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「OBS Studio 30.0」が正式版に ~トラブルシューティングのためのセーフモードを追加

「Ubuntu 20.04」、「Qt 5」、「FFmpeg 4.4」などのサポートは削除

「OBS Studio」v30.0

 ライブ配信ソフト「OBS Studio」の最新版v30.0が、11月12日(日本時間)に公開された。メジャーアップデートとなる本バージョンでは、WHIP/WebRTC出力が新たにサポートされた。

 「WHIP」(WebRTC-HTTP ingestion protocol)は、WebRTCを用いた映像配信のために策定されたプロトコル。放送機器からメディアサーバーへ映像・音声を送信(インジェスト)する際のセッション確立を担うもので、遅延のより少ない配信が可能になるという。従来はMicrosoftが開発した「FLT」(Faster Than Light)というプロトコルが用いられていたが、これは「WHIP」の採用に伴い2024年5月以降のリリースで削除されるとのこと。

 ユーザーインターフェイス面では、ステータスバーのデザインが変更された。再設計されたステータスバーは情報が構造化されて見通しがよくなっており、わかりやすいアイコンも付与される。また、チャットなどのドックでは、「OBS」ウィンドウの高さと同じにするフルハイトオプションが導入された。

 そのほかにも、多くの改善が行われている。

  • LinuxでIntel QSV H264、HEVC、AV1のサポートを追加
  • Windowsで「OBS」の起動時間を改善するためにシェーダーキャッシュを追加
  • macOSにアプリケーションオーディオキャプチャを追加した
  • サードパーティプラグイン、スクリプト、WebSocketなしで「OBS」を実行する「セーフモード」を実装。「OBS」が適切にシャットダウンされていないことを検知すると、トラブルシューティングのためにセーフモードで起動するオプションをユーザーに提供する。[ヘルプ]メニューから利用することも可能
  • macOSの仮想カメラをすべてのアプリケーションで動作するように修正(macOS 13以降)
  • 「YouTube」へのストリーミング時に「YouTube Live Control Room Panel」を追加
  • Decklinkデバイスの10ビットキャプチャーサポート
  • Decklink出力のHDR再生サポート
  • macOS Screen CaptureのDisplay CaptureからOBSウィンドウを非表示にするオプションを追加
トラブルシューティングのためのセーフモードを追加

 「OBS Studio」は、オープンソースで開発されているクロスプラットフォーム対応のビデオ録画・生放送ツール(「OBS」は「Open Broadcaster Software Studio」の略)。リアルタイムで映像・音声をキャプチャーし、ミキシングやフィルター、シーンの切り替えといった操作を行いながら、さまざまな動画・音声サービスへ配信することができる。また、強力なAPIを備えており、プラグインで機能をニーズに応えたカスタマイズが行える点も人気だ。

 対応OSはWindows/Mac/Linuxで、Windows版は64bit版のWindows 10/11で利用可能。現在、公式サイト「obsproject.com」から無償でダウンロードできる。ライセンスは「GNU General Public License(GPL) v2.0」。Windows版は窓の杜ライブラリからもダウンロードできる。

 なお、このリリースでは「Ubuntu 20.04」、「Qt 5」、「FFmpeg 4.4」より古いバージョンのサポートが削除されているので注意。

ソフトウェア情報

「OBS Studio」
【著作権者】
OBS Project
【対応OS】
Windows/Mac/Linux
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
30.0(23/11/12)