週末ゲーム

第599回

“ニコニコ自作ゲームフェス5”お勧め作品ピックアップ 第1回

24時間で開発する“超あほげー”発のネタゲーなど9作品を紹介

“ニコニコ自作ゲームフェス5”公式サイト

 『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームの中から、編集部がピックアップした作品を毎週紹介していく。今回は、ニコニコ動画にて開催されている自作ゲームの祭典“ニコニコ自作ゲームフェス5”の参加作品から、窓の杜編集部がピックアップした作品を全3回にわたりご紹介する。

 第1回は、ミニゲームやネタ重視のゲームを中心に計9作品をご紹介する。このうち最初に紹介する3作品は、24時間で『あほなゲーム』を作るイベント“あほげー”と自作ゲームフェスの連動企画“超あほげー”にて、お題の“スーパーマーケット”に沿って制作されたものとなっている。

オレンジを燃料にカートを転がす「スーパー買い物カート」

「スーパー買い物カート」

 「スーパー買い物カート」は、カートに載せたオレンジを燃料にして、左から右へできるだけ遠くまでカートを転がすアクションゲーム。最初に画面をクリックすると、上部で増減するゲージの量に合わせて弾かれるようにカートが動き出す。

 カートには8個のオレンジが載せられている。画面をクリックするとそのうちの1つを消費し、加速しつつ小さくジャンプする。オレンジの数だけ加速できるが、カートやオレンジは物理計算されており、加速しすぎたり大きく跳ねたりすると、オレンジをこぼしてしまう。落ちたオレンジは加速に使えないばかりか、前方に落ちるとカートの移動を邪魔する物体になってしまう。

 すべてのオレンジを使い切って停止するまでに、200m先にあるゴールに到達できれば一応のゲームクリアとなる。ただし200m以降もコースは続いており、さらに記録を伸ばすことも可能だ。

 コツは動き出しのパワーで、ゲージ満タン辺りでスタートすると、カートが加速に耐えられずいきなりひっくり返る。また道中にはオレンジを消費してジャンプしないと突破できない場所もあるので、オレンジをこぼさず、どこで使うかがポイント。すぐにリトライできることもあって、繰り返し遊びたくなってしまう魅力がある。

カートに載せたオレンジを消費し、加速とジャンプをする。動き出しの際にオレンジをこぼさないようにしつつ、できるだけ強く加速したい
「スーパー買い物カート」
【著作権者】
フォルテ 氏
【対応OS】
Webブラウザー
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
-(15/04/18)

重さが変わるカートをレジまで運ぶ「SUPER SHOPPING」

「SUPER SHOPPING」

 「SUPER SHOPPING」は、商品を入れたカートを適切なパワーで押してレジまで運ぶアクションゲーム。画面左側にカートを掴んでいるプレイヤーキャラクター、右側にはレジがあり、画面上部にカートの中身と総重量が記されている。

 画面下部には左右に動くパワーゲージがあり、画面をクリックした時のゲージ量に応じて、プレイヤーキャラクターがレジに向かって弾かれるようにカートを押す。押せる距離は、クリック時のパワーが多いほど伸びるが、カートが重いほど距離は短くなる。

 カートを押してレジの前で停止できればステージクリア。行きすぎるとレジを通過し出口に衝突してゲームオーバーとなる。パワー不足でレジに届かない場合は、その場所から再度出発する。ステージクリアごとに出発できる回数が増えるが、使い切るとゲームオーバー。

 最初はあっさり出口に衝突しゲームオーバーになるが、重さの違いを考慮してパワーを調整できるようになると、一気に先のステージまで進めるようになる。それでも僅かなミスでゲームオーバーになるので、単純ながら緊張感があり、それでいて中毒性も高いゲームになっている。懐かしのグリーンディスプレイをイメージしたグラフィックスも、シンプルなゲーム内容に合っていて魅力的だ。

パワーゲージとカートの重さのバランスを見極める。スタート地点から一発でレジ前に止められた時の達成感が素晴らしい
「SUPER SHOPPING」
【著作権者】
Akkii 氏
【対応OS】
Webブラウザー
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
-(15/04/21)

大量の魚を一瞬で三枚におろす「さわやか鮮魚部門」

「さわやか鮮魚部門」

 「さわやか鮮魚部門」は、スーパーの鮮魚部門に勤める男性が、大量の魚を一度に三枚おろしにするアクションゲーム。ゲームをスタートすると、左下の大砲のようなものから魚が撃ち出される。マウスをドラッグして線を引き、魚に線が2本重なるようにすると主人公が剣の達人の如く、空中で魚を三枚おろしにする。

 射出される魚はどんどん数が増えていくので、すべての魚が2本以上の線を通るように線を描く。線は何本引いてもいいが、少ない線の数ですべての魚に2本以上の線が重なるようにすると高得点だ。

 撃ち出された魚は止まっているように見えて、ゆっくりと動いている。剣の達人の境地(本作では包丁だが)をスローモーションで表現しているというわけだが、一度引いた線は動かないため、魚が動いて線から外れることがある。その辺りも考慮しつつ、すべての魚を三枚おろしにするための最小の線を、すばやく考えて描く必要がある。

 スタート後から90秒の制限時間が過ぎるとゲームオーバー。より多くの魚を三枚おろしにしつつ、高得点でフィニッシュするのを目指す。実にシュールな世界観もさることながら、グレースケールで描かれた渋いビジュアルも見どころだ。

なぜか三枚おろしの達人になった鮮魚担当が、ひたすら魚をおろすゲーム。少ない線で的確に魚を通過する線を引いていく
「さわやか鮮魚部門」
【著作権者】
ごぼり 氏
【対応OS】
Webブラウザー
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
-

マウスを逆さまに持つ一輪車アクション「一輪と女」

「一輪と女」

 「一輪と女」は、一輪車に乗った主人公を逆さに持ったマウスで操作して進むアクションゲーム。逆さとは何なのかと思いきや、マウスを裏表逆にして、ホイールを机などに当てながら転がして操作するというもの。よってホイールのないマウスでは遊べない。

 ホイールを回すと主人公の前進・後退ができる。ずっとホイールを転がし続ける必要はなく、ホイールを回した量に応じた一定速度で左右へ移動し続ける。左右移動以外の操作はなく、フィールドにある踏むとジャンプする仕掛けなどを駆使して先へと進んでいく。

 フィールドから落下したり、トゲなどの障害物に接触すると即ゲームオーバー。コンティニュー回数に制限はなく、ステージの途中にあるチェックポイントから何度でも復活できる。またフィールドには星のマークが落ちており、回収しながらゴールを目指す。

 急加速と停止を繰り返して進んでいくゲームだが、独特な操作方法のため、停止させるのが非常に難しい。見た目はとても単純なゲームなのに、うまくいかないもどかしさがある。ステージの仕掛けもかなりハードなので、根気よく操作に慣れるつもりでプレイするといいだろう。マウスの持ち方をあえて普通にするとか、横向きにするなどした方が楽な場面もあるが、それは本作に限ってはチートの類だろうか……?

前代未聞の操作方法が度肝を抜くゲーム。とにかく思い通りにいかないのがもどかしく、アクションゲームとしてはかなりシビア
「一輪と女」
【著作権者】
うどんぱ 氏
【対応OS】
Windows(編集部にてWindows 8.1で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.02(15/04/01)

ビームと盾で戦う郵便マークアクション「郵便マークが郵便配達」

「郵便マークが郵便配達」

 「郵便マークが郵便配達」は、郵便マークを操作して手紙を届けるアクションゲーム。ひたすら右方向へと進めば目的地となる届け先があるが、その途中には各種の妨害が待ち構えている。

 操作はカーソルキーのみを使用し、押した方向に応じて郵便マークの向きと動作が変わる仕組み。上を押すと前に進む。下を押すと上からの攻撃をガード。左を押すと前からの攻撃をガード。右を押すと前方にビームを放つ。前方からやってくるハサミなどの敵は、ビームでまとめて撃破できる。しかし中には青い波状の弾を撃ってくる敵がおり、ビームは素通りしてしまうので、左を押して攻撃を防がねばならない。上から落下してくる敵は、下を押して上ガードをするのみだ。

 安全を確保したら進み、敵が出たら対応するという繰り返しで、少しずつ進んでゴールを目指す。序盤は敵の数も多くないが、後半になると前からは敵と弾が入り乱れ、上からの落下物も増えてくる。敵が現れてから対応できるまでの時間が短く、瞬時の操作に戸惑いやすい。またビームを出してしまうと撃ち終えるまで他の体勢に戻れないので、そのまま弾を食らってしまうこともある。

 敵や弾を防げず接触してしまうとライフが1つ減り、5つのライフがなくなるとゲームオーバー。最終的にはゴールにたどり着くまでの時間を競う内容となっている。ゲームとしては単純ながら、郵便マークの形状を盾や銃に見立てるという着眼点の勝利、と言うべき作品だ。

郵便マークの形状をうまく活用したアクションゲーム。4つの操作をしっかり頭に入れて、瞬時に対応する必要がある
「郵便マークが郵便配達」
【著作権者】
フォルテ 氏
【対応OS】
Webブラウザー
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
-(14/12/28)

ボールを打ってブロック崩し「HOMURAN」

「HOMURAN」

 「HOMURAN」は、野球とブロック崩しを組み合わせたゲーム。プレイヤーはバッターとなり、ピッチャーが投げたボールを打ち、そのボールで上にあるブロックを崩していく。

 マウスのボタンを押し続けてパワーを溜めておき、ピッチャーがボールを投げたらタイミングよくボタンを離してスイング。うまく当たればマウスカーソルのある方向へボールが飛んでいく。タイミングが外れるとあまり飛ばなかったり、空振りになったりする。ピッチャーは緩急をつけて投げてくるので、よく見てタイミングを合わせる必要がある。

 フィールドにあるブロックをすべて破壊すればステージクリアとなり、次のステージに進む。ブロックの中にはキラキラ光るものがあり、これを破壊すると大量のボールが出現して周囲のブロックを破壊してくれる。ピッチャーが投げるボールの数はステージごとに決まっており、すべて投げられてもクリアできなければゲームオーバー。残りの球数が減ってくると焦って空振りしてしまったりと、普通のブロック崩しとは違う緊張感がある。

 さらに本作には、ピッチャー側になれるゲームモードもある。こちらはバッターに打たれないよう、変化球を交えて緩急を付けつつ投げる。打たれてブロックに当たるとヒット、2個のブロックに当たると2塁打といった具合に、野球のルールでゲームが進行する。バッターとピッチャーの両方をプレイヤーが操作する対戦モードも遊べる。

野球とブロック崩しを組み合わせたユニークなアイデア。光るブロックを狙うという要素もあり、単純な内容ながら完成度が高い
「HOMURAN」
【著作権者】
shimage.net
【対応OS】
Webブラウザー
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.1

頭で隕石を破壊するアクション「伸縮性の高い石頭少女いしあたまーるちゃん」

「伸縮性の高い石頭少女いしあたまーるちゃん」

 「伸縮性の高い石頭少女いしあたまーるちゃん」は、空から降ってくる隕石を頭突きで破壊するアクションゲーム。大小の隕石が上から落ちてくるので、主人公を左右に動かしてひたすらぶつかり破壊していく。隕石はどれでも破壊すれば1つ100点で、ハイスコアを狙う。

 操作は左右のカーソルキーで移動するのみ。落下後の隕石も消失せず、落ちている隕石に頭部が接触すれば即座に破壊できる。破壊時の爆風で主人公が倒れて横向きになってしまうこともあるが、その状態でも左右の操作は可能だ。

 空からは隕石の他に、四角いアイテムも落ちてくる。効果はさまざまで、体の大きさが変わる、体が伸びる、服が脱げる、ハゲる、頭と胴体が離れる等々。体が伸びたり大きくなったりすると隕石が壊しやすくなるかと思いきや、アイテムを取り過ぎて体が一定の長さを超えると死んでしまいゲームオーバーになる。他にもさまざまな理由で理不尽にゲームオーバーになる。

 遊んでいるうちに『アイテムを拾うと損なのでは?』という真実に気付いてしまうのだが、特定のアイテムを狙って取り続けることで、見たことがない死因を見つけ出すのも本作のやり込み要素だと言っておきたい。また1万点以上を稼ぐと裏モードが開放される。裏モードは隕石をひたすら避けつつ、得点がマイナスされるアイテムを拾って、どこまでマイナスを大きくできるかという全く違うゲームになっている。

喜んでアイテムを拾っていくと、あっという間にゲームオーバーになってしまう。だが、それが本作の面白さだ
「伸縮性の高い石頭少女いしあたまーるちゃん」
【著作権者】
Cdec 氏
【対応OS】
Windows XP以降(編集部にてWindows 8.1で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
2.0.0(15/05/23)

ジャンプだけで多様な罠を突破するアクション「NekoGame」

「NekoGame」

 「NekoGame(ネコゲーム)」は、白い猫を操作してゴールを目指すアクションゲーム。画面は自動で右へスクロールしていき、猫も一定速度で歩いて進んでいく。プレイヤーの操作はマウスをクリックしてジャンプするだけ。マウスを長く押すと高くジャンプできるほか、空中でクリックすると一度だけ空中ジャンプもできる。

 小型の敵は踏みつけて倒すことも可能だが、基本的には触れるとゲームオーバーとなり、チェックポイントから再開できる。他にもフィールドにあるトゲなどの仕掛けに触れたり、穴に落下したりしてもゲームオーバー。

 本作は難易度が異なる3つのステージが用意されている。ステージ1は序盤こそ操作の練習的な内容だが、途中からはジャンプの高さやタイミングをうまく調整しないと抜けられない場所も出てくる。またステージ2からは、いきなりトゲが出てくるなどの一見してもわからない罠があちこちに仕掛けられている。

 難所を越えるために何度もリトライして腕を上げていく“死んで覚えるゲーム”はよくあるが、本作は少し違う。初見では絶対に見つけられない理不尽な罠が無数にあり、“1回罠にかかって死んで、罠の場所を覚えるゲーム”という感じ。無数の見えない罠を潜り抜けられるルートを探すパズル的要素と、シビアなアクションが組み合わさった作品だ。見た目の可愛らしさとは裏腹に、仕掛けはかなり非道なので、心してプレイしていただきたい。

可愛い見た目に騙されることなかれ。開始1秒で即死できるトラップまみれのハードなアクションゲームだ
「NekoGame」Windows版
【著作権者】
Mysria
【対応OS】
Windows XP/Vista/7/8(編集部にてWindows 8.1で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
0.01(15/04/25)
「NekoGame」Android版
【著作権者】
Mysria
【対応OS】
Android 4.1以降
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
0.02(15/04/25)

ユニティちゃんがコインを集めるアクション「Unity Chan Coin!!」

「Unity Chan Coin!!」

 「Unity Chan Coin!!」は、ゲーム開発ツールUnityのキャラクター、ユニティちゃんを操作するアクションゲーム。ステージ内にあるコインをすべて集めるとクリアとなり、全10ステージのクリアタイムを競う。操作はキーボード、ゲームパッドの両方に対応している。

 ユニティちゃんの操作は左右の移動とジャンプで、空中で再度ジャンプもできる。攻撃はできないため、ステージ内にいる敵を避けながら進んで、コインを集めることになる。敵に触れると即ミスとなり、そのステージの最初から再開。残機は20あり、ステージをクリアするごとに1つ増える。

 ステージはすべて1画面内に収まるもので、コインを取るためのルートを見つけるのはそう難しくない。ただユニティちゃんがコインを取ったり、特定の場所を通過したりすると動き出す敵もおり、非常にシビアなタイミングと操作を求められる場面が多い。文字通りの死んで覚える系ゲームだが、各ステージの制限時間はないので(全ステージクリア時の評価は悪くなるが)、行き詰まったらじっくりと攻略ルートを探していただきたい。

 ユニティちゃんにはボイスもあり、サイドビューの2Dアクションながら可愛らしいビジュアルも堪能できる。シビアながらも操作は快適で、楽しく遊べる作品に仕上がっている。

ユニティちゃんがコイン集めに挑戦。さまざまな仕掛けをひたすら避けて進んでいく
「Unity Chan Coin!!」
【著作権者】
うーろ 氏
【対応OS】
Webブラウザー
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
-(15/05/01)

(石田 賀津男)