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無料の動画編集ソフト「OpenShot 4.0」、カラーグレーディングに対応、ローカルAIも導入
10種類の新エフェクト、ネイティブ「Qt」への移行でタイムラインも快適に
2026年9月3日 19:10
オープンソースの動画編集ソフト「OpenShot Video Editor」が8月31日(日本時間)、v4.0.0へアップデートされた。2022年12月以来、約3年9カ月ぶりのメジャーアップデートで、録画・編集・カラーグレーディング・AI支援編集を1つに統合した“これまでの歴史でも最大級となるクリエイティブワークフローの刷新”と位置付けられている。
「OpenShot」は、2008年にLinux向けのシンプルな動画編集ソフトとして誕生。現在ではWindows、macOS、Chrome OSまでもをカバーするアプリに成長している。プロジェクトやエフェクトを管理するビュー、トラックを管理するタイムライン、動画のプレビューのオーソドックスな3ペイン構成となっており、比較的扱いやすい。それでいながら無料で利用できるのが魅力だ。
録画ビュー(Recording View)
本バージョンでは、「録画ビュー」(Recording View)が新設。[表示]メニューから呼び出せるようになった(既定非表示)。
このビューを利用すれば、マイク入力やキャプチャーした画面、Webカメラ、システム音声などを、外部ツールを介さずにプロジェクトの録画に含めることが可能。それぞれのソースを個別のクリップとして記録し、タイムラインで調整・合成できる。
カラー表示(Color View)
本バージョンにおけるもう1つの目玉が、色の調整に特化した「カラー表示」(Color View)だ。このビューも[表示]メニューからアクセス可能。大きなプレビューを中心に、クリップのプロパティ、カラーホイール、ビデオスコープが配置されており、色を自在に調整できる。これらはすべてキーフレームに対応するため、ショットの途中で変化する照明を補正したり、色の演出を時間とともに変化させたりもできる(カラーグレーディング)。
被写体の切り抜きはローカル実行のAIで
動く被写体の切り抜きは、通常であればフレームごとにマスクを描く根気のいる作業になる。しかし、本バージョンで搭載された「Object Mask」機能を利用すれば、それをローカルAIで簡単に行うことが可能。モデルには以下の無償モデルをONNX形式に変換したものが用いられる。
- YOLO
- EfficientSAM
- Cutie
これらは必要なときに(オンデマンド)ダウンロードして利用する仕組みになっており、クラウドサービスやアカウント、サブスクリプションなどは一切不要。データが外部へ送出されることもない。
10種類の新エフェクト、タイムラインを刷新
さらに、本バージョンではエフェクトが拡充された。
- Audio Visualization:音声を波形、バー、放射状、スペクトラム、パーティクル、VUメーターなどのアニメーションに変換
- Beat Sync:音声のエネルギーをビートや大きな音に反応する色レイヤーに変換
- Film Grain:フィルムの粒状感を再現。「35mm Fine」「16mm Classic」「Super 8」などのプリセットを用意
- Denoise Image:輝度ノイズと色ノイズを、動きやディテールを保ちながら低減
- Shadow:色・距離・角度・ぼかし・広がり・不透明度を調整できるドロップシャドウ
- Glow:ピクセルの外側または内側に光のにじみを追加
- Displacement Map:画像や動画で別のクリップを歪ませ、水面の波紋や陽炎、ガラス越しの屈折などを表現
- Timer:カウントアップ/カウントダウンの表示を生成
- Color Grade:前述のカラー補正・グレーディング
- Object Mask:前述の被写体マスク
また、タイムラインも従来のWebベースのコンポーネントからネイティブ「Qt」へ全面移行。ズームの引っ掛かりなどが減り、より快適になっているという。「Qt 6」対応は、Android対応への布石でもある。
パフォーマンス面でも、v3.5.1と比べ「Blur」エフェクトのテストが61.8%高速化。「Sharpen」は12.8%、タイムラインの描画は3.4%(変形を伴うテストでは5.1%)改善されたとのこと。そのほかにも以下の改善が行われている。
- クリップメニューを[Transform][Look][Audio][Speed][Motion]といった分かりやすいグループへ再編。「Motion」にはカメラワークのプリセットが加わり、素材とプロジェクトの縦横比を考慮して黒帯が出にくいように動く
- アニメーションタイトルを、[Export Files]メニューからMP4として書き出せるように。「Blender 5.x」との互換性も改善
- 書き出しのプリセットを刷新。「TikTok」「Instagram」「Facebook」「Snapchat」「LinkedIn」向けが追加され、利用機会の減ったSD向けのプリセットは整理された
- 「Qt 6」「PySide6」への対応を拡大。デスクトップポータル連携により、最近のLinux環境でのファイルアクセスと画面キャプチャーが改善
- Androidへの対応に必要な基盤(ファイルアクセス、描画、Qtバインディング、ARM64の広いメモリアドレス空間)をコードベースに追加。ただし、Androidはv4.0.0のサポート対象として発表されたわけではなく、リリース時期も未定
- 内部のライブラリ「libopenshot」「libopenshot-audio」がいずれもv1.0.0に到達
入手方法
Windows向け「OpenShot」は、「Microsoft Store」版とインストーラー(EXE)版の2種類が用意されている。基本的に機能は同じだが、「Microsoft Store」版は1,150円の有料アプリとして配信されている。
インストーラー版は無償だが、ダウンロードの際に『一般的にダウンロードされていません』といったメッセージが表示されることがある。これは、公開直後でファイルや発行元の評価情報が十分に蓄積されていない場合にも表示される警告で、かならずしもマルウェアというわけではない。
利用に不安を感じる場合は、「Microsoft Store」版の購入がおすすめだ。支払いは一度きりで(買い切り)、収益はプロジェクトの維持・発展に役立てられる。
ソフトウェア情報
- 「OpenShot Video Editor」Windows版
- 【著作権者】
- OpenShot Studios, LLC
- 【対応OS】
- Windows 10/11
- 【ソフト種別】
- フリーソフト(寄付歓迎、Microsoft Store版は1,150円)
- 【バージョン】
- 4.0.0(26/08/31)





















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