週末ゲーム

第538回

動物と虫の激闘シューティングゲーム「春夏秋冬」

美しき四季を舞台に動物と虫たちが激しく戦う異色作

 『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームの中から、編集部がピックアップした作品を毎週紹介していく。今回は、四季の風景を舞台に動物や虫たちが激しく戦う2D横スクロールシューティングゲーム「春夏秋冬」を紹介しよう。

カブトムシがビームを発射するシュールな世界を堪能せよ

動植物が戦う異色の横スクロールシューティングゲーム
ステージの最後にはボスが登場。右上のゲージをゼロにすれば勝利だ

 「春夏秋冬」は、全5ステージのクリアを目指す2D横スクロールシューティングゲーム。四季の情緒たっぷりの自然を舞台に虫や鳥、小動物や植物などを操って他の動植物と戦うというユニークなステージ構成が特徴だ。たとえば秋のステージなら松ぼっくりや枯れ葉、トンボが次々に襲ってくるなど異色の展開で、次はどんな奴らが出てくるのかワクワクしてしまう。また、ステージごとに自機として選べる動植物が変わる、敵の能力を奪える、アイテムで自機のショットを変更できるなど、多彩な要素でプレイヤーを楽しませてくれる。

 本作の大きな特徴となっているのが、ステージごとに3種類の動植物から自機を選べること。ステージ1では、トンボ、テントウ虫、ツクシから選択といきなりシュールな雰囲気全開ではあるが、ポイントになるのがそれぞれに固有のショットをもっていること。ノーマルショットはいずれも小さな弾を前に飛ばすだけだが、アイテムによりキャラクター固有のショットへ切り替えられる。たとえばトンボならば、広範囲に広がる輪っかを発射できるといった具合だ。

 操作はゲームパッドやキーボードに対応しており、キーボードでの操作は、カーソルキーで自機の移動、[Z]キーでショットの発射、[X]キーでアイテムの使用となっている。ショットは押しっぱなしで連射が可能だ。なお、ショットボタンを押し続けてから離すことで強力な弾を発射できる“溜め撃ち”のショットをもった動植物も一部いる。

 敵や敵弾、壁などの障害物に触れると画面左下の体力ゲージが減っていき、ゼロになるとミスになり残機が1つ減る。ミスをしてもその場から再スタートとなるが、アイテムで自機を強化していた場合は初期状態に戻ってしまうので、なるべく慎重にプレイすることが大切だ。また、残機が1のときにミスをするとゲームオーバー。ステージの途中から再開となる。

ステージごとに3種類の動植物から操作キャラクターを選べる
カタツムリなら自動追尾弾など各キャラクターは固有のショットをもつ

敵の能力を奪うのが攻略のカギ!

 ステージ攻略でもっとも大切なのがアイテムの存在だ。アイテムは敵を倒すことでランダムに出現するもので、自機の移動速度をアップする“スピードUP”、ノーマルショットと自機固有のショットとを切り替える“技”、自機の体力を回復する“回復”(ハートマーク)、敵の能力を吸収できるエネルギー弾を発射する“能力吸収”(紫色の球)、残機が1つ増える“1UP”がある。

 ポイントになるのは、1UP以外は取っただけでは使用されないこと。取得すると画面右下にストックされ、[X]キーを押すことで初めて使用される。さらに、アイテムは1個しかストックできず、ストック中に別のアイテムを取ると上書きされてしまう。逆にこれをうまく利用すれば、これ以上自機のスピードを上げたくないのにスピードUPを取ってしまった場合、他のアイテムを取って使わないようにする、といったことも可能だ。

 アイテムで重要なのは、能力吸収だ。これはアイテムを使用するとエネルギー弾が発射され、その弾に当たった敵の能力(攻撃方法)を自分の分身(オプション)という形で入手できるというもの。分身は2つまで増やすことができ、それ以降にエネルギー弾を当てると、その敵の能力に上書きされる仕組み。上下に攻撃できる能力を吸収して分身にすると、ステージクリアはかなりラクになる。慣れないうちはエネルギー弾をいろいろな敵に当てて、どのような能力を入手できるか試してみるといいだろう。

エネルギー弾を敵に当てると敵の能力を分身として吸収できる
分身は最大2体まで増やせる。自分好みの能力を吸収していこう
壁の後ろなど倒しにくい敵は1UPアイテムを出すことが多い

 ステージの作りで面白いのは、画面の上下に大きく移動できる場所があること。移動ルートが増える面白さがあるのに加え、壁の裏側など倒しにくそうな場所にいる敵は、1UPや体力を大きく回復できるアイテムを持っていることが多い。その敵を探すのも楽しみだ。

 難易度は“EASY”“NORMAL”“HARD”の3種類が用意されているが、EASYではミスをしてもスピード、技、分身が初期状態に戻らず、そのまま再開できるのでシューティングが苦手な人でも楽しみやすくなっている。逆にHARDは、敵や敵弾の数が増え、動きも速くなる上級者モードだ。

 本作は自機として選べるキャラクターの種類が多く、攻撃方法も多彩。敵の能力を吸収できるのも楽しく、何度もプレイしたくなる魅力をもっている。シュールな雰囲気だが、しっかりと作り込まれた2D横スクロールシューティングだ。

ソフトウェア情報

「春夏秋冬」
【著作権者】
team swat
【対応OS】
Windows XP/7/8
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
2.0.1.2(12/10/31)

(芹澤 正芳)