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「Visual Studio 2022」v17.13が一般公開 ~「GitHub Copilot Free」対応を強化

ファイル保存時の既定エンコードを指定するオプションなど、機能改善も多数

「Visual Studio 2022」v17.13

 米Microsoftは2月11日(現地時間)、統合開発環境「Visual Studio 2022」の最新版v17.13を一般公開した。開発者向け機能の改善と安定性、セキュリティに重点を置いたリリースとなっている。

 「Visual Studio 2022」v17.13では、ユーザーからのフィードバックに基づいた新機能がいくつか追加されたほか、既存機能の強化が図られた。

 なかでも注目は、「GitHub Copilot Free」への対応だ。「GitHub」のアカウントさえあれば、無償ユーザーであってもひと月あたり2,000回のコード補完、50メッセージの「Copilot Chat」が利用できる。旧バージョンでも利用することはできるが、制限に達したときの通知などは最新版でしか機能しない。可能であればアップデートしておくとよいだろう。

「GitHub Copilot」をシームレスに統合した「Visual Studio 2022」。「GitHub」のアカウントさえあれば、無償ユーザーでも利用可能
AIにプログラムを書いてもらったり、既存プログラムを解説してもらったり、コードを提案・補完してもらったりできる
既存の複数ファイルをAIに直してもらえる「Copilot Edits」も利用可能

 「GitHub Copilot」以外の主な機能強化点は以下の通り。

  • 生産性
    ・「Visual Studio」でファイルを保存する際のデフォルトエンコードを指定
    ・エディターの水平スクロールバーへ常にアクセスできるように
    ・エディターで折り返しが行われる行のインデント有無を指定
    ・コード検索に最近使用したファイルに移動する機能を追加
    ・コード検索で高度な行と列のナビゲーション機能をサポート
  • デバッグと診断
    ・「IEnumerable Visualizer」による構文のハイライト
    ・「IEnumerable Visualizer」で「GitHub Copilot」のインラインチャットを利用して複雑なLINQクエリを作成可能
    ・「Visual Studio」プロファイラーのインストルメンテーションツールがネイティブコードのターゲットインストルメンテーションをサポート
    ・「Parallel Stacks」でスレッドの概要をAIで説明
    ・プロファイラーで統合された非同期スタックを表示
    ・「Visual Studio」プロファイラーに、色分けされたグラフとフィルタリング機能。マルチプロセスCPUの解析が可能
  • Git ツール
    ・チェックアウトしたブランチ上のファイルに新しいコメントを追加して、「Visual Studio」から離れることなくプルリクエストをレビュー
    ・「GitHub Copilot」によるコード変更の提案。潜在的な問題を早期に検出してコード品質の向上を図る
    ・「Git」タグの表示と管理
  • IDE
    ・テーマを変更しても、フォントとフォントサイズの設定が保持されるように
    ・初回起動ウィザードまたは「Visual Studio」シェルから「GitHub」アカウントを追加
    ・複数の「GitHub」アカウントの管理
    ・新しいアイテムの追加ダイアログにMarkdownテンプレートを追加
    ・「Teams Toolkit」の新機能の確認
  • クラウド
    ・「Azure Functions」でサーバーレステクノロジーを「.NET Aspire」に統合
    ・新しいDockerコンフィギュレーションを起動
    ・「Docker Compose」に「scale」プロパティを追加
  • Web
    ・コードアクションを用いてHTMLを「Razor」コンポーネントとして抽出
    ・「Razor」を貼り付け時の書式設定機能を無効化できるように
  • データ
    ・「SQL Server Data Tools」プロジェクトで、強化された SQL デバッグ機能およびスキーマ比較機能とともに、SDKスタイルのプロジェクトファイル形式を使用できるように

 「Visual Studio 2022」は現在、「visualstudio.microsoft.com」からダウンロード可能。大規模チーム向けの「Enterprise」、小規模チーム向けの「Professional」、学生・入門者・オープンソース貢献者向けの「Community」といった3つのエディションが用意されており、エンタープライズ組織(PCが250台超または年間収入が100万米ドル超)でなければ「Community」版は無償で利用できる。