NEWS(09/09/30 15:03)
タイ王国製の同人恋愛アドベンチャーゲーム「Re Angel」の日本語体験版が登場
豪華なキャラクターアニメーションは日本製ゲームにも引けをとらないレベル
タイの同人ゲームサークルStudioGUは、アドベンチャーゲーム「Re Angel」の日本語体験版を公開した。Windows XP/Vistaに対応するフリーソフトで、現在同サークルのWebサイトからダウンロードできる。本作は、“タイ王国製の恋愛アドベンチャーゲーム”としてネットで話題になった作品の体験版を、サークル自らが完全日本語化したバージョンだ。
「Re Angel」は、画面に表示されるメッセージをマウスクリックで読み進めていくアドベンチャーゲームで、全年齢を対象としたいわゆる“ギャルゲー”に分類される内容となっている。途中、主人公の行動を決定する選択肢が何度か表示され、選んだ内容によって物語が変化していく。本体験版では、物語のプロローグ部分にあたるゲーム中の1日目~4日目までをプレイでき、総プレイ時間は1時間前後だ。
物語は、主人公の大学生“プラート”が、1つ歳下の妹“ファー”に起こされるシーンから始まる。その後、妹と大学に行き、遅刻寸前ですべり込んだ教室では幼なじみの同級生“カンラヤー”に放課後のショッピングに誘われたりといった、何気ない日常が展開する。そんななかで、初めて会ったはずなのになぜか懐かしさを感じる謎の女性との出会いや、ファーの態度がいつもとは違って感じられたりといった、日常にまとわりつく違和感が積み重なっていく。
この作品の見どころはなんと言っても、豪華なアニメーションだろう。画面全体に表示される1枚絵、いわゆる“イベント絵”での“まばたき”や“口パク”といったちょっとしたアニメーションに加え、キャラクターの立ち姿を描いた“立ち絵”のポーズが変わる際になめらかにアニメーションしたり、場面・情景を描写する背景の空に雲が流れていたりと、実によく動く。この種のゲームが全盛の日本でも、ここまでアニメーションする作品はまだ少数派であり、一見の価値がある。
また、物語のコミカルな場面ではデフォルメキャラクターによる寸劇風のカットインアニメーションが表示されたり、ブラコン気味の妹とお節介で素直じゃない幼なじみが主人公を巡って争うなど、日本製ゲームでもお馴染みの演出やキャラクター造形も随所に見られる。さらに、日本語訳は翻訳作品にありがちな“ちょっとおかしな日本語”ではなくごく自然なもので、海外作品と言われなければわからない内容だ。そんななか、渋滞が多くバス中心の移動手段や、18歳で大学2年生の主人公、“雨期”の存在など、タイならではのお国事情が顔を覗かせるのも興味深い。
今回、日本のファンの期待に応える形で登場した日本語体験版だが、残念ながら現在のところ本編の日本語化や、日本での販売は予定されていない。しかし、サークル公式サイトの日本語ページには、体験版ではまだ描かれていない今後のストーリー展開や、登場キャラクターの紹介、“ラボーブ・チャタカム(運命の法理)”など物語のキーワードとなる独自の設定や用語の解説、オープニングムービーといった豊富なコンテンツが用意されているので、本体験版のプレイ後に目を通して、この先の展開に思いを馳せてみるのもいいだろう。
- 【著作権者】
- StudioGU
- 【対応OS】
- Windows XP/Vista
- 【ソフト種別】
- 体験版
- 【バージョン】
- 1.0(09/09/17)