REVIEW(09/12/22)
共同編集も可能、雑多な知識をまとめ上げるための多目的Webノート「Piggydb」v4.2
全文検索機能やフラグメントの一括処理機能なども追加、使い勝手を大幅に向上
「Piggydb」は、Webブラウザーから利用できる情報管理ソフト。Windowsなどに対応する寄付歓迎のフリーソフトで、編集部にてWindows 7で動作を確認した。作者のWebサイトからダウンロードできる。なお、動作にはJavaランタイム(JRE) 5.0以降が必要。
本ソフトは、Webブラウザーから利用できるJava製のWebノート。テキスト・画像・ファイルなどを“フラグメント(断片)”と呼ばれるメモとして登録・管理できる。“フラグメント”はお互いに関連付けたり、階層構造をもたせたタグを付与して繋ぎ合わせていくことが可能。こうして“知識の断片”をまとめ上げて、まとまった“知識”へ育てていく情報管理ソフトだ。
大まかな使い方については、下記リンクにあるv3.9のレビュー記事を参照してほしい。今回は、それ以降に追加・変更された機能を中心に紹介する。
“ドキュメント・ビュー”機能
v3.10では、“ドキュメント・ビュー”機能が追加された。これは指定したフラグメントを、関連するフラグメントとともに1つのまとまったXHTML文書として表示できる機能。利用シーンとしては、大学で毎時間の講義ノートを本ソフトに溜め込み、さまざまに関連付け・まとめ上げてレポートとして提出するといったものが考えられそうだ。
関連付けられたフラグメントは、基本となるフラグメントに続いて挿入される仕組みで、タイトルが子フラグメントならば“h2”タグ、孫フラグメントなら“h3”タグでマークアップされる。
表示できる関連フラグメントの階層は2つまで、つまり子フラグメントと孫フラグメントまでだが、さらに深い階層がある場合はフラグメントのタイトルへマウスを移動させると現れるリンクをたどって閲覧することが可能。
さらに、フラグメントへ特殊なタグ“#public”を付与しておけば、当該フラグメントの“ドキュメント・ビュー”を外部へ公開することも可能。個人的なWebメモ帳としてだけではなく、CMS(Content Management System)として運用することもできる。
“マルチユーザー”機能
また、v4.0で追加されたマルチユーザー機能も大きな変更点。これまで本ソフトは個人が私的に利用するWebノートという性格が濃かったが、これにより複数ユーザーが記事を編集してWikiのように利用できるようになった。
ユーザーを作成するには、ユーザー名をタイトルにしたフラグメントを作成し、“#user”タグを付与すればよい。ユーザーはフラグメントの一種なので、通常のフラグメントと同じく階層化されたタグを付与でき、ユーザーをグループ管理するといったことも可能。
なお、ユーザーを作成できるのは初期状態で用意されている管理者“owner”ユーザーのみとなっている。また、ユーザーを利用停止にするには、当該ユーザーのフラグメントに“#trash”タグを付与すればよい。“#trash”タグが付与されたフラグメントはゴミ箱へ捨てた扱いになり、利用できなくなる。
特殊なタグ
これまでの説明に登場した“#public”“#trash”のように、特殊な役割をもつタグは“#”で始まるように整理された。
たとえば、プログラムのソースコードを色分けするには、テキストの整形をしない“#pre”タグ、ソースコードの色分けを行う“#code”タグを付与すればよい。ソースコードの言語は自動判定されるが、とくに指定したい場合は“#lang-(言語名)”を指定することも可能。
ほかにも、お気に入りとしてマークする“#bookmark”、ホーム画面へ特定のフラグメントを常に表示しておける#home”タグなどが用意されている。これらは組み合わせて利用することも可能で、たとえば“#public”“#home”を付与すれば公開ドキュメントのトップページを指定可能。
さらに、全文検索機能や複数フラグメントの一括処理機能の追加といった、さまざまな改良や機能追加が施されており、以前よりも使いやすく、より多目的に使えるWebノートへと進化を遂げている。
- 【著作権者】
- marubinotto 氏
- 【対応OS】
- (編集部にてWindows 7で動作確認)
- 【ソフト種別】
- フリーソフト(寄付歓迎)
- 【バージョン】
- 4.2(09/12/17)