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【第6回】
レジストリを変更すると何ができるのか
レジストリの編集だけではできないこともある
(02/06/20)
前回は、レジストリ中級者が実際にどんなことを知っているのかについて述べてきました。そのうちのいくつかの項目は、本連載ですでに学んだことでもありましたね。そこで、今回は、レジストリに保存されている情報をもとに、レジストリを編集すると何ができるのかを考えてみることにしましょう。
レジストリに保存されている情報とは?
レジストリの編集によって何ができるのかを考える前に、元々レジストリには何が保存されているかを思い出してみましょう。レジストリには、Windows上のソフトやWindows、周辺機器の設定情報などが保存されています。したがって、レジストリを編集することによってこれらに関わることについて変更ができるだろうということが予測できます。
こんなことはできません
レジストリというのは、あくまでWindowsやソフトの“設定”が保存されているに過ぎません。あるレジストリを変更した場合、Windowsやソフトがその設定を見て、自分の動作を変更するというだけのことです。
したがって、レジストリの編集によって得られる結果は、そのソフトが「“設定”としてあらかじめ準備している範囲」のことしかできません。ですから、ソフトの動作の中でも、レジストリに設定されていない動作は、レジストリの編集だけで変更することはできないのです。
また一般的に、レジストリの編集だけでバグの修正をしたり、特定のソフトに未知の機能を付加することはできません。
こんなことができます
「ソフト同士の連携」も、レジストリを介して行われることがあります。例えば、エクスプローラでデータファイルをダブルクリックしたとき、そのファイルを編集するソフトが自動的に起動しますが、これは“関連付け”という連係機能を利用しています。したがってレジストリ編集によって、“関連付け”を自由に変更できることになります。蛇足ですが、これらの「連携」を実現するのに便利だということが、レジストリを一元管理する理由として挙げられることもあります。
ソフトの設定がレジストリ内に保存されていることを利用して、そのソフトの機能を拡張するというソフトがあります。例えば、「Internet Explorer」のツールバーにボタンを追加するソフトや、「Internet Explorer」でリンクをクリックすると起動するダウンロード支援ソフトなどがそれに当たります。これらもレジストリを編集することによって実現されています。
また、ソフトの設定の中には、いわゆる「隠し機能」が含まれていることがあります。たとえば、Windowsの隠し機能は、レジストリを追加・変更することによって実現されることが多く、よく雑誌などで「レジストリのここをこう編集すると、こんなことができるようになります」と書かれていますが、そういった隠し機能を紹介しているのです。
レジストリの編集によって何ができるかが分かったところで、いよいよ次回からは「レジストリの編集」を体験してみましょう。
(矢吹 拓也)