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無料で使いやすい3ペイン型動画編集ツール「OpenShot」がメジャーバージョンアップ
安定性向上、メモリ削減、パフォーマンスと使い勝手の改善、高DPI対応で隙をなくす
2022年12月12日 14:07
フリーの動画エディター「OpenShot 3.0.0」が、12月10日に公開された。1,000以上の改善が盛り込まれたメジャーバージョンアップとなっている。
「OpenShot」は、オープンソースで開発されているクロスプラットフォーム対応の動画編集ソフト。WindowsのほかにもmacOS、Linux、Chrome OSで動作する。
画面はプロジェクトファイル、プレビュー、タイムラインの3ペイン構成で、ドラッグ&ドロップなどで素材をプロジェクトファイルへ追加し、タイムラインに並べてプレビューを確認するのが基本的な操作の流れとなっている。カーブベースのパワフルなキーフレームアニメーション、さまざまな編集・調整機能、400を超えるトラジション(画面の切り替え)エフェクトなどを備えており、扱えるトラック数にも制限はない。バックエンドには「FFmpeg」ライブラリを採用しており、ほとんどの動画・画像フォーマットを扱えるパワフルな動画エディターだ。
メジャーバージョンアップとなる「OpenShot 3.0.0」では、安定性の向上に注力。タイムラインの変更やビデオ再生のキャッシュといった処理をスレッドセーフ化、競合状態や並列処理の問題を洗い出すためのマルチスレッド単体テストの整備、クラッシュを防ぐためのアンドゥ・リドゥシステムの更新、といった工夫が凝らされているという。メモリのフットプリントも削減されており、長いエンコード処理も安定して行えるようになっているようだ。
また、ビデオプレビューのパフォーマンスも改善された。デコーダーの再設計などにより、プレビューの一時停止やフリーズが大幅に削減されたほか、エンコードが不適切な素材も扱えるようになり、他のアプリとの互換性が向上した。
そのほかにも、さまざまな改善が盛り込まれている。
- タイムラインの操作性を大きく改善
- アニメーションGIFやMP3(オーディオのみ)のエクスポート
- ファイルを多くのクリップに分割し、すべてを同時に元のプロファイルと形式でエクスポート
- 「Blender 3.3」(LTS)への対応
- デフォルトのフォルダーを設定して、ファイル操作を簡単に
- エフェクト、トランジション、絵文字、アニメーションタイトル、タイトルなどの並び替えを改善。これまでは英語ベースで並び替えが行われていたが、これがローカライズされる
- 高DPIサポート。4Kモニターなどでも使いやすく
- ドキュメントやユーザーガイドを改善
「OpenShot」は現在、公式サイト「openshot.org」から無償でダウンロード可能。Windows版の対応OSはWindows 7以降だが、64bit版のみで、32bit環境では動作しない点には注意したい。
ソフトウェア情報
- 「OpenShot」Windows版
- 【著作権者】
- OpenShot Studios, LLC
- 【対応OS】
- 64bit版のWindows 7以降(編集部にてWindows 10で動作確認)
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 3.0.0(21/08/25)