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Microsoft、「AI Toolkit for VS Code」を発表

既存の「Windows AI Studio」をクロスプラットフォーム拡充、発展させる

「AI Toolkit for Visual Studio Code」拡張機能

 米Microsoftは5月21日(日本時間)、「AI Toolkit for Visual Studio Code」を発表した。「Visual Studio Marketplace」から無償でダウンロードできる。

 「AI Toolkit」は「Visual Studio Code」に対応する拡張機能で、2023年11月にリリースされた「Windows AI Studio」拡張機能の進化版と位置付けられている。アプリで新しいAIモデルを実験するプロセスをプラットフォームを問わずシンプルにしてほしいという「Windows AI Studio」ユーザーの要望に応え、「Azure AI Studio」と「Hugging Face」の最先端のモデルを探索・試用・微調整し、アプリへ統合できるように再構築したものだ(名前から「Windows」という言葉が取り除かれたのも、クロスプラットフォームであることを強調したいためだろう)。

 「AI Toolkit」にはローカルで実行できるように最適化された「Azure AI Studio」のAIモデルカタログが含まれており、開発環境で最先端のモデルを発見し、試すというプロセスが大幅に簡素化されている。現在はWindowsとLinux(CPU/GPU)で問題なく動作するモデルが中心だが、macOSに最適化されたモデルも追加予定だ。

ローカルで実行できるように最適化された「Azure AI Studio」モデルのカタログ

 加えて、「AI Toolkit」にはモデルを実験するためのプレイグラウンドが含まれており、SLM(小規模言語モデル)をローカルまたはクラウドで気軽に試すことが可能。AIモデルでなにができるのかをまだ実感できていない開発者も、ここで実際にモデルを試すことでそのパワーと可能性を感じることができるだろう。

モデルを実験するためのプレイグラウンド

 そのほかにも、「AI Toolkit」はさまざまなモデルの微調整テクニックをサポートする。

  • Parameter Efficient Fine Tuning (PEFT)
  • Quantized Low Rank Adaptation (QLORA)
  • Flash Attention 2

 これらのテクニックを活用すれば、ユースケースに応じてモデルのパフォーマンスを最適化できる。モデルとプロンプトの評価や各種「Azure」サービスへのデプロイも「AI Toolkit」で行える。さらに、Windows環境であればGPU、NPU、CPUなど、Windowsプラットフォームで公開されているすべてのAIアクセラレーターを活用できる。

ソフトウェア情報

「Visual Studio Code」Windows向け安定版
【著作権者】
Microsoft Corporation
【対応OS】
64bit版を含むWindows 10/11
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
0.3.1(24/05/21)