年末企画

編集部員の“今年のお気に入り”

今年1年間で各編集部員がもっとも気に入ったソフトを紹介

 オンラインソフトの情報を、毎日お届けしている窓の杜。編集部では世界中で公開されるさまざまなオンラインソフトの情報を求めて、日夜ネットを徘徊している。そうして見つけたオンラインソフトを紹介し、読者のみなさんと感動を共有できるのが何よりの喜びだ。ここでは、今年窓の杜で取り上げたオンラインソフトのなかで、各編集部員やライターがもっとも気に入った“今年のお気に入り”ソフトをご紹介していこう。

CTBをテーマに今年のRPGを振り返る

 今年も“週末ゲーム”担当者として、昨年に続きRPGについて好きなように語ろうと思います。

 個人的マイブームは、行動順が順次まわってきてコマンドを選択する、いわゆるCTB方式の戦闘システム。すばやさのパラメーターが高いほど行動機会が多く回ってくるのが一般的で、単純なターン制よりもスピード型のキャラクターが活躍できる要素が強く、スキル発動までの溜め時間の存在や、敵の行動をキャンセルしたり遅らせるスタン・ディレイ攻撃など、戦術性の高いバトルを楽しめるのが醍醐味です。

 今年紹介したCTB採用のRPGでは、まず「Labyrinth Star」が印象深い作品でした。全体的にプレイの軽快さを追求した作りで戦闘もスピーディ、テンポよく行動順が回ってくるのでサクサクと気持ちよくプレイできます。

 また、「エスファリア戦記」は敵の攻撃を遅らせるディレイ攻撃が戦術において重要な役割をもつ作品。強力なスキルの準備に入ったボスの行動を遅らせて、その間に体勢を整えたり、一気にトドメを刺したりといった攻防が楽しい作品でした。

「Labyrinth Star」
「エスファリア戦記」

 また、「巡り廻る。」は敵・味方それぞれ3×3マスの戦闘フィールドがあり、位置取りや攻撃の効果範囲の概念により奥の深いバトルが楽しめる作品。シミュレーションRPGを謳う「木精リトの魔王討伐記」も一種のCTBと言えそうです。

「巡り廻る。」
「木精リトの魔王討伐記」

 こうして作品を思い返してみると、共通するもう一つの特徴として、シンボルエンカウントや独自のシステムによりエンカウントを回避しやすいことが挙げられます。レベル上げに邁進しなくても、パラメーター的な不利を戦術でカバーしやすいCTBとの相性は良さそうです。

 もちろん、これに含まれない作品でも面白いRPGはたくさんありましたが、今年はこんなテーマでまとめてみました。来年もたくさんの面白いRPGに出会えることを楽しみにしています。

URL

関連記事

(中村 友次郎)

軽快・シンプルかつ自由度の高い定型文入力ソフト「ffphrase」

「ffphrase」

 仕事をする上で定型文入力ソフトは、どうしても欠かせないものだ。日々の業務連絡や原稿執筆、フォームの入力など利用シーンは多い。それだけに定型文入力ソフトに少しでも不満があると細かいストレスがたまってしまうので、定型文入力ソフト選びにはこだわりたい。

 そんな筆者が定型文入力ソフトに求めるのは、軽快さとシンプルさ。常駐するものなのでシステムに負荷がかからないことはもちろんのこと、必要としたときにすぐ使えなければキーボードで入力した方が早い場合もある。また、必要な定型文を選ぶ際に迷わないよう、極力無駄なユーザーインターフェイスは排除してほしい。

 今年であった「ffphrase」は、シンプルなポップアップメニュー型の定型文入力ソフトで、筆者が求めている軽快さも備えていた。何よりもうれしいのはINIファイルを編集することでメニューに表示する項目やサブメニューの構造まですべてカスタマイズできてしまうところだ。

 使わない項目は削除したり、サブメニューに入れたりして目につかないようにできるほか、項目の順番も好みに応じて変えられる。「ffphrase」を使い始めてから定型文入力ソフトでストレスを感じることがほとんどなくなった。また、INIファイルでカスタマイズするという一見不親切な設計だが、INIファイルや本ソフトのインストールフォルダを開く項目が用意されており、煩わしさを感じさせないようになっているのもポイントだ。

URL

関連記事

(長谷川 正太郎)

Windows ストアアプリの発展性を感じた「ShareTwit」

「ShareTwit」

 発売から2カ月が経ったWindows 8。その代名詞は、やはりタッチ操作を活かしたWindows ストアアプリだろう。筆者はプライベートでも職場でもWindows 8を利用しているが、残念なことにタッチ操作が可能な端末は今のところ持ちあわせていない。

 これでは宝の持ち腐れじゃないかと思っていたところに現れたのが「ShareTwit」。Windows 8の新機能である[共有]チャームを使って、IEで閲覧中のWebページなど、ほかのWindows ストアアプリで表示している内容を手軽にTwitterへ投稿できる。もちろんタッチ操作がベストなのだろうが、マウス操作でも十分に便利なアプリだ。

 ツイートの書式を[共有]チャームから「ShareTwit」を呼び出すアプリごとにあらかじめ設定しておけるのも魅力。今後Windows ストアアプリが普及すればするほど、「ShareTwit」の利便性は向上していくのではないだろうか。

URL

関連記事

(加藤 達也)

「MarkDown#Editor」を初めとするMarkdown関連ソフトの活躍で感じた“GitHub”ブーム

「MarkdownPad」

 “GitHub”が盛り上がっているせいか(公式クライアントが公開されたのも今年でした!)、“Markdown”への注目が最近高まっているように感じます。そういえば、“はてなブログ”もMarkdown記法に対応しましたよね。Markdown関連のソフトをレビューする機会も、今年に入ってかなり増えました。

 Markdown記法そのものは別段新しいものではないのですが、やはり普及するには何か“きっかけ”が必要のようです。

 さて、これまでレビューしたMarkdownエディターのなかで、デザインと機能において最も完成度が高いと感じたのは「MarkdownPad」なのですが、いかんせん、日本語の入力に難があります。やはり、ここは国産の「MarkDown#Editor」に期待したいところ。機能は「MarkDown#Editor」の方が豊富ですしね。

 ところで、本ソフトはソースコードが公開されているのでちょっと中身を覗いてみたのですが……これも“GitHub”でホストされているんですね! 書き始めたときはまったくそのつもりはなかったのですが、結局“GitHub”に始まり、“GitHub”に終わる『今年の編集部のお気に入り』でした。

(柳 英俊)

IMAP接続に対応した「Becky! フォルダ検索プラグイン」

「Becky! フォルダ検索プラグイン」

 「Becky!」にフォルダ名をインクリメンタル検索する機能を追加できるプラグインである「Becky! フォルダ検索プラグイン」を弊誌で取り上げた際、唯一残念に感じたのはIMAP接続に対応していないことだった。

 IMAP接続のメールを「Becky! Internet Mail」(以下、「Becky!」)で利用している理由のひとつに、“Gmail”をWebブラウザーから利用する場合、特定のフォルダに振り分けたメールを確認したいという際は、フォルダの数が多いと一度にすべてを表示できないので「Becky!」で読みたい、というものがある。

 そのような利用が多い筆者としては、「Becky! フォルダ検索プラグイン」は正にこれだというプラグインだったので、いずれIMAP接続に対応してくれないだろうかという期待を込めながら、記事の最後に“IMAP接続したGmailのフォルダは検索できなかった”と記したことを記憶している。

 そして後日のこと。本ソフトが更新されたという情報を目にし、もしかしてと確認したところ、うれしいことに更新点はIMAP接続への対応だった。もちろん筆者が即日利用し始めたことは言うまでもない。

URL

関連記事

(橋本 崇史)

Twitterやフォント選びも楽しくなる「MacType」

「MacType」

 パソコン上でもっとも重要な視覚情報はやはり文字だろう。Twitterや電子書籍など、文字が主役のコンテンツも増えてきており、パソコン上で文字を読む機会がさらに増している。そうなると、文字の表示品質、つまりフォントのデザインと描画によって、文字の読みやすさが大きく変わり、パソコンの価値も大きく変わってくる。

 Windows上、とくに2バイト言語圏ではフォントの描画が軽視されてきた歴史があり、Windows Vistaとともに「メイリオ」が登場したことで、ようやくそれなりの“文字”が提供されるようになった。それでも、それぞれのフォントがもつポテンシャルを最大限まで引き出せていない状態は続いている。

 これらの諸問題をすべて解決してくれるのが「MacType」であり、筆者にとってはもはや手放せない存在となっている。たとえば「MacType」と「Janetter」、そして「M+ FONTS」の派生フォントを組み合わせたTwitterは最強で、各ユーザーのツイートが生き生きとした印象で映る。

 最新版では、ユーザーインターフェイスの日本語化が改善されているほか、Windows 8にも対応している。ただし、“Windows ストアアプリ”上では動作しないようだ。

URL

関連記事

(中井 浩晶)