石田賀津男の『酒の肴にPCゲーム』
季節感を完全無視して浜辺でゆったり過ごしたい！ 「ビーチバケーションシミュレーター」
洋ゲーが最も盛り上がるホリデーシーズンに向けて英気を養おう
2024年10月17日 06:55
PCゲームが賑やかになる季節が来ましたが
PCゲームの季節がやってきた。毎年、米国でのホリデーシーズンとなる11月下旬ごろに向けて、世界中で多数のゲームが発売される。日本ではそれほど影響はないが、いわゆる洋ゲーを楽しみたい人にとっては1年で一番忙しい時期になる。
Steamの大型セールのスケジュールも公開され、11月27日から12月4日はオータムセール、12月19日から翌年1月2日はウィンターセールが予定されている。今欲しい新作を買うもよし、セールに向けてウィッシュリストを積んでいく作業もよし。
そして手元にもいろんなゲームが並ぶ。筆者も「ディアブロ IV」で初の拡張パック「憎悪の器」が待っているし、「フロストパンク2」もまだまだ先が長い。10月25日には「ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン」の発売も控えている。遊びきれない量のゲームに埋もれる勢いだ。
……とはいえ。仕事や家事に追われる日々を送りつつ、眠気に追い立てられつつシビアなゲームをプレイし続けたいかと言われると、そう思わない時もある（だいたいプレイしたいと思い、実行しては反省する）。何にも追われることなく、ゆったりできる時間があってもいいじゃないか。
ということで、PCゲームの季節とかいうしがらみを完全に無視してプレイするのが「ビーチバケーションシミュレーター」である。結局PCゲームかよと言われそうだが、これは厳密にはゲームではなくシミュレーターなのでよしとしよう。
美しい南国のビーチを愛でる
本作は名前のとおり、ビーチでバケーションするシミュレーターである。発売は10月とのことだがまだ未定で、現在はSteamで体験版が公開されている。今回プレイするのはこの体験版だ。
ゲームを起動すると、浜辺の映像が現れる。砂浜にヤシの木、ビーチパラソルとビーチチェア。以上。これが本作である。
あとは浜辺を歩いたり、ビーチチェアに座ったりしつつ、バケーションを楽しむだけ。海に入ったりもできる。
サウンドもしっかり再現されていて、ヘッドフォンでプレイすると、波の音が心地よく聞こえる。ビーチチェアに座って海を見ながら、酒を飲むなりスマホをいじるなり好きにすればよい。
［Q］キーを押すと、突如上空へ飛び上がる。上空からビーチの様子を眺められるが、描画範囲が意外と狭いということに気づくとバケーション熱が冷めるので、ちょっと見るくらいにしておくのがいい。
いろんな場所でいろんなビーチを眺めよう
さて、本作の楽しみ方はもちろんこれだけではない。［Esc］キーを押すと設定画面が開き、時間や場所、天候を変更できる。
時間を変えれば、真昼の浜辺だけでなく、夕方や夜など時間経過によって変わる光景を楽しめる。また世界地図からロケーションを設定でき、その場所と時間に合わせた太陽の動きなどをシミュレートしているようだ。
曖昧に言うのは、ロケーションを日本に設定しても夜にオーロラが見えたりするからだ。体験版だからなのかどうなのかはわからないが、細かいことは気にしないでおこう。ロケーションを変えてもビーチの光景が何ら変わらないことに比べれば大したことはない。
天候は雲や霧、雨など、複数のパラメータで調整可能。プリセットされた天候も用意されており、雨天や濃霧、雷雨や降雪まで設定が可能。ヤシの木が生えたビーチでオーロラは出るわ砂嵐も吹くわで何でもありである。なお天候に応じた音もリアルに再現されている。砂浜に吹くブリザードはもう見ているだけで凍えてくる。
ただビーチを眺めるだけのコンテンツではあるが、美しい浜辺の映像だけで楽しめる内容であることは確かだ。殺伐としたゲームで他人と競い合う合間に、こういうのがあってもいいんじゃないかと思う。
1977年生まれ、滋賀県出身
ゲーム専門誌『GAME Watch』（インプレス）の記者を経てフリージャーナリスト。ゲーム等のエンターテイメントと、PC・スマホ・ネットワーク等のIT系にまたがる分野を中心に幅広く執筆中。1990年代からのオンラインゲーマー。窓の杜では連載『初月100円！ オススメGame Pass作品』、『週末ゲーム』などを執筆。
・著者Webサイト：https://ougi.net/
PCゲームに関する話題を、窓の杜らしくソフトウェアと絡め、コラム形式でお届けする連載「石田賀津男の『酒の肴にPCゲーム』」。PCゲームファンはもちろん、普段ゲームを遊ばない方も歓迎の気楽な読み物です。
