週末ゲーム

第579回

“ニコニコ自作ゲームフェス4”お勧め作品ピックアップ 第3回

オリジナルボードゲームからイス係まで、多彩なジャンルの9作品を紹介

“ニコニコ自作ゲームフェス4”公式サイト
「BLAST BUSTER」

 『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームの中から、編集部がピックアップした作品を毎週紹介していく。今回は、ニコニコ動画にて開催されている自作ゲームの祭典“ニコニコ自作ゲームフェス4”の参加作品から、窓の杜編集部がピックアップした作品を全3回にわたりご紹介する。

 第1回のRPG・ADV、第2回のアクションに続き、第3回はさまざまなジャンルの作品を計9本お届けする。なお、すでに窓の杜で紹介済みの作品としては、ヘッドマウントディスプレイ“Oculus Rift”対応のシューティングゲーム「BLAST BUSTER」(ハイドレンジャー)もニコニコ自作ゲームフェス4参加作品だ。

敵を囲い込んで倒す、全キャラ同時ターン制シミュレーション「魔法の線陣」

「魔法の線陣」

 3人のキャラクターの行動を指定した後、敵と同じタイミングで一斉に行動を起こすという、同時ターン制シミュレーションゲーム。ヘックス状のマップに配置された味方ユニットを操作し、同じマップ内にいる敵をすべて倒せばクリアとなる、ステージクリア型のパズル的ゲームとなっている。

 味方ユニットは、移動か待機か、6方向のいずれかに“打線”を入れるかの行動を選べる。打線は輪になるように繋ぐと、囲われた場所が消失するようにマップから抜け落ちて、その場所に移動できなくなる。その消失するマップの中に、敵を入れておくことで倒せるという仕掛け。ただし自分が輪の中に入っている場合は一緒に消えてしまう。またマップの壁も打線と同じ扱いとなり、打線と壁で囲われた場所も消失する。

 視界が得られる範囲はユニットの周囲と打線に隣接する場所のみで、他は暗闇となっていて見えない。しかし敵が近くにいる時は、唸り声など音がする。敵がいる方向も音で判断できるので、ヘッドフォンを使用してしっかり音を聞き分けるといい。またユニットを選んだ際に心臓の音がする時は、そのユニットが敵に狙われている。次のターンで何かしらの行動をしなければ倒されてしまう。

 各キャラクターには、敵の移動方向の予測や、特定の天候の時に複数マス移動できるなどの特殊能力がある。小さい敵は飛び越してすれ違える、視覚で追ってくる敵は打線越しには追ってこないなどの各種条件を頭に入れ、3人の行動を選んでOKを選ぶと、敵味方が一斉に動く。ホラーテイストの世界観の中、1つミスをすれば即ユニットを失うシビアさで、思考力と集中力の両面が試される。

3つの味方ユニットの行動を選ぶと、敵味方が一斉に動く。うまく打線による囲いの中に敵を誘導して倒していく
「魔法の線陣」
【著作権者】
レゴ 氏
【対応OS】
Windows 7および64bit版の7(編集部にてWindows 8.1で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.00(14/09/24)

好みのパーツで得点稼ぎのスピード勝負「カスタムコリント」

「カスタムコリント」

 コリントゲーム(スマートボール)をモチーフにしたゲーム。台の上部からは一定のペースで玉が排出され、下部にある10点のポケットに落ちていく。放っておくと玉が落ちるたびに10点ずつ獲得できるが、より効率よく得点するためにパーツを配置していく。最終的に10,000点を稼ぐまでのタイムを競う。

 パーツは台の上の自由な位置に配置可能。得点を得られるパーツには、玉が当たると得点になるバンパー、玉が通過すると得点になるチャッカー、玉が入ると得点になるポケットがある。他に玉の動きを誘導する釘やスロープ、また弾を排出する場所を追加するスポナーもある。

 パーツの配置には、得点と同量得られるGOLDを消費する。得点源になるパーツには3つのランクがあり、高ランクほど1個の玉から得られる得点が増えるものの、GOLDも高額になる。またパーツは一度配置したら、外すことはできるが、別の場所へ動かしたり、複数のパーツが重なるような位置に配置したりはできない。

 なるべく多くの玉がバンパーに当たり、チャッカーを通ってポケットに入るというのが理想の配置だ。また低ランクのパーツをたくさん置くか、序盤は待って高ランクなパーツを配置するかも悩みどころで、頭を使うタイムアタックゲームになっている。ちなみに目標の10,000点を超えた後もプレイを継続できる。

玉は緩やかに上から下へと落ちてくる。玉がどういう挙動をするのか考えながら、各種パーツを配置していく
「カスタムコリント」
【著作権者】
フォルテ 氏
【対応OS】
Webブラウザー
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
-(14/09/16)

お詫びと訂正:記事初出時、配置したパーツは外せないと記載しておりましたが、外すことが可能でした。お詫びして訂正いたします。

スピード勝負の回転パズルゲーム「スピニンバースト」

「スピニンバースト」

 配置されているブロックを4つ1組で回転させて移動し、同じ色のブロックを横一列に並べて消す落ち物パズルゲーム。横一列に並べてもすぐには消えず、一定時間が経った後に消えるのがポイントで、最初に並べたブロックが消えるまでに他のブロックを横一列に揃えられれば、そのブロックも一度に消えて高得点が得られる。

 横一列に揃えたブロックは消滅準備を示す点滅状態になるが、ブロックとしての回転操作は可能で、点滅していないブロックとともに同じ色で横一列にすると、その列のブロックもすべて消滅準備状態になる。

 点滅状態の一列に同じ色のブロックを次々に放り込むように動かしていくことで、消滅準備のブロックを増やせるので、慣れてくると常にブロックをくるくる回し続けるような状態に。慣れるほどに操作は忙しいくなり、ノンストップなパズルゲーム特有のトリップ感が味わえる。またゲームを進めるとブロックの色が増え、さらに頭を使う内容になっていく。

 ゲームモードは、180秒間にどれだけスコアを稼げるかを競う“SCORE ATTACK 180”と、次々に指定されるノルマを時間内に突破していく“BURST TRIP”が用意されている。

ブロックをクルクル回して動かし、横一列を同じ色にしていく。最初の列が消えるまでに、さらに多くのブロックを揃えていくスピード感が魅力
「スピニンバースト」
【著作権者】
coolstep 氏
【対応OS】
Windows Vista/7/8/8.1
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.10(14/11/02)

コマの優劣の扱いが悩ましいボードゲーム「Colamone(コラモネ)」

「Colamone」

 チェスをアレンジしたような対局型のボードゲーム。6×6のボード上に配置された、数字が書かれたコマを動かしていく。コマは移動できる方向に点が付いており、相手のコマがある場所に移動すると、相手のコマを盤上から取り除ける。

 ゲームの終了条件は2つ。1つはどちらかが得点を8点以上獲得すること。得点は自分のコマが敵陣最奥まで到達すると、コマに書かれた数字の分だけ得られる。もう1つは、どちらか一方のコマがすべて盤面から取り除かれた時。この際、敵のコマをすべて取った方ではなく、その時点で得点が高い方が勝利となる。

 コマに書かれた数字は1から8まであり、数字が小さいほど動ける方向は多い。つまり強いコマほど得点力は低いというバランスになっている。敵のコマの死角から攻めるのは基本だが、高得点のコマを守るのか、強いコマを残すのを優先するのか、状況次第で判断を迫られる。また敵陣最奥に辿り着いて得点化されたコマは、動かすことも取ることもできなくなるので、これも攻防に影響する。

 なお“ニコニコ自作ゲームフェス4”に参加している作品は1人用のCPU戦タイプだが、ほかにオンライン対戦が可能な「Colamone VS」も用意されている。

高得点のコマが敵陣に辿り着けば一気に勝利に近付くが、そのために強いコマをエサにしていいのか……と頭を悩ませる
「Colamone」
【著作権者】
kurehajime 氏
【対応OS】
Webブラウザー
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
-

ミニカーっぽくても本格的なレースゲーム「プリティチェイサー」

「プリティチェイサー」

 デフォルメされた車を操作する3Dレースゲーム。3種類のコースと、グリップ・ドリフトの車タイプ、相手の車の強さと数、周回数などを好みに応じて設定してレースを行う。

 操作はハンドルとアクセル、ブレーキのみのオーソドックスなスタイル。ブレーキ後にハンドルを切りつつアクセルを踏むとドリフトになり、あまりスピードを落とさずに曲がれるというテクニックが使える。車をグリップタイプにするとドリフトしづらくなるが、どちらが速いというほどの違いはないようだ。

 見た目はミニカーのような印象を受けるが、フル3Dで描かれていることや、スリップストリームが可能になっていることなど、レースゲームとして完成度の高い内容になっている。視点も3段階に変更でき、運転席のものに変更すると驚くほど迫力が増す。コースは夜間になるものがあり、シンプルながら演出面でも手が込んでいる。

シンプルな見た目に寄らず、操作感は真面目な手ごたえがある。敵の強さを自由に選べるのもありがたい
「プリティチェイサー」
【著作権者】
ワイワイゲームズ
【対応OS】
Windows XP以降(編集部にてWindows 8.1で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.01(14/09/03)

他人の屍を踏み越え、即死トラップを突破せよ!「イライラ棒オンライン」

「イライラ棒オンライン」

 マウスカーソルに追従してくる点を動かし、壁や障害物に当たらないようゴールへと導くという、いわゆるイライラ棒ゲーム。スタート地点にある青い点の辺りをクリックするとゲームが始まり、後はマウスカーソルを動かすだけでいい。

 点は移動できる最大速度が決まっているため、マウスカーソルの位置そのままではなく少し遅れて追従してくる。その遅れも考慮に入れて操作しつつ、より速いタイムでの攻略を目指すことになる。

 本作には見えているもの以外に突然現れる仕掛けも存在し、最初のプレイではまず回避不可能だ。ただ本作はオンライン対応で、他のプレイヤーがミスした場所が×印で示されている。罠はかなり理不尽なものだが、多数の×印が付いている場所は何か罠があるのだろう……と予想できるわけだ。もちろん自分がミスした場所には新たな×印が付くことになる。

 オンライン要素としては、全プレイヤーのベストスコアが画面端に表示されているが、そういったランキング的なものではなく、ミスした位置を保存して表示するために使うというアイデアが面白い。

ゲーム開始直後から赤い×印がコースに並んでいる。特に固まっている場所には何かあると思ってプレイするといい
「イライラ棒オンライン」
【著作権者】
フォルテ 氏
【対応OS】
Webブラウザー
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
-(14/07/23)

執事よ、お嬢様の良きイスであれ!「おじょうさまのイス」

「おじょうさまのイス」

 スタスタと歩いていくお嬢様に付き従い、お嬢様が疲れた時にイスを差し出す執事を操作する横スクロールアクション(?)ゲーム。プレイヤーはイスを出す以外の操作はなく、ゲームプレイはワンボタンで行う。

 お嬢様はただひたすらに右の方へと歩いていく。疲れると吹き出しのような感情アイコンとともに残り時間ゲージが出るので、ゲージがなくなるまでにボタンを押してイスを差し出す。ゲージの減りが半分未満ですばやくイスを出せば高得点が得られる。

 ゲームを進めると疲れ以外の感情アイコンが加わって複数種類になり、歩く速度も速くなる。疲れていない時にうっかりイスを出してしまうと、置いていかれてしまいミスになる。疲れている時にイスが間に合わなくても当然ミス。合計で3回ミスをするとゲームーオーバーだ。

 一定距離を進むと、お嬢様のセリフが挿入され、ちょっとしたストーリーも見られる。さらにゲームを進めれば、お嬢様と執事の思い出と思われるビジュアルが背景に流れたりもして、ちょっと感慨深くなる……のだが、その頃には猛スピードで歩いているため、気を逸らすとミスしてしまうので注意。ゲーム自体は単純ながら、キャラクター性と演出で思わず何度も遊んでしまう魅力がある。

お嬢様のため、ただイスを出すだけのゲーム。しかし先々のステージに進むと、妙な感動と中毒性があるのが不思議
「おじょうさまのイス」
【著作権者】
ぱるそ 氏
【対応OS】
Webブラウザー
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.00(14/03/22)

敵弾を誘爆させて殲滅するタッチシューティング「連魂 ~ RenCon」

「連魂 ~ RenCon」

 スマートフォンのタッチ操作で遊ぶ縦スクロールシューティングゲーム。自機の移動は左右方向のみで、タッチした場所に向かって移動する。また画面をタッチして離した時に自機から弾が出る。基本的にはスワイプしながら左右に移動し、弾を撃ちたい時は離すという操作になるが、一方の指でスワイプ、もう1本の指で画面を連打すると、移動しながら弾を連射可能。

 敵だけでなく敵弾も撃って破壊できるのが特徴。しかも敵弾は近くにある敵や敵弾を誘爆していき、1発のショットで連なった敵を一掃できる。誘爆による連続撃破数もカウントされ、スコアボーナスを得られる。敵本体は数発撃たないと倒せないが、誘爆なら簡単に倒せる仕組みになっているので、積極的に狙うのが攻略のポイントとなる。

 タイトルからして連射を意識しているようで、画面を連打すると弾も連射される。スマートフォン向けのシューティングゲームとしては面白い試みだが、連射より誘爆狙いの方がスコア的に有利な上、敵の攻撃が序盤から苛烈で、連射していると操作がおぼつかなくなり敵弾の回避が難しくなる。連射させたいというコンセプトの方向性と、誘爆して楽しみたいゲームの内容にズレが感じられるのが惜しいところだ。

インターレース風の画面表示がレトロ感を醸し出す。いきなり難易度が高く、繰り返しプレイして敵の攻撃パターンを覚えていくタイプのゲームだ
「連魂 ~ RenCon」Android版
【著作権者】
SUZUKI PLAN
【対応OS】
Android 2.3.3以降
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.00(14/09/06)
「連魂 ~ RenCon」iOS版
【著作権者】
SUZUKI PLAN
【対応OS】
iOS 6.0以降
【ソフト種別】
ダウンロード販売 100円
【バージョン】
1.03(14/10/11)

精密射撃と乱射で鬼を撃退するタッチアクション「神之矢を撃て」

「神之矢を撃て」

 画面中央にある鳥居に向かって進んでくる鬼たちを、矢を放って撃退していくタッチアクションゲーム。画面をタップすると、その場所に矢のマークが現れる。さらにもう一度別の場所をタップすると的が現れ、矢のマークから的へ向かって矢が放たれる。2カ所を線で結んだ先に矢が放たれるという仕組みだ。

 矢は放たれてからの距離が遠いほど加速して威力が増す。目の前から射ると1発では倒せない鬼も、少し距離を離して撃てば1発で倒せるようになる。ただ鬼は四方八方から次々とやってくるので、すばやく正確に矢を放っていかねばならない。鬼が1人でも鳥居に辿り着いたらゲームオーバー。

 矢は最初のセット時にタップではなくスワイプすると、複数設置できる。次にタップした際は、複数の矢が的に向かって一斉に放たれる。後半になるとタフな鬼が現れたり、複数の鬼が重なるようにやってくることがあるので、複数の矢を放って仕留めていく。ただし、矢の残数は最大100個で、敵を倒すとときどき回復するだけなので、無闇やたらと消費するのは禁物だ。

 また敵を倒すと、画面下のゲージが溜まっていく。満タンになった時に右下の扇子をタップすると、一定時間、距離を問わず大ダメージを与える強化矢を撃つことが可能。ピンチの時は強化矢を全方位に撃つという豪快なテクニックも使えて、爽快感も味わえる。

敵が少ないうちは1匹ずつ的確に倒し、大量の敵が迫ってきたら大量の矢を乱射して迎撃する。メリハリのある戦いが本作の面白さ
「神之矢を撃て」
【著作権者】
犬嶋遥 氏
【対応OS】
Android 2.3以降
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.2(14/10/15)

(石田 賀津男)