商用可・無料のAI音声読み上げツール「VOICEVOX」が歌えるように ～ソング機能を搭載

「VOICEVOX」v0.16.1

　好みのキャラクターにテキストを読み上げさせられる音声合成ツール「VOICEVOX」の最新版v0.16.0が1月31日に公開された。最新版では、合成音声に音程を付けて歌わせることが可能なソング機能がプロトタイプ版として搭載されている。

　ソング機能は、画面右上に設けられた［トーク］、［ソング］の切替ボタンから利用できる。ピアノロール上にノートと歌詞を記述していくオーソドックスなスタイルだが、細かい設定を行わなくてもビブラートや息継ぎなどのニュアンスが自動で付加され、自然な歌唱になるのが特徴。

　現在のところ、ソング機能で使えるキャラクターは「四国めたん」「ずんだもん」「春日部つむぎ」「雨晴はう」「波音リツ」のみ。「四国めたん」「ずんだもん」「波音リツ」はスタイルにも対応するほか、「波音リツ」はより歌声らしい声で歌うことが可能な「ソング」スタイルが用意されている。

「四国めたん」「ずんだもん」などのキャラクターを利用可能

　歌声はWAVE形式で保存できるほか、MIDIファイルやMusicXMLファイルの読み込みが可能。ただし、プロトタイプ版のため歌声をプロジェクトとして保存したり、歌詞やMIDIファイルの書き出し機能は実装されていない。今後のバージョンアップに期待しよう。

　「VOICEVOX」は、手軽にAI技術を活用した音声合成を利用できるツール。有償ツールほどの機能は持たないが、誰でもすぐに扱えて簡単なイントネーションなどの調整まで行なえる柔軟性を持つ。商用・非商用を問わず無料で利用可能で、ライセンスは「LGPL v3」（キャラクターに関してはそれぞれのライセンスに準拠）。

　対応OSはWindows/Mac/Linuxで、編集部にてWindows 10で動作確認した。現在、公式サイトからダウンロード可能。開発の継続などを目的とした資金援助を募っており、pixivFANBOXから援助を行える。

　なお、現在の最新版はマルチエンジン稼働時に起動しない不具合を修正したv0.16.1