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「FFmpeg 6.1」が半年以上遅れて公開 ~「FFmpeg 7.0」は計画通り2024年2月リリースへ

内部で多くの変更、コンパイルサイズやオーバーヘッドを削減

「FFmpeg 6.1」が公開

 The FFmpeg projectは11月11日、「FFmpeg 6.1」(コードネーム:Heaviside)を公開した。「FFmpeg 6」シリーズ初のマイナーアップデートだ。

 「FFmpeg」は、音声・動画ファイルのフォーマットを変換するツールやライブラリから構成されるオープンソースのマルチメディアフレームワーク。「Google Chrome」や「MPlayer」、「VLC media player」といったオーディオ・ビデオを扱うさまざまなソフトで利用されている。ライセンスは「GNU Lesser General Public License version 2.1」およびそれ以降(LGPL v2.1+)。

 「FFmpeg 6.1」は内部で多くの変更が行われており、当初予定されていた計画よりも少なくとも半年以上遅れてのリリースとなった。コーデックやフィルターに使われていたFFT、MDCT、DCT、DSTといったアルゴリズム実装は、より高速な「libavutil/tx」へ完全に置き換えられた。これによりコンパイルサイズが削減されているという。また、ビデオデコーダー全体を通して、各フレームで行われるアロケーションの総量が大きく削減され、オーバーヘッドが減少しているとのこと。

 そのほかにも、DSPコードの多くの部分でRISC-V最適化がマージされたほか、各パケットのタイムスタンプとフレーム持続時間や、可変フレームレートのビデオの正確性を高める努力がなされているという。

 なお、「FFmpeg」は2023年2月リリースの「FFmpeg 6.0」より年次リリースとなった。次期メジャーバージョン「FFmpeg 7.0」は2024年2月の公開が予定されている。「FFmpeg 6.1」のリリースが遅れたことによる影響が懸念されるが、開発チームは新しいリリーススケジュールを守るとしている。