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AMD/Intel製GPUのAV1エンコーダーも利用可能 ~「OBS Studio 29.0」が正式版に

アップデートチャネルの切り替えもサポート、Beta版の更新を受け取れる

「OBS Studio」v29.0

 ライブ配信ソフト「OBS Studio」の最新版v29.0が、1月8日(日本時間)に公開された。メジャーアップデートとなる本バージョンでは、WindowsとmacOSに多くの新しいエンコーダーが追加されている。

 まず、Windows環境ではハードウェアAV1エンコーダーの対応が拡充された。NVIDIAの「RTX 40」シリーズだけでなく、AMDの「Radeon RX 7000」シリーズ(RDNA3)や「Intel Arc」ブランドのGPUでも内蔵のAV1エンコーダーが利用できる。ただし、「Intel Arc」に関してはCQP(固定量子化パラメーター:圧縮効率が落ちるが、高品質)対応がまだ完全ではない。

 さらに、Windows向けにアップデートチャネルを切り替える機能が追加された。安定版のみを受信する「Stable」チャネル以外にも、プレビュー版を受信する「Beta / Release Candidate」チャネルが選べる。まだサーバー側の準備が終わっていないとのことで、このオプションはまだ機能しないが、多少の不具合は甘受しても新機能にいち早く触れたいという野心的なユーザーにとっては注目の機能だ。

 また、Windows版ではディスプレイキャプチャーのモニター識別および保存の方法も改善されている。

アップデートチャネルを切り替える

 一方、macOS環境ではHEVCとProResが新たにサポートされた。「ScreenCaptureKit」を用いた画面録画は不具合が多いとして削除されている。Linux環境ではメディアキーのサポート、再生バッファーの制限緩和といった細かな使い勝手向上が図られた。

 そのほかにも、「OBS Studio 29.0」では2つの新しいオーディオフィルターが追加。音量が小さすぎる帯域引き上げて適正化するアップワードコンプレッサー(upward compressor)と、オーディオの音質を簡単に調整できる3バンドイコライザー(3-band equalizer)が利用できるようになり、オーディオをより細かく調整できる。

2つの新しいオーディオフィルターが追加

 「OBS Studio」は、オープンソースで開発されているクロスプラットフォーム対応のビデオ録画・生放送ツール(「OBS」は「Open Broadcaster Software Studio」の略)。リアルタイムで映像・音声をキャプチャーし、ミキシングやフィルター、シーンの切り替えといった操作を行いながら、さまざまな動画・音声サービスへ配信することができる。また、強力なAPIを備えており、プラグインで機能をニーズに応えたカスタマイズが行える点も人気だ。

 対応OSはWindows/Mac/Linuxで、Windows版はWindows 8.1以降で利用可能。現在、公式サイト「obsproject.com」から無償でダウンロードできる。ライセンスは「GNU General Public License(GPL) v2.0」。Windows版は窓の杜ライブラリからもダウンロードできる。

ソフトウェア情報

「OBS Studio」
【著作権者】
OBS Project
【対応OS】
Windows/Mac/Linux
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
29.0(23/01/08)