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AICU、AI漫画『YOUKAI』の次世代Webプラットフォームを公開し出版IPの統合管理を実証

連載を続けながら読者との接点や権利情報、ファン活動を蓄積

AICU、AI漫画『YOUKAI』の次世代Webプラットフォームを公開し出版IPの統合管理を実証

 AICU Inc.およびAICU Japan(株)(以下、AICU)は7月24日、創立3周年を記念して、学園AIホラー漫画『YOUKAI』の専用Web漫画プラットフォームを公開した。本プロジェクトは、AICU AIDX Labが研究開発を進めているもので、AI作画から、多言語展開、作品データの構造化、読者行動の可視化、キャラクターIP管理、ファンによる二次創作から権利者への収益還元までを一つの基盤上で統合する実験的な試みである。

学園AIホラー漫画『YOUKAI』

 AICUはこのプラットフォームを通じて、出版社が保有する作品やキャラクターIPをAI時代に適応させる「AIDX(AI Transformation)」の実証モデルを展開する。漫画を完成後に販売する静的な商品としてではなく、連載を続けながら読者との接点や権利情報、ファン活動を蓄積し、読者体験をアップデートしながら成長するIPとして開発を行っている。

 次世代の出版流通、読者体験、IP管理、海外展開を検証するための実証フィールドとなる『YOUKAI』は、AIグラスやAIアシスタントが日常に溶け込んだ近未来の学園を舞台としたホラー漫画。生成AIのハルシネーションやディープフェイク、エコーチェンバーといった現代社会が直面する技術的・社会的課題を妖怪に見立てた物語であり、現在194ページ(本編17話、番外編2編)が公開されている。2026年8月31日までの期間は、AICUアカウントへ無料登録することで全エピソードを無料で閲覧可能だ。

『YOUKAI』は現在194ページ(本編17話、番外編2編)が公開

 新たに公開されたWeb漫画リーダーは、パソコンなどの横長画面では紙の漫画を生かした見開き2ページ表示を行い、スマートフォンでは縦方向に読み進める単ページ表示に自動で切り替わる。さらに、ページやコマ単位での読者の離脱箇所、読み返し回数、特定のキャラクターへの関心など、販売数以外の詳細な読者行動を把握する機能を備え、作品改善やマーケティングに活用できるデータ基盤への発展を見据えている。

 また、海外展開に向けた翻訳とIP管理の効率化も図られている。翻訳テキストを原作画像に重ねて表示する多言語オーバーレイ機能の実験も実施されており、全話に含まれる653件のセリフの多言語化が進められている。さらに、国際翻訳やアニメ化・ドラマ化・映画化といった場合の作品管理に必要な、キャラクター辞典もAI出版技術を利用して構築。キャラクターの名前や設定を構造化した辞典を、製作チームで共有することで未読者へのネタバレを防ぐ公開範囲管理も実装されている。

翻訳テキストを原作画像に重ねて表示する多言語オーバーレイ機能の実験も実施中

 生成AIの普及に伴う二次創作の課題に対しては、キャラクターごとに利用条件を定め、許諾された生成環境から二次創作を行い、その実績に応じて権利者へ収益を還元する仕組みを開発中。AICUが保有する国内特許第7814797号などの技術を活用し、『AI海賊版』などの問題を防ぎながら、ファンとの共創による持続可能な二次創作市場の構築を目指している。

 AICUは今後、本プラットフォームを自社作品のみならず、出版社やIPホルダーとの共同実証に活用し、既存作品や休眠IPにも適用可能な基盤へと発展させる方針である。並行して、『YOUKAI』の世界観を活かしたゲームやAIサービスなどへの展開も進めていくとしている。