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PWAをサポートした「Firefox 143」が正式版に ~「Copilot」やxHE-AAC再生にも対応

セキュリティ関連の修正は11件、最大深刻度は「High」

「Firefox」v143.0

 Mozillaは9月16日(米国時間)、デスクトップ向け「Firefox」の最新版v143.0をリリースチャネルで公開した。メジャーバージョンアップとなる「Firefox 143」では、「プログレッシブ Web アプリ」(PWA)をサポート。WebアプリをWindowsのタスクバーに追加(ピン留め)して、あたかもローカルアプリのように扱うことができる。

WebアプリをWindowsのタスクバーに追加

 PWA化されたWebアプリは[スタート]画面からも起動可能で、「Firefox」とは独立したウィンドウを持つ。アドオンは有効なままなので、アドオンでカスタマイズしたWebアプリの使い勝手が損なわれることはない。

「Firefox」とは独立したウィンドウを持ち、あたかもローカルアプリのように扱える

 ただし、今のところ「Microsoft Store」から入手した「Firefox」ではPWAが利用できない点には注意したい。

 そのほかの主な新機能や改善は以下の通り。ただし、一部機能はプログレッシブロールアウトとなっている。一部環境より段階的に提供範囲が拡大されるので、「Firefox 143」へ更新してもすぐには利用できるとは限らない点には注意したい。

  • タブストリップ(タブバー)の先頭へタブをドラッグすることで、当該タブをピン留めできるように
    タブストリップの先頭へタブをドラッグしてタブをピン留め
  • 「Microsoft Copilot」をチャットBOTとして追加できるように
    「Microsoft Copilot」をチャットBOTとして追加できるように
  • WebサイトがWebカメラへのアクセスを要求したときに、権限ダイアログ内でカメラをプレビューできるように。複数のカメラが接続されているデバイスで役立つ
    権限ダイアログ内でカメラをプレビュー
  • 「Firefox」のアドレスバーに記念日(母の日など)やイベントが表示されるように。米国、英国、ドイツ、フランス、イタリアで展開
  • プライベートブラウジングモードでファイルをダウンロードすると、セッション終了後にそのファイルを保持するかを尋ねるように。この動作は[設定]画面で調整できる
  • Windows環境でUIオートメーション(自動化)をサポート。「ナレーター」などのアクセシビリティツールのサポートが向上
  • 「Windows 11 バージョン 22H2」以降、macOS、「Android 9」以降で「xHE-AAC」オーディオ再生をサポート

セキュリティ関連の修正

 セキュリティ関連の修正は、11件。深刻度の内訳はMozillaの基準で4段階中2番目の「High」が3件、3番目の「Moderate」が5件、最低の「Low」が3件となっている。サンドボックス回避やメモリ破損が対策されているので、できるだけ早いアップデートをお勧めする。企業向けの延長サポート版「Firefox ESR」や「Thunderbird」でもセキュリティ修正が行われているので、利用中の場合は更新を怠らないようにしたい。

 デスクトップ版「Firefox」はWindows/Mac/Linuxなどに対応する寄付歓迎のフリーソフトで、現在MozillaのWebサイトからダウンロード可能。Windows版はWindows 10/11に対応しており、窓の杜ライブラリからもダウンロードできる。