ニュース
「Visual Studio 2022」v17.12が一般公開 ~「.NET 9」と同時リリース
開発者からの機能リクエストに多数対応、新しいAI生産性機能の提供に重点
2024年11月14日 15:21
米Microsoftは11月12日(現地時間)、統合開発環境「Visual Studio 2022」の最新版v17.12を一般公開した。「.NET 9」のポテンシャルを引き出すための改善に加え、新しいAI生産性機能の提供に重点を置かれているという。
「Visual Studio 2022」v17.12では、開発者からの機能リクエストに応えた多くの改善が含まれている。ワークフローを簡素化し、生産性を向上させる新しいツールや、機能強化もいくつか追加されているとのこと。高度なデバッグ機能、より効率的なコード管理、強化されたセキュリティ機能なども盛り込まれている。
- 生産性
・エラーリストからエラーをコピーすると、行全体ではなく、説明だけがクリップボードにコピーされるように
・コード検索で任意の行に移動
・コード検索ウィンドウがドッキングに対応。自由なレイアウトが可能に
・折りたたみテキストのインジケーター色を好みにカスタマイズできるように
・検索結果をリフレッシュする機能
・水平スクロールバーのスペースを拡大。「CodeLens」のファイルレベルインジケーターの可視性を制御できる
・保存時のコードクリーンアップのノンブロッキング化。よりスムーズなコーディングが可能に - GitHub Copilot
・AIスマート変数検査を統合し、デバッグワークフローを最適化
・AIを搭載した「IEnumerable」ビジュアライザー
・「GitHub Copilot」でコードを修正
・C#のAI補完が改善
・「GitHub Copilot」でテストをデバッグ - デバッグと診断
・デバッグ時にメソッドの戻り値がインライン表示されるように
・ブレークポイントグループのインポートとエクスポートが簡単に
・「.NET 9」以降をターゲットとする「Blazor WebAssembly」アプリのデバッグエクスペリエンスが向上
・プロファイラーカウンターツールにメーターヒストグラム
・複数のメモリスナップショットを選択して、時間経過によるメモリ使用を比較・ - Git ツール
・「Git」でファイル名の変更を管理
・ドラフトとテンプレートを使ったプルリクエスト
・「GitHub」内部リポジトリの作成
・コードの特定の行への「GitHub」または「Azure DevOps」リンクを取得して、同僚と簡単に共有
・AIによる「Git」コミットメッセージのリライト
・「GitHub」と「Azure DevOps」のマルチレポシナリオの改善 - IDE
・テーマを変更してもフォント設定が保持されるように
・マルチプロジェクト起動設定
・インスタンス間のファイルコピー
・複数の「GitHub」アカウントへ対応
・ネットワーク呼び出し中にデジタル証明書の問題を検出した場合に、Visual Studioが警告するように
・「MotW」( Mark of the Web)セキュリティ警告
・「Teams Toolkit」の新しいAIテンプレート - クラウド
・「Azure App Service」のパブリッシュセキュリティアップデート
・「Azure Functions Flex Consumption」ホスティングプランへのパブリッシュが可能に
・「Connected Services」のセキュリティアップデート - デスクトップ
・「Visual Studio Installer」の検索機能が強化され、「WinUI」プロジェクトのセットアップが容易に - Web
・HTTPファイルがリクエスト変数をサポート
・HTTP環境ファイルで環境間で変数を共有できるように
・JavaScript/TypeScriptプロジェクトで「Vitest」を用いたテストケースの作成が可能に
・「Inlay Hints」のサポート言語拡充。JavaScript、TypeScript、Python、Razorにインレイヒントのサポートが追加 - データ
・「SQL Server Data Tools」(SSDT)プロジェクトでSDKスタイルのプロジェクトファイルフォーマットを使用できるように
.NET
・「.NET 9」への対応
・「NuGet」がデフォルトの監査設定を変更し、遷移パッケージを含めるように - C++
・ツールバーからC++コマンドライン引数を設定する新しい方法が追加
・ビルドインサイトビューの説明リンクを追加
・ビルドインサイトでファイルをより鮮明に表示。カーソルを合わせるとフルパスが表示される
・「Unreal Engine」アッププロジェクトのフォルダーを開く機能
・C++向けに改良された機能により、シグネチャーを効果的に変更できるように
「Visual Studio 2022」は現在、「visualstudio.microsoft.com」からダウンロード可能。大規模チーム向けの「Enterprise」、小規模チーム向けの「Professional」、学生・入門者・オープンソース貢献者向けの「Community」といった3つのエディションが用意されており、エンタープライズ組織(PCが250台超または年間収入が100万米ドル超)でなければ「Community」版は無償で利用できる。