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これ以前の連載一覧

【第1回】

「リネージュII」

美しい3Dグラフィックと自由度の高いゲーム性が魅力のファンタジーMMORPG

(04/04/23)

タイトル画面

 “βテスト”とは、開発中のゲームを一般のユーザーにプレイしてもらい、最終的な動作検証や不具合の発見・修正などを行うもの。現在では、正式サービス開始前に無料でβテストを行うのが一般的となり、そのタイトル数も増加している。

 これまで毎週金曜日は連載記事“週末ゲーム”にてオンラインソフトのゲームを紹介してきたが、MMORPGをはじめとしたβテストを実施しているタイトルの増加に伴い、毎月最終金曜日にβテストを実施しているゲームのみを“週末ゲーム”の特別版“βテスター”として紹介していく。“βテスター”では、話題のゲームや独自に注目しているゲームのβテストに参加し、ゲームの内容や、テスター独自の視点で感じたことなどを紹介していこう。

 “βテスター”第1回目となる今回は、韓国で約200万人以上の会員を集めたファンタジーMMORPG「リネージュII」を紹介する。日本でも2月よりオープンβテストを開始しており、4月現在で約30万人のプレイヤーがゲームを楽しんでいるという。なお、正式サービスの開始時期についてエヌ・シー・ジャパン(株)に問い合わせたところ、現段階では未定となっているとのこと。少なく見積もっても、あと1、2カ月くらいはオープンβテストが継続されるのではないだろうか。

 「リネージュII」は、前作「リネージュ」の続編となるファンタジーMMORPG。舞台設定が「リネージュ」と同じ世界の150年前となっており、ゲーム内で馴染んだ地名や種族、モンスターが現れる。3Dで描かれたグラフィックがとても美しく、登場する建物やキャラクターが丁寧にモデリングされているのが特長。装備を替えればキャラクターの外見も変わるので、街中にはさまざまな装いをしたキャラクターたちが集い、会話している。βテスト中であるにもかかわらず参加者は多く、ゲーム内は昼夜を問わず活気に満ちているといった印象だ。


“ファイター”か“メイジ”でスタート

登場するキャラクターのグラフィックはとても美しい。これはエルフの女戦士
登場するキャラクターのグラフィックはとても美しい。これはエルフの女戦士

 ゲームは、まず自分の分身となるキャラクターを作成するところから始まる。キャラクター作成時点で選択できる種族としては、バランスのとれた能力をもつ“ヒューマン”、移動速度や命中率が高い“エルフ”、体力と精神力は低いが攻撃力が高い“ダークエルフ”、体力や回復速度が高く命中率や移動速度が低い“オーク”、アイテムを作成できる“ドワーフ”の5種類が用意されている。種族選択後は、武器を使用した戦闘を得意とする“ファイター”と、攻撃や体力回復などの魔法を使う“メイジ”の2種類から職業を選択することが可能だ。どの種族も能力は一長一短だと思うので、能力だけでなく見た目や好みで種族を決めてもで構わないと思うが、“ドワーフ”はスタート時の段階で“メイジ”に就くことができない。また職業では、“メイジ”がパーティに誘われやすく、“ファイター”がパーティに誘われにくい印象を受けた。街中でパーティメンバー募集の声を聞く限りでは、種族、レベルを問わずに“メイジ”が不足気味らしい。


 また、このゲームではすべてのキャラクターが同じ場所からプレイを開始するのではなく、各種族それぞれの本拠地から始めることになる。“メイジ”の比率が高い“エルフ”や“ダークエルフ”の本拠地周辺は比較的パーティが組みやすい一方で、“ファイター”の比率が高い“ヒューマン”や“オーク”の本拠地周辺ではゲーム序盤にバランスのいいパーティが組みにくい、という話も耳にした。

 その後キャラクターはレベル20とレベル40で転職が可能となり、近接戦闘に特化した職業、遠隔攻撃に特化した職業、支援系の職業、召還獣を呼び出せる職業などに細分化していく。一度選んだ職業は変更することができないので、どんなキャラクターに育てたいのか慎重に考えながらレベルを上げていこう。


こちらはダークエルフの女魔導士。装備する武器や鎧が変わると外見も変わる   エルフの男戦士でエントリー。エルフの本拠地となる村の中央には世界樹がそびえ立つ
こちらはダークエルフの女魔導士。装備する武器や鎧が変わると外見も変わる   エルフの男戦士でエントリー。エルフの本拠地となる村の中央には世界樹がそびえ立つ

スキルと魔法を習得しつつキャラクターを育てる

 プレイ開始後は本拠地周辺で経験値と資金を稼ぎつつ、レベルアップと装備の充実を目指す。「リネージュII」ではソロプレイでもそこそこ経験値を稼ぐことができるので、レベル15ぐらいまでは無理にパーティを組まなくてもよいかもしれない。もちろんパーティのほうが効率はよいのだが、必ずしもパーティプレイに縛られない自由がある。ちなみにパーティは最大9名で編成可能だが、4~5人で編成される場合が多いようだ。

モンスターとの戦闘。プレイ画面は客観視点で、カメラの位置やズームは任意に変更可能だ
モンスターとの戦闘。プレイ画面は客観視点で、カメラの位置やズームは任意に変更可能だ

 キャラクターの操作は、マウスとキーボードを組み合わせたり、マウスまたはキーボードのみで行うことが可能。たとえば移動は、マウスで目的地を左クリックで指定すれば、その地点まで勝手に走り、キーボードでは上カーソルキーを押し続けると前方に走っていく。視点はキャラクターの背後が基本だが、右クリックしながらマウスを動かして好きな角度に変えたり、[PageUp][PageDown]キーで上下に変更することも可能だ。

 モンスターとの戦闘は、戦いたい相手をマウスでダブルクリックすればよい。このとき表示されるモンスター名の色が青や緑なら自分より格下、白なら同等の相手となり、黄色や赤で表示される場合は自分より格上の相手、という意味である。序盤は格下のモンスターと連戦したほうが、単位時間あたりの経験値はよいようだ。戦闘に勝利すると、経験値と“SP(スキルポイント)”というポイントを獲得できるほか、モンスターがアイテムやお金を落とす場合もあるので忘れずに拾っておこう。


戦闘で“SP”を手に入れたら、好みの戦闘スキルや魔法を習得することができる
戦闘で“SP”を手に入れたら、好みの戦闘スキルや魔法を習得することができる
 “SP”は、各種族の拠点となる街のコンピューターキャラ(Non Player Character、以下NPC)と交換することで、攻撃力アップや防御力アップなどの戦闘スキルや、回復魔法や攻撃魔法などを習得できるようになる。「リネージュII」では、この“SP”がキャラクターの攻撃力や防御力を変化させる重要なステータスであり、さらに何を優先して学ぶかによってキャラクターに個性が与えられるシステムとなっている。たとえば同じ“ファイター”でも、防御スキルを優先して育てたキャラクターと攻撃スキルを優先して育てたキャラクターでは、パーティ内での役割が異なってくる。また短剣・剣・弓など、どの武器スキルを優先して育てるかによっても戦い方は変わる。“SP”は戦闘とクエストでしか手に入れることができないので、その使い方には十分気をつけたい。


 また「リネージュII」には、プレイヤー同士で戦う“PVP(プレイヤーVSプレイヤー)”という行為が許されている。ただし、無抵抗のプレイヤーを一方的に倒すと“PK(プレイヤーキラー)”となってキャラクター名が赤色で表示され、街の入口で警備をしているNPCに襲われる、ゲーム内で船を利用できないといったペナルティもある。なお、“PVP”で双方が攻撃を行い相手を倒した場合は“PVP”を行った証としてキャラクター名がピンク色で表示され、“PK”のペナルティは適用されない。[Ctrl]キーを押しながら他のプレイヤーをダブルクリックするだけで攻撃できるため、操作を誤ると自分から“PVP”を行ってしまう場合もある。パーティプレイや移動時のマウス操作は、他のキャラクターの位置を確認してから操作を行うようにしよう。そして、自分が他のプレイヤーから襲われる場合もあるので、背後などから攻撃を受けたときや、プレイヤー名が赤色のキャラクターを見かけたら、相手にせず逃げるのが得策だ。


必要な資金を稼ぐのが一苦労

武器や装備品を店で購入。ただしどれも驚くほど高い
武器や装備品を店で購入。ただしどれも驚くほど高い

 経験値の獲得とキャラクターそのものの成長は比較的容易に感じたが、厳しいのはむしろ資金面だ。店で売られている武器や防具は値段が高く、装備を一通り揃えるには結構な大金が必要となる。戦闘後に入手できるお金を少しずつ貯金し、あとはクエスト(NPCから与えられるゲーム内の課題)をクリアして得られる報酬でつなぐことになるだろう。また「リネージュII」には、売りたいアイテムや買いたいアイテムを見せて売買する個人商店のようなシステムが用意されている。モンスターから価値のあるアイテムを手に入れたり、不要となった武器やアイテムがある場合は、街のなかで店を開いてアイテムを売却するとよいだろう。また店でアイテムを売ることも可能だが、売却金額が購入価格の半値くらいになってしまうので、あまりオススメはできない。


パーティでの戦いと“血盟”について

村はずれにある“エルフの地下要塞”。内部にはアンデッド系のモンスターがひしめいている
村はずれにある“エルフの地下要塞”。内部にはアンデッド系のモンスターがひしめいている

 ある程度の戦闘スキルや魔法を習得し、装備も揃ったら、パーティに参加することをオススメしたい。パーティを組めばより強い敵と戦うことができるほか、多くのお金や高額なアイテムを手に入れることができるからだ。もちろん、経験値も稼ぎやすい。パーティに参加するには、本拠地や主要な狩り場の入り口付近でパーティを募集しているリーダーに直接話しかけるのが一番手っ取り早いと思う。

 「リネージュII」の戦闘はとてもスピードがあり、一戦一戦はとても短いが、周りのモンスターが次々と絡んできて連戦となる場合も多い。“エルフの地下要塞”のようなダンジョン内部では休む間もなく戦い続けるのが普通で、このドキドキ感がなんとも言えず心地よい。またゲーム内には、数十人のプレイヤーが徒党を組む“血盟”と呼ばれるシステムも用意されている。“血盟”を結成すると、“アジト”という同じ“血盟”に参加しているプレイヤーのみが利用できる拠点を入手するためのイベントに参加したり、現段階ではプレイできないが、モンスターや他の“血盟”が占領している城を入手するために戦闘を行う“攻城戦”もできるようだ。もし“血盟”に誘われたら、試しに入ってみるのも楽しいだろう。


パーティプレイに縛られない自由と好みのキャラクターに育てる自由がある

 最後にいくつか気になる点についてまとめておきたい。まず1つは、かなり高いスペックのパソコンが必要だということ。今回テストプレイに使用したのはCPUがPentium4 2.4GHz、ビデオカードがGeForce4 Ti4600という組み合わせのものだが、このスペックでは全体的に動作が“重い”印象を受けた。フィールド上ではまずまず快適であるものの、街の中やダンジョン内部のようにたくさんのモンスターやキャラクターが密集する場所では、動作がコマ送りになってしまうこともある。ただし、コマ送りになったのはパソコン側の問題ではなく、サーバー側の負荷に原因があるのかもしれない。また解像度や影の表示の有無といった表示エフェクトを調整することで、コマ送りになる現象を多少改善することも可能だ。いずれにしても、ゲームを始める前に公式ページで動作環境の確認をしておこう。

 2つめは、サーバーがまだまだ不安定であるという点だ。突発的なメンテナンスが行われることが少なくないし、データの遅延によってキャラクターがワープする現象もたびたび目撃した。もっとも現在はβテスト期間中なので、こういった動作に関する問題は次第に改善されていくと思われる。

 そして、筆者自身は感じなかったが、参加者全体の高レベル化が進んでいることによって、低レベルではパーティを組みにくいという話も耳にした。プレイする時間帯やサーバーによっては、そのようなことがあるのかもしれない。

 パーティを組まずにソロでもそれなりにプレイできること、同じ職業を選んでも学ぶスキルによって個性あるキャラクターに育てることができることなど、「リネージュII」は各自が自分に合った楽しみ方ができるところがいい。キャラクターの成長やスキルシステムが練られた、良質のMMORPGだと思う。こうしたゲームに初めて触れる人でも、十分に楽しめる作品ではないだろうか。筆者のプレイは、まだまだこのゲームの序盤に過ぎないが、それでもかなり楽しむことができた。キャラクターも順調に育ち、またゲーム内にも友人ができたので、今後もしばらく続けてみようと思う。


3Dで描かれた世界はとても美しい。流れる雲と、風になびく草花。険しい山や湖などもある   こちらはダークエルフの村。一日中暗く、怪しげな雰囲気が漂っている
3Dで描かれた世界はとても美しい。流れる雲と、風になびく草花。険しい山や湖などもある   こちらはダークエルフの村。一日中暗く、怪しげな雰囲気が漂っている

【著作権者】エヌ・シー・ジャパン(株)
【対応OS】Windows 98/Me/2000/XP
【ソフト種別】β版フリーソフト
【バージョン】-
【ファイルサイズ】1.18GB

□リネージュII
http://www.lineage2.jp/

(三鷹 昭一郎)


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