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「FFmpeg 6.0」が公開 ~CLIがマルチスレッド化、AV1動画のGPUデコードに対応

年1回のメジャーアップデート

「FFmpeg 6.0」が公開

 The FFmpeg projectは2月28日、「FFmpeg 6.0」(コードネーム:Von Neumann)を公開した。年次リリースへ以降して初めてのメジャーアップデートだ。

 「FFmpeg」は、音声・動画ファイルのフォーマットを変換するツールやライブラリから構成されるオープンソースのマルチメディアフレームワーク。「Google Chrome」や「MPlayer」、「VLC media player」といったオーディオ・ビデオを扱うさまざまなソフトで利用されている。ライセンスは「GNU Lesser General Public License version 2.1」およびそれ以降(LGPL v2.1+)。

 最新版の「FFmpeg 6.0」では、IntelのQSV、NVIDIAのNVENCに対応したAV1ハードウェアデコードをサポートしたほか、多くの新しいデコーダー・フィルターが追加された。コマンドラインインターフェイス(FFmpeg CLI、ffmpeg.c)も改善され、マルチスレッド化によるパフォーマンスの向上や統計オプションの追加、ファイルを用いたフィルターオプションの指定などが実現されている。Androidメディアの強化や、RISC-Vアーキテクチャーへの最適化も図られた。

 そのほかにも、ヒープベースのバッファーオーバーフローおよび境界外メモリ書き込みの脆弱性(CVE-2022-2566)が修正されている。「CVSS 3.1」の基本値は「7.8」(High)で、悪意のあるMP4ファイルを介してリモートから任意のコードが実行される可能性がある。

 なお、今後はABI/APIの破壊的変更を伴うメジャーアップデートが1年に1回実施されるとのこと。加えて、年に数回のマイナーアップデートが計画されているが、このアップデートではAPIの変更はない。

 長期サポート(LTS)リリースは2年ごとに実施される。現在のLTSは2022年7月リリースの「FFmpeg 5.1」。次回のLTSは、2024年7月にリリース予定の「FFmpeg 7.1」となる見込み。

長期サポート(LTS)リリースは2年ごとに実施