使ってわかるCopilot+ PC

第70回

ブラックフライデーで「Copilot+ PC」が安い! CPUメーカー3社ごとの最安製品は?

普段使いの性能も担保されたAI PCをゲットするチャンス

HPのブラックフライデーセールのWebサイト

PCを安く買うなら今!

 ブラックフライデーの時期になり、PCメーカー各社がセール品を出してきている。高性能なNPUを搭載した「Copilot+ PC」は、やや高価になりがちなだけに、購入を考えている方には貴重なチャンスとなっている。

 今回はQualcomm、Intel、AMDの3社のCPUごとに、ブラックフライデーのセール品の中から、とにかく安価な製品を探した。40TOPS以上のAI処理性能をもつNPU、16GB以上のDDR5/LPDDR5メモリ、256GB以上のSSD/UFSストレージを搭載するという制限がある「Copilot+ PC」であれば、安価であってもビジネス用途ぐらいは軽々こなせる性能が保証されている。最低価格でこのくらいというイメージを持っていただき、これからの年末商戦に向けて、お好みの製品探しの参考にしていただきたい。

最安狙いならQualcomm「Snapdragon X」

 Qualcomm製の製品で「Copilot+ PC」に対応するのは、「Snapdragon X」シリーズだ。「Snapdragon X Elite」や「Snapdragon X Plus」といったラインナップがあるが、どれでも「Copilot+ PC」に対応している。

 今回見つけた製品は、HP製「HP OmniBook 5 14-he スターターモデル」で、セール価格で74,500円。

 CPUは「Snapdragon X X1-26-100」でシリーズ最下位ながら、8コア搭載の高性能を保っている。GPU性能は上位モデルより半減しているので、ゲームなどで3D描画を想定している場合は上位機種を選ぶのがいい。一般的なオフィスユースなどでは問題ないだろう。

 メインメモリは16GB、SSDは512GBと標準的。14型で重量が約1.29kgとコンパクトで、バッテリ持続時間は最大34時間と長いため、モバイル用途にも活用できる。ディスプレイは1,920×1,200ドットの有機ELパネルを採用しているのもポイントだ。

「HP OmniBook 5 14-he スターターモデル」

安心で高性能なIntel「Core Ultra 200V」

 Intel製の製品では、「Core Ultra シリーズ2」の製品の中で、型番の最後に「V」が付くものが「Copilot+ PC」に対応する。「Core Ultra シリーズ2」は複数のラインナップがあるが、「V」以外の製品はNPUの性能が低く、「Copilot+ PC」に対応していない。

 見つけた製品は、Dell製「Dell 14 Plus」で、価格は134,235円。

 CPUは「Core Ultra 5 226V」で、8コア搭載、16GBのメインメモリを内蔵する。CPU・GPUともに、他社のエントリークラスの製品に比べて高性能だが、価格はワンランク上がってしまう。

 ただ本製品としては、ストレージが標準で1TB SSD、ディスプレイは2,560×1,600ドットと高精細なIPS液晶パネルを採用。14型で1.55kgと軽さはそれほどではないが、全体的に高めの性能を持ったマシンとなっている。

「Dell 14 Plus」

x64で安さ重視ならAMD「Ryzen AI」

 AMD製の製品では、製品名に「Ryzen AI」と入っているものが「Copilot+ PC」に対応する。同社の製品においては、NPUを指す言葉として「Ryzen AI」という名前が使われているのだが、「Copilot+ PC」の要件を満たさない製品でもこの名前は使われている。製品名に「Ryzen AI 5 340」といった形で入っているかどうかが重要だ。

 見つけた製品は、HP製「HP OmniBook 5 16-ag スタンダードプラスモデル」で、価格は99,800円。

 CPUは「Ryzen AI 5 340」。6コア12スレッド、NPUは最大50TOPSと高性能ながら比較的安価。AMD製のCPUは、内蔵GPUの性能の高さも売りの1つだが、こちらは上位製品に比べてGPUの性能が大幅に削られている。

 ディスプレイは16型と大きめで、タッチ操作にも対応。重量は1.8kgとやや重めだが、持ち運びより据え置きで広いデスクトップを使いたいなら最適だ。特にx64系CPUを搭載した「Copilot+ PC」で10万円を切るのは珍しく、コストパフォーマンスと互換性を重視したい方におすすめ。

「HP OmniBook 5 16-ag スタンダードプラスモデル」

 Lenovo製「IdeaCentre Tower 08AKP10 KRK」は83,160円とさらに安い。ただしこちらはデスクトップ型のPCとなっている。別途モニターが必要だが、デスクトップ型で「Copilot+ PC」に対応する製品は希少だ。

 CPUは「Ryzen AI 5 330」。4コア8スレッドとかなり性能は絞られており、GPU性能もさらに下がる。オフィスユースなど、高負荷な処理を求めない環境に向けた製品だ。幅89mmとスリムな縦置き型で、導入しやすいのがメリット。

「IdeaCentre Tower 08AKP10 KRK」
著者プロフィール:石田賀津男(いしだ かつお)

1977年生まれ、滋賀県出身

ゲーム専門誌『GAME Watch』(インプレス)の記者を経てフリージャーナリスト。ゲーム等のエンターテイメントと、PC・スマホ・ネットワーク等のIT系にまたがる分野を中心に幅広く執筆中。1990年代からのオンラインゲーマー。窓の杜では連載『初月100円! オススメGame Pass作品』、『週末ゲーム』などを執筆。

・著者Webサイト:https://ougi.net/