが利用できるのは朗報。サブスクリプションを契約する予算のないユーザーでも、一定のマシンリソースさえあれば「Advanced Paste」のAI加工機能を楽しめる。

「コマンド パレット」の改善

 [Windows]+[Alt]+[Space]キー(既定)で呼び出せるランチャーアプリ「コマンド パレット」(Command Palette)では、ユーザーインターフェイスのアップデートや検索結果の表示高速化などが行われた。ファイル・フォルダーを検索する際は、「ファイルのみ」「フォルダのみ」といったフィルタリングが可能。[Ctrl]+[,]キーで「コマンド パレット」の設定ページを開く機能も追加された。

ユーザーインターフェイスのアップデートや検索結果の表示高速化などが実施
ファイル・フォルダーを検索する際は、「ファイルのみ」「フォルダーのみ」といったフィルタリングが可能

「PowerRename」のメタデータ対応を拡充

 ファイルのリネームツール「PowerRename」では、写真のメタデータ(EXIF、XMP)をもとにファイル名を変更できるようになった。ファイル名を付ける際は、カメラのモデル名($CAMERA_MODEL)やレンズのモデル名($LENS)、露出時間($ExposureTime)といったリネームパターンが利用可能だ。

写真のメタデータ(EXIF、XMP)をもとにファイル名を変更できるように

 「PowerToys」は、パワーユーザー向けに提供されているMicrosoft公式のシステムユーティリティ群。Windows 95/XP時代、盛んに行われていた取り組みをWindows 10/11で、しかもオープンソースで復活させたものだ。ウィンドウを決まった位置にすばやく配置できる「FancyZones」、ファイル名を一括変更できるシェル拡張「PowerRename」など、『OSにも標準で備わっていればいいのに』と感じられる便利な機能が多く収録されている。

 対応OSは「Windows 10 バージョン 2004」以降で、現在「GitHub」のプロジェクトページから無償でダウンロード可能。「Microsoft Store」からも入手できる。すでに利用中の場合は、アプリ内蔵のアップデーターで更新可能だ。

ソフトウェア情報

「PowerToys」
【著作権者】
Microsoft Corporation
【対応OS】
Windows 10/11
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
0.96.0(25/11/19)