特別企画
Windows 7のマルチタッチで遊ぶ「Touch Pack for Windows 7」
6本のゲーム・アプリすべてについて実際に指で操作した動画を掲載!
(10/04/28)
Windows 7には、“Windows タッチ”と呼ばれる機能が搭載されており、対応するノートパソコンやディスプレイを用意すれば、スマートフォンなどでおなじみの“マルチタッチ”を利用してパソコンを操作できる。
Windows タッチを使えば、たとえば画面上で2本の指を広げる動作をすることで、表示中のWebページを拡大表示したり、1本の指で画面上のファイルをタッチしながら、もう1本の指で画面をタップすることで、ファイルの右クリックメニューを表示するといった操作が可能。動画編集ソフト「LoiLoTouch」をはじめ、対応するソフトも徐々に増えてきている。
そんななか、21日にMicrosoftから公開された「Touch Pack for Windows 7」(以下、Touch Pack)には、このWindows タッチを利用して遊ぶゲームやアプリケーションが全6本収録されている。しかし、現状ではWindows タッチに対応するディスプレイは種類も少なく、まだまだ一般に普及していないため、興味はあるが実際には試せていないという人も多いのではないだろうか。
そこで今回は、編集部にてWindows タッチに対応するディスプレイを用意し、Touch Packを試用した。本特別企画ではTouch Packに収録されているゲームなどを実際に操作している様子を収めた動画も掲載したので、今後Windows タッチ対応ディスプレイを購入したいという人はぜひ参考にしてほしい。
これぞマルチタッチ!指を2本使ったエアホッケー「Microsoft Rebound」
「Microsoft Rebound」は、2本の指を使って小さな玉を打ち合うエアホッケー風のゲーム。フィールド上には自分と相手に2つずつの鉄球が用意されている。人差し指と中指で“チョキ”の形をつくるなどして鉄球に触ると、鉄球の間に小さな玉を弾くための電流が流れ出す。この電流で玉を打ち合い、相手のゴールに叩き込めばポイントとなる。
もちろん両手の人差し指を使うなどしてもよいが、2つの鉄球の間隔が離れすぎてしまうと電流が途切れてしまい、玉を打ち返すことができなくなってしまう。マルチタッチでの操作が前提となっているだけでなく、プレイ中は相手のショットを止めてくれるなどの効果をもつアイテムが出現するためゲーム性も高い。マルチタッチ対応のゲームを待ち望んでいたという人は、Windows タッチ対応ディスプレイを購入したら真っ先にプレイしてみよう。
鉄球は、ぐちゃぐちゃと高速かつ適当に指を動かした場合でも、きちんと指と連動して動いてくれるため、プレイ中は本当に手で鉄球を触って操作しているかのような雰囲気を味わえる。しかしそれだけに、デスクトップパソコン用のディスプレイを通常の状態にしたままプレイするのは若干辛いものがある。できればディスプレイを水平な状態にして、実際にエアホッケーをプレイしているような体勢で遊んでみるとよりいっそう楽しめるはずだ。
- Windows タッチの真価はノートパソコンでこそ発揮される?
今回はデスクトップパソコン用のディスプレイを使ったが、やはりWindows タッチをもっとも活かせる環境はネットブックをはじめとするノートパソコンだろう。Windows タッチに対応するASUS製のネットブック“Eee PC T91MT”のように、画面が回転するノートパソコンを使ってディスプレイを水平な状態にしておき、出先で地図を見たり、「Microsoft Rebound」を友達と対戦してみると面白いのではないだろうか。
大まかなタッチ操作が面白さを引き出す操船ゲーム「Microsoft Garden Pond」
「Microsoft Garden Pond」は、日本庭園の池に浮かぶ折り紙の船を操作するゲーム。池をタッチすると波紋が広がり、水の力を利用して折り紙の船を動かすことができる。また、指を激しくスライドさせることでその方向へ水しぶきを上げることが可能。
一見、バシャバシャと水を激しく動かしたほうが船を早く動かせそうだが、実際には小さく穏やかな波紋のほうが遠くまで船を動かすことができる。また、池に浮かぶロウソクにぶつかると火が燃え移り、船が燃えてしまう。船が燃えてしまった場合は、激しく水しぶきを上げて火を消してあげよう。
本作には、船を動かして水面に浮かぶ花を集める“村”や、すべての船をロウソクにぶつけて燃やす“門”など、目的の異なる4種類のゲームが用意されている。いずれも、ゲームの内容自体には目を引くような派手さはないが、Touch Packに収録されている6本のソフトのなかで、もっともタッチ操作を有効活用しているのはこの「Microsoft Garden Pond」ではないだろうか。
タッチ操作はマウスやキーボードでの操作に比べれば、どうしても正確性に欠けてしまう。しかし本作が、マウスのクリックで波紋を広げる位置を的確に指定できてしまったら逆に面白味がない。指を使った大まかな操作が本当に池に船を浮かべて遊んでいるかのようなリアリティを生み、面白さを引き出しているのだろう。
仕掛けを組み立てて風船をゴールまで導くパズルゲーム「Microsoft Blackboard」
「Microsoft Blackboard」は、黒板を模したフィールドにバネや歯車といった仕掛けをうまく配置して、風船やボールが自動的に電球まで進む道を作ってあげるパズルゲーム。フィールドにはあらかじめいくつかの仕掛けが配置されており、用意されている仕掛けをフィールドに付け足して風船やボールの通り道を作ってあげるのが目的だ。
仕掛けを配置して再生ボタンを押すと歯車などの仕掛けが動き出すほか、風船は浮かび上がり、ボールは重力に従って画面下側へと落下する。なお、再生ボタンを押したあとはプレイヤーがフィールドを操作することはできず、無事風船がゴールまでたどり着けるかを見守るのみとなる。
仕掛けを配置したり、大きさや角度を調節するといった操作は指で行うものの、「Microsoft Rebound」や「Microsoft Garden Pond」に比べてタッチ操作の必然性が少ないように感じるかもしれない。
とはいえ本作は、全50ステージが用意されている上、ステージが進むにつれて純粋にパズルとしての難易度も上がっていく。おそらくTouch Packに収録された6本のなかで一番長く楽しめるのではないだろうか。
タッチ操作の基本が凝縮された壁紙作成ソフト「Microsoft Surface Collage」
「Microsoft Surface Collage」は、パソコンに保存された画像を自由に並べてデスクトップの壁紙を作成できるソフト。エクスプローラー上で画像の右クリックメニューから本ソフトを起動することで、選択した画像と同じフォルダ内にある画像のサムネイルが本ソフトの画面下側に表示される。
サムネイルを指でスライドさせて写真を任意の位置へ移動、2本の指を開閉させて画像を拡大・縮小、画像をタッチしたまま指を回転させて画像の向きを調節といったタッチ操作の基本が詰め込まれている。
コルクや木目、布などを模した背景のデザインを利用できるほか、背景の色を変更したり、並べた画像に枠をつけることも可能。タッチ操作を練習しつつ、オシャレな壁紙も作成できて一石二鳥だ。
水辺に集まる魚とふれあうスクリーンセーバー「Microsoft Surface Lagoon」
「Microsoft Surface Lagoon」は、きれいな水辺を泳ぐ魚たちとふれあえるスクリーンセーバー。自然の風景を切り取ったようなリアルな画面には、本当に生きているかのように小さな魚たちが泳いでいる。画面をタッチすると水面に波紋が広がり、魚が驚いて逃げ出してしまうが、そのまま画面に指を置いておくと、興味を示して群がってくる。
スクリーンセーバーということもあり、多種多彩な操作を楽しめるというものではないが、タッチした場所に波紋を広げるだけでなく、勢いよく指をスライドさせることで実際に触っているように激しく水面をかき回せるなど、現実に近い反応を体験できるのが面白い。Touch Packに収録されている6本のソフトのなかで、家族や友人などパソコンに詳しくない人にWindows タッチの魅力を伝えるには一番のソフトではないだろうか。
2本の指で世界を探検できる3D地図ソフト「Microsoft Surface Globe」
「Microsoft Surface Globe」は、画面上に表示される地球儀を指で操作して世界中を探検できる3D地図ソフト。任意の方向へ指をスライドさせて視点を移動できるほか、2本の指を開閉させて拡大・縮小したり、2本の指を回転させて地図を回転させるといった操作を行える。また、1本の指で画面下側に表示されるボタンをタッチしたまま、もう1本の指で画面をスライドすることで、地図の傾斜を変更するといった操作も可能。
本ソフトは、マウスやキーボードでの操作にも対応しているが、やはり指を使うことによって、直感的な操作で自分が見たい場所を表示できる。感覚としては、机の上に置いてあるたくさんの書類のなかから、自分の見たいものを自分の見やすい場所に指で引っ張ってくるようなものだろうか。画面をタッチして操作することの便利さを実感できるソフトだ。
- Windows タッチ対応のディスプレイ
編集部では、Windows タッチ対応ディスプレイとしてAcer製の“T230Hbmidh”を用意した。23インチのフルHD解像度でありながら、実売価格は3万円台となっている。この価格帯であれば、Windows タッチをオマケとして考えても、ディスプレイを買い換える際に選択肢のひとつとして考慮に入れてもよいのではないだろうか。
“T230Hbmidh”の場合は、通常のディスプレイと同じようにD-SubやDVIでパソコンと接続したあと、付属のUSBケーブルでディスプレイとパソコンをつなぐことで、別途ソフトなどをインストールすることなくWindows タッチを利用可能となる。