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「Firefox 79」が正式リリース ~Windowsで新レンダラー「WebRender」の適用を拡大

“target=_blank”なリンクの挙動が変更、より安全な仕様に

「Firefox」v79.0

 Mozillaは7月28日(米国時間)、デスクトップ向け「Firefox」の最新版「Firefox 79」を正式公開した。Windowsユーザー向けに「WebRender」のロールアウトが拡大さ入れた以外は、小幅な変更となっている。

 「WebRender(Quantum Render)」は、研究用のレンダリングエンジン「Servo」の成果を取り込んだ新しいレンダリングアーキテクチャーで、マルチコアCPU/GPUの活用により描画の滑らかさが飛躍的に向上する。「Firefox 79」では“Northern Islands(Radeon HD 6xxx)”世代以降のAMD製GPUを搭載したバッテリー搭載端末でも利用可能になったようだ。これで比較的新しいGPU(NVIDIA、AMD、Intel)を搭載するWindows 10環境のほとんどがサポートされたことになる。自分の環境で「WebRender」が有効化されているか調べたい場合は、“about:support”ページの“グラフィックス”セクションを参照するとよい。

「WebRender」のロールアウト状況
“about:support”ページの“グラフィックス”セクション

 また、“target”属性に“_blank”が指定されている“A”要素および“AREA”要素の扱いが変更され、“rel”属性が設定されていない場合、暗黙的に“noopener”が適用されるようになった。“rel=noopener”を指定せず“target=_blank”を利用するとリンク元のURLをスクリプトで勝手に書き換えられる恐れがあるため、最近では“rel=noopener”を併記することが推奨されている。しかし、今回の仕様変更によりメンテナンスされていない古いWebページでも“rel=noopener”を追記したのと同等の効果が得られ、セキュリティ向上の恩恵が受けられる。一方で、URLの書き換えが意図した動作である場合、Webページの動作不具合につながることもあるので注意したい。

 なお、本バージョンにおける脆弱性の修正はCVE番号ベースで10件。深刻度の内訳はMozillaの基準で上から2番目の“High”が4件、上から3番目の“Moderate”が3件、最低の“Low”が3件。なかでもメモリ安全性に関わるセキュリティ欠陥(CVE-2020-15659)は任意コードの実行につながる可能性があるため注意が必要だ。

 デスクトップ版「Firefox」はWindows/Mac/Linuxなどに対応する寄付歓迎のフリーソフトで、現在MozillaのWebサイトからダウンロード可能。Windows版はWindows 7/8/10に対応しており、窓の杜ライブラリからもダウンロードできる。すでに利用している場合は自動で更新されるが、画面右上のメインメニュー(横3本線アイコン)から[ヘルプ]-[Firefox について]へアクセスし、バージョン情報ダイアログを開いて手動でアップデートしてもよい。