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「Google Chrome 35」がベータ版に

モバイルコンテンツ・アプリの開発を中心に役立つ、開発者向け機能が多数盛り込まれる

「Google Chrome」v35.0.1916.27

 米Google Inc.は10日(現地時間)、Webブラウザー「Google Chrome」の最新ベータ版v35.0.1916.27を公開した。Windows XP/Vista/7/8に対応するフリーソフトで、編集部にてWindows 8.1での動作も確認した。現在、同社のWebサイトからダウンロード可能。Mac OS X/Linux版の最新ベータ版も用意されている。

 「Google Chrome 35」では、ユーザーの目に見える変更は盛り込まれていないが、とくにモバイル向けのコンテンツやアプリを開発するのに役立つ開発者向けの機能が多数盛り込まれている。

 まず、開発者がフリック操作によるスクロール、ピンチ操作によるページのズーム、ダブルタップ操作によるコンテンツのズームを個別に無効化できるようになった。スクリプトなどを記述して実行時に抑制するのではなく、CSSの“touch-action”プロパティを利用することで機能を利用するかどうかを宣言的に記述できる。

 次に、次世代JavaScript規格“ECMAScript 6”の新しい機能がいくつかサポートされた。たとえば、“Promise”を利用すれば非同期なコードを書く際にコールバックとネストを減らしてコードをスッキリと記述することが可能。“WeakMaps”と“WeakSets”はさほど重要ではないオブジェクトを保持するためのコレクションで、オブジェクトへの参照が“弱く”保持されるため、ガベージコレクションの対象とすることが可能。メモリリークを回避するのに役立つ。“Object.observe”はオブジェクトへ変更が加えられたことを受信して、それをトリガーとするアクションを簡潔に記述することができる。

 また、“Shadow DOM”が接頭辞なしで利用できるようになったのも本バージョンの大きな変更点。“Shadow DOM”は、ページ本体とスタイルやスクリプトが干渉することなく、さまざまなページで再利用可能なウィジェットを定義するための仕組み。機能そのものは「Google Chrome 25」から実装されているが、今回それがベンダープレフィックスなしで使えるようになり、より身近な技術となった。

ソフトウェア情報

「Google Chrome」Windows向けベータ版
【著作権者】
Google Inc.
【対応OS】
Windows XP/Vista/7/8(編集部にてWindows 8.1で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
35.0.1916.27 beta-m(14/04/10)

(柳 英俊)