レビュー
「Excel」の“ちょっと面倒”をまとめて解決できるツールボックス「nExTools」を試す
特定シートを一発表示、OR検索や指定範囲の比較など多数の機能を搭載するアドオン
2026年10月6日 06:45
「Excel」を日常的に使っている人ほど、“できるが面倒”な操作に時間を取られているのではないだろうか。例えば、2つの表の違いを確認する、特定の文字列に色を付ける、決まったシートを繰り返し表示する、といった操作だ。シート名や関連ファイルの一覧を作成したり、セル範囲を画像として保存したりする作業も、標準機能だけでは意外と手間がかかる。
そこで今回は、「Excel」にまつわる作業をサポートする無料アドイン「nExTools」を紹介したい。生成AIに注目が集まる時代ではあるが、日々の作業の手間を確実に減らしてくれる“ツールボックス”を用意しておく価値は大きい。「Excel」を長く使っている人ほど、便利さを実感しやすいアドインだ。
「nExTools」の導入
「nExTools」は、公式サイトから無償で入手可能。導入は、ZIPファイルを展開して同梱されている「アドインインストール支援.xlsm」を開き、[インストール]を実行する流れだ。ただし、会社支給のパソコンで利用する場合は、アドインの追加が許可されているか事前に確認しておきたい。
「nExTools」を削除する場合は「アドインインストール支援.xlsm」を開いて、[アドインのアンインストール]をクリックしよう。完全に削除せずに一時的に無効にすることも可能だ。試用しやすく、元に戻しやすいのは安心材料だ。
なお、[Excelのオプション]の[リボンのユーザー設定]から[nExTools]タブを非表示にすることはできない。[アドイン]から[Excelアドイン]の一覧を呼び出して、「nExTools」のチェックを外すと無効になり、[nExTools]タブも非表示になる。
シート移動やセル選択をワンクリックで実行
[nExTools]タブのボタンは[シート選択]、[セル選択]といったように、目的別のグループに分類されている。標準機能の組み合わせやショートカットキーで実現できるものもあるが、標準で「Excel」にない“あると便利”な機能がまとめられているのが特長だ。ここでは汎用的に使えて、かゆいところに手が届く便利機能を紹介しよう。
シート数が多ければ、切り替えるだけでも面倒だ。画面左下にある[>]や[<]を何度もクリックしたり、[Ctrl]+[PgDn]/[PgUp]キーを連打したりしているなら、「nExTools」の出番だ。ボタン名の通り、[最初のシート][中央のシート][最後のシート]に切り替えられる。
頻繁に切り替えるシートは登録しておくといい。ただし、[nExTools]タブからすばやく呼び出せるのは[登録シート1]と[登録シート2]の2つのみなので、優先順位を決めておこう。
続けて、セル操作まわりの便利機能を見てみよう。1列または1行ずれて選択してしまう操作ミスはありがちだ。選択し直すのは煩わしく、選択範囲を“ずらす”機能は、標準で用意されていない。[選択領域移動]がおすすめだ。特に画面をスクロールする必要のあるような広い選択範囲の移動に重宝する。
[使用領域]や[最終セル]を使えば、データが入力されている範囲や使用領域の右下端を確認できる。不要な値や書式が残っていて、印刷範囲が意図せず広がるようなトラブルの確認にも役立つ。
なお、[アクティブセル領域]は、表などの連続するデータ範囲を選択する機能。[Ctrl]+[A]キーを押すことで近い操作はできる。
ファイルの共有前に、すべてのシートのアクティブセルを「A1」にしておきたいという要望は多い。[セルA1(全シート)]を利用しよう。シートを1つずつ切り替えて、[Ctrl]+[Home]キーを押すより圧倒的に手早い。
頻繁に利用するセル範囲がある場合は[登録領域]に登録しておくこともできる。前述の[登録シート]と同じ要領で登録できる。確認欄や入力欄など、毎回同じセル範囲を参照する表では効果が大きい。広い表をスクロールする手間を減らせる。
検索・比較の作業を一気に片付ける
意外と手間がかかる検索・比較の作業をサッと処理できるのも「nExTools」の強みだ。例えば、[Ctrl]+[F]キーを押せば、文字列の検索はできる。しかし、実際には検索して終わりではない。見つけたセルに色を付けたり、結果を一覧化したりと、後続の作業が発生することが多い。
以下の表で『キーボード』と『テンキー』という言葉が含まれるセルを見つけて、文字色を変更することを考えてみよう。標準機能なら、1つのキーワードごとに検索・書式設定の操作が必要になるが、「nExTools」の[値検索]なら、複数のキーワードを含むセルを検索して、そのまま書式設定まで可能だ。
[値検索]のメニューにある[選択領域]は選択中のセル範囲、[アクティブブック]は開いているファイル全体が検索の対象となる。[指定フォルダ][指定フォルダ配下フォルダ]はフォルダー単位、[指定ファイル]は指定したファイルを対象に検索結果を一覧で表示する。なお、セルの背景色やフォント色を条件に探したい場合は、[色検索]も利用できる。
2つのセル範囲の内容を比較する機会も多い。関数で判定列を作る方法もあるが、確認だけなら色分けで済ませられるほうが手早い。[重複データ]と[共通データ]グループを見てみよう。
名前の通り、重複するデータと共通するデータを探すための機能だが、単純に差分を見分けたい場合は[共通データ]グループの[2つのセル領域]のほうが使い勝手が良い。共通するデータの有無を指定して、セルを塗り分けられる。
塗り分けられた色を利用して、色フィルターで絞り込むといった作業を続けることもできる。データ量が多ければ、“新規ブックに出力”のオプションを使ってもいいだろう。
[重複データ]グループの[色分け]は重複するデータごとに塗り分けられる。同じチームや分類などを見分けたいシーンでは重宝する。
なお、これらの機能でセルの背景色や文字色を設定した場合、[Ctrl]+[Z]キーで元に戻せないことに注意。元に戻したい場合は[nExTools]タブの[書式]グループや[ホーム]タブの[フォント]グループから書式を“なし”に設定し直そう。
使う機能を絞って、より使いやすく
シートやファイルを操作する機能も豊富に用意されている。例えば、[シート一覧からシート名コピー]を使えば、ファイルに含まれるシート名をまとめてコピーできる。シートタブをダブルクリックしてシート名をコピーする手間が省ける。
そのほか、シートの保護・保護解除、パスワード管理、フォルダー内のファイル一覧作成、ファイルの一括リネームといった管理系の機能も用意されている。
「nExTools」は多機能であるがゆえに、ほとんど使わない機能もあるだろう。しかし、日々の作業に役立つものが1つでもあれば、それだけで導入する意味はある。
よく使う機能を厳選してクイックアクセスツールバーに登録しておく使い方もいい。例として[選択範囲を画像保存]を登録してみよう。選択したセル範囲をPNGやJPGなどの画像ファイルとして直接保存できる。
「nExTools」は、「Excel」作業の“ちょっと面倒”を確実に減らしてくれるアドインだ。設定ファイルのバックアップにも対応しているため、別環境へ移行しやすい。日常的に「Excel」を使う人は試してみる価値がある。
ソフトウェア情報
- 「nExTools」
- 【著作権者】
- 坂江 氏
- 【対応OS】
- 編集部にてWindows 11で動作確認
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.1.8(26/09/07)









































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