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Microsoft、「SQL Server 2025」を一般提供開始 ~エンジンにAIを直接統合

ネイティブJSONサポートなどの開発者向け機能強化。Webエディションは廃止

Microsoft、「SQL Server 2025」を発表

 米Microsoftは11月18日(現地時間)、テクニカルカンファレンス「Ignite 2025」で、データベースサーバー「SQL Server」の新バージョン「SQL Server 2025」(17.x)を発表した。本日より一般提供される。

 「SQL Server 2025」のおもな新機能や改善は、以下の通り。

  • AI統合:「SQL Server」エンジンにAIを直接統合
     ►「T-SQL」に組み込まれたモデル管理。「Microsoft Foundry」、「Azure OpenAI Service」、「OpenAI」、「Ollama」などをシームレスな統合できる
     ►セマンティック検索、自然言語クエリ、ベクトル埋め込み、「DiskANN」インデックスなどをネイティブサポート
  • 開発者向け強化
     ►ネイティブJSONサポート
     ►REST API
     ►「REGEXP_LIKE」などの正則表現関数
     ►あいまい文字列一致
  • SQLツール
     ►「SQL Server Management Studio」(SSMS 22):「GitHub Copilot」連携、ARM64サポート
     ►「Microsoft Python Driver for SQL Server」(mssql-python)の一般提供
  • セキュリティと性能の改善
     ►「Microsoft Entra Managed Identity」を含む最新のIDおよび暗号化技術
     ►ブロッキングを最小限に抑え、並行性を高める「最適化されたロック」
     ►「Tempdb」の容量消費に制限を設ける仕組み(リソースガバナー)で信頼性改善
     ►「Always On」の可用性グループや障害復旧オプションの強化
     ►ベンチマークでも性能の向上を確認
  • Azure関連の強化
  • SQL Server 2025 on Linux
     ►TLS 1.3のサポート
     ►カスタムパスワードポリシー
     ►署名付きコンテナイメージ
     ►「RHEL 10」および「Ubuntu 24.04」のサポート
  • プレビュー機能の提供:オプトイン方式で一般提供される前の機能を試せるように
ベンチマークでも性能の向上を確認

 対応OSはWindows 10/Server 2019以降。エディションの構成は、以下の通り。Standard、Expressでは要件の緩和も行われている。

  • Enterprise:大規模企業向けの最上位エディション
  • Standard:パフォーマンス・セキュリティ・価格のバランスがとれたエディション。CPUサポートコア数の拡充(24コア→32コア)、サポートメモリ増量(128GB→256GB)。リソースガバナーが利用可能に
  • Enterprise Developer:Enterpriseの全機能を搭載。ただし開発・テスト専用で本番利用不可
  • Standard Developer:Standard版の全機能を搭載。本番利用不可
  • Evaluation:Enterpriseの全機能を180日間試用可能。検証・評価目的
  • Express:無料の入門版。データベース開発ツール「SSDT」、機械学習統合、全文検索を含む。最大DBサイズが10GBから50GBへと拡大された。学習者、個人開発者などに
  • Express LocalDB:Expressの軽量版。ユーザーモードで動作、開発者・簡易テスト向け

 なお、Webエディションは廃止された。代わりに「Azure SQL Database」の利用が推奨されている。