NEWS(09/09/01 17:56)

スニペットの強化で入力作業が大幅に軽減された「EmEditor」v9のベータ版が公開

CSV編集モードや部分編集など多くの新機能が搭載されたほか、既存機能も強化

「EmEditor Professional」v9.00 beta 1「EmEditor Professional」v9.00 beta 1

 (株)エムソフトは8月30日、テキストエディター「EmEditor Professional」の次期バージョンとなるv9のベータ版を公開した。Windows 2000/XP/Server 2003/Vista/Server 2008/7/XP x64/Server 2003 x64/Vista x64/Server 2008 x64/7 x64に対応し、現在同社のWebサイトからダウンロードできる。なお、本ベータ版は体験版という形で提供されており、試用期限は11月30日までとなっている。

ただの定型文入力とはひと味違う生まれ変わった“スニペット”プラグイン

 v9の一番の目玉は、定型文の入力をサポートする“スニペット”プラグインが強化されたこと。従来のスニペットプラグインは、普段よく利用する単語や定型文をあらかじめ登録しておき、ダブルクリックすることでエディター内に挿入できるという単純な機能だった。

 今回のスニペットプラグインの強化では、定型文を登録する際に“トリガー”とする文字列や、“プレイスホルダー”と呼ばれるカーソルのジャンプポイントを設定できるようになった。これにより、トリガー文字列の入力後に[Tab]キーを押すだけで対応する定型文が挿入され、続けて[Tab]キーや[Shift]+[Tab]キーを押すことでプレイスホルダーとして設定しておいた箇所へカーソルを移動することが可能。さらにクリップボードの文字列を定型文内の特定箇所へ挿入することもできる。

 たとえばHTMLファイルの編集時にハイパーリンクのAタグを入力したい場合は、エディター上で“a”と入力して[Tab]キーを押すだけで、Aタグのすべてを補完してくれる。このときタグが補完されると同時に、プレイスホルダーで設定しておいたタグ内の要素や値部分を選択状態にしてくれるため、続く編集作業がスムーズに行えるようになる。

 具体的には、あらかじめ窓の杜などのURLをクリップボードへコピーしておき、エディター上で“a”と入力して[Tab]キーを押す。すると、“<a href="http://www.forest.impress.co.jp/" target="_blank">タイトル</a>”といった具合にクリップボードのURL文字列がセットされた状態でAタグの全体が補完される。続けて[Tab]キーを押すと、プレイスホルダーとして設定されている“target”や“タイトル”といった要素・値部分へカーソルを移動して対象の文字列を選択状態にしてくれる仕組みだ。

タグが補完されたあとは[Tab]キーで要素や値の部分へ移動できるタグが補完されたあとは[Tab]キーで要素や値の部分へ移動できる

スニペットの設定画面スニペットの設定画面

 さらに、進化したスニペットプラグインでは、定型文だけでなくマクロも登録できるようになった。よく利用するマクロをスニペットプラグインに登録しておけば、定型文と同様にトリガー文字列の入力後に[Tab]キーを押すだけで対応するマクロを実行できる。

 スニペットプラグインには、HTMLで利用される代表的なタグをはじめ、C/C++/CSS/Java/Pascal/Perl/PHP/Python/Ruby/TeX/XMLといった各種言語で利用される代表的なタグや関数が標準で登録されている。もちろん、ユーザーが独自に定型文を登録することも可能。

表計算ソフト風の見た目で編集できる“CSV/TSVモード”が搭載

表計算ソフト風にCSV/TSVを見やすく編集可能表計算ソフト風にCSV/TSVを見やすく編集可能

 v9では、カンマ区切りやタブ区切りのファイルを表計算ソフト風の見た目で編集できる“CSV/TSVモード”も搭載された。CSV/TSVファイルを開いた際に、エディター上部のルーラー部分の右クリックメニューから“CSVモード”または“TSVモード”を選択すると、縦のガイドラインが表示されるとともに、各列の文字列に合わせてカラム幅が最適な状態で表示できるようになる。

 カラム幅は、ルーラーの区切り部分をマウスドラッグすることで自由にサイズを調整することも可能。またルーラーをダブルクリックすれば、対象の列だけを選択状態にできる。

 さらにルーラーの右クリックメニューでは、指定したカラムをもとに昇順や降順などで全体を並び替えられる。後述する“部分編集”機能と合わせて利用すれば、選択している列だけを並び替えるといった編集も可能だ。

部分編集、括弧の自動補完、全画面表示などの新機能でテキスト編集の効率アップ

 そのほか主な新機能は、部分編集、括弧の自動補完、全画面表示、クリップボード履歴など。

 部分編集は、テキスト内の任意の範囲だけを編集可能にし、それ以外の場所を編集禁止にできる機能。検索や置換などのコマンド実行時にも編集禁止の部分が対象外となるため、ソースコードなどの長文テキストを編集する際に、余計な場所を誤って編集してしまうといったミスを防ぐことが可能。

 さらにアウトラインプラグインを利用する場合は、アウトラインツリーで選択した関数だけを部分編集するといった使い方もできる。

 部分編集機能を利用する際は、あらかじめ設定画面の[表示]タブで、“表示領域の外側”という項目を別の色で指定しておくと、編集禁止部分が指定した色で塗られるため視覚的にわかりやすくなる。

 括弧の自動補完は、“(”や“[”などの始まりの括弧を入力した際に、“)”や“]”などの対応する終わりの括弧を自動で補完入力してくれる機能。自動補完を有効にするには、設定画面の[強調(2)]タブで“括弧/引用符の自動補完”にチェックを入れ、さらに下側のリストで補完対象にしたい括弧の種類にチェックを入れていけばよい。

ソースコードなどの長文テキストを編集する際に便利な“部分編集”機能ソースコードなどの長文テキストを編集する際に便利な“部分編集”機能

括弧の自動補完は括弧の種類ごとに個別でON/OFF可能括弧の自動補完は括弧の種類ごとに個別でON/OFF可能

検索・置換でインクリメンタルサーチが可能になるなど、既存の各機能も強化

 v9では新機能の搭載だけでなく、既存の各種機能も強化されている。なかでも代表的な機能強化は、検索・置換ダイアログでインクリメンタルサーチが可能になったことや、外部ツールを使用する際に出力結果をテキスト内へ取り込めるようになったほか、アウトプットバーに標準入力を入力できるようになったこと。

 また、開いているファイルやウィンドウの位置を保存・復元できる“ワークスペース”機能も強化され、編集時のアンドゥ情報も保存できるようになった。これにより、未保存状態の“無題”ファイルもワークスペースとして保存・復元することが可能。

v9の提供形態は現在未定、有償アップデートの可能性も

 このようにv9は非常に大きなメジャーバージョンアップとなるため、現在のところ正式版の提供形態は未定となっている。同サイトのフォーラムには、作者によるコメントが掲載されており、有償アップデートの可能性もあるとされている。また、v9の提供形態や今後のライセンス形態に関しては、今月5日、6日に開催される説明会でのユーザーの意見を参考に検討していくとのこと。

 なお、すでにv9のアルファ版をインストールしている環境では本ベータ版を上書きインストールできないため、一度アルファ版をアンインストールする必要がある。

【著作権者】
Emurasoft, Inc.
【対応OS】
Windows 2000/XP/Server 2003/Vista/Server 2008/7/XP x64/Server 2003 x64/Vista x64/Server 2008 x64/7 x64
【ソフト種別】
体験版
【バージョン】
9.00 beta 1(09/08/30)

(久保 望)