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無料の3D CG統合環境「Blender」v5.0が公開 ~HDR対応など新機能多数
色管理、新しいノード、新しいモディファイアーなど
2025年11月19日 15:25
蘭Blender Foundationは11月18日(現地時間)、「Blender 5.0」を公開した。本バージョンはメジャーアップデートであり、多数の新機能追加や変更が施されている。
ワーキング空間によるHDR対応
まず、「Blender」内部で作業を行うための色空間「ワーキング空間」が導入され、広色域の色空間を設定することができるようになった。これにより、HDR(ハイ・ダイナミック・レンジ)画像や動画の作成も可能となる。
なお、「Blender」でのHDR表示を行うには、プリファレンスから「Vulkanバックエンド」に設定し、HDRディスプレイとOS側のHDR表示設定を行う必要がある。
作業を効率化するモデリング機能
モデリングでは、従来の「配列」モディファイアーが、ジオメトリノードベースの新しい「配列」モディファイアーに置き換えられた。他にも「カーブのチューブ化」「表面に配置」「要素にインスタンス作成」などの新しいモディファイアーが追加、これらはジオメトリノード内でのノードグループの形でも利用可能だ。
再利用が容易になったジオメトリノード
ノードで手続き型モデリングを行うジオメトリノードでは、「RGB」や「XYZ」のように、複数の値をまとめる「バンドル」と、ノードグループ内で外部からノードを挿入して評価・実行させる「クロージャ」が導入された。これらはジオメトリノードのアセット再利用を促進する。
CyclesレンダーとEEVEEレンダーも改良
レンダリング関連では、Cyclesレンダーのボリュームのレンダリングが非バイアス化され、アーティファクトが除去された。また、v4.2で導入された「薄膜」レンダリングが金属表面の誘電体薄膜の表現に対応した。
EEVEEレンダーもヘアーカーブのレンダリング方法が改善、より立体的に表示されるようになったほか、シェーダーコンパイル時間も短縮された。
シェーダーノードがより便利に
シェーダーノードには「放射タイリング」ノードが追加され、従来のプロシージャルテクスチャではむずかしかったパターンが作成可能になった。
こちらにもジオメトリノードの「バンドル」や「クロージャ」「リピートゾーン」が導入され、タイリングテクスチャのパターン繰り返しを軽減する「テクスチャボミング」などの高度なシェーダーノード設定が可能になった。
他にも新機能が多数追加
このほか、コンポジターでは他のノードエディター同様、新規ボタンの採用とノードエディター下の「アセットシェルフ」表示で再利用が容易になり、シーケンサーのストリップが「モディファイアー」を使用可能に。グリースペンシルはモーションブラーに対応、3Dビューポートではオブジェクトの生成位置指定や、回転やスケーリングの中心に使用する「3Dカーソル」の軸に色がつくようになるなど、多数の新機能追加や変更が行われた。
なお、前回のv4.5LTS以前で廃止予定となっていた機能の実際の廃止や、仕様の変更により、古いファイルとの互換性が失われている可能性がある。そのため、v4.5LTSより前のバージョンで保存した「.blend」ファイルは、v4.5LTSでの再保存でデータ形式の変換(バージョニング)が必要になることがあるかもしれない。
一部のアドオンについても作者側の対応を待つ必要があるだろう。
詳しくは公式リリースノート、またはリリースノート日本語版を参照していただきたい。
注目の機能や重要な変更点に関しては『Blender ウォッチング』連載で取り上げる予定だ。
「Blender」は、オープンソースで開発されている2D/3Dコンテンツ制作ツール。ライセンスは「GNU General Public License」(GPL)で、誰でも無償で利用できる。対応プラットフォームはWindows、Mac、Linuxなどで、現在「blender.org」からダウンロード可能。Windows版のインストーラーは窓の杜ライブラリからもダウンロードできる。
ソフトウェア情報
- 「Blender」Windows版
- 【著作権者】
- Stichting Blender Foundation
- 【対応OS】
- 64bit版のWindows 8.1/10/11
- 【ソフト種別】
- フリーソフト(寄付歓迎)
- 【バージョン】
- 5.0(25/11/18)

















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