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「FFmpeg 5.0」が公開 ~大規模なAPIの変更を実施した長期サポート(LTS)リリース
今後は年1回のメジャーリリースを実施
2022年1月18日 08:00
The FFmpeg projectは1月17日、「FFmpeg 5.0」(コードネーム:Lorentz)を公開した。メジャーバージョンが更新されるのは2018年4月以来のことだ。
「FFmpeg」は、音声・動画ファイルのフォーマットを変換するツールやライブラリから構成されるオープンソースのマルチメディアフレームワーク。「Google Chrome」や「MPlayer」、「VLC media player」といったオーディオ・ビデオを扱うさまざまなソフトで利用されている。ライセンスは「GNU Lesser General Public License version 2.1」およびそれ以降(LGPL v2.1+)。
最新版となる「FFmpeg 5.0」では、大規模なAPIの変更が行われている。この4年間で非推奨(deprecated)とマークされたAPIはすべて削除されているとのことなので、移行に際しては注意が必要だ。主な変更は以下の通りとされている。
- avcodec:オーディオ・ビデオのシングルAPI化。入力と出力を分離
- エンコーダーがユーザー管理のバッファーにデータを出力できるようにする新しいコールバック
- swscale:AVFrameベースの使いやすいAPI
- avformatとavcodecの分離。
- 新しいビットストリームフィルタリングAPI
- コーデック/フォーマットの登録APIを削除。すべてのフォーマットが常に登録状態に
- 型の安全性:多くのAPIで「int」を「size_t」への置き換え
- libavresampleの削除
「FFmpeg 5.0」の主な新機能は以下の通り。
- 新しいデコーダー:speexデコーダーがネイティブに。MSN Siren、GEM Image、Apple Graphics(SMC)のデコーダーも追加
- VideoToolboxのサポートにVP9/ProResデコーディングとProResエンコーディングを追加
- Vulkanサポートの改善
- LoongArchプラットフォームへの最適化
- swscaleにおけるスライス・スレッディング
- 非圧縮ビデオ用のRTPパケタイザー(RFC 4175)
- あらゆるHDRニーズに対応するlibplaceboビデオフィルターのサポート
- 数多くのオーディオおよびビデオフィルター
なお、本バージョンよりメジャーアップデートは1年ごとに実施されるとのこと。長期サポート(LTS)リリースも隔年で行われ、「FFmpeg 5.0」が最初のLTSとなる。