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「FFmpeg 4.4」が公開 ~ハードウェアアクセラレーション対応AV1デコーダーなどを追加
3件の脆弱性も修正
2021年4月12日 15:54
The FFmpeg projectは4月8日、オープンソースのマルチメディアフレームワーク「FFmpeg」の最新版「FFmpeg 4.4」(コードネーム:Rao)を公開した。ソースコードは現在、本ソフトの公式サイトからダウンロード可能。
「FFmpeg」は、音声・動画ファイルのフォーマットを変換するツールやライブラリから構成されるオープンソースのマルチメディアフレームワーク。「Google Chrome」や「MPlayer」、「VLC media player」といったオーディオ・ビデオを扱うさまざまなソフトで利用されている。
「FFmpeg 4.4」では、AV1関連の機能が大きく強化。Intel VA-APIやIntel QSV、NVIDIA NVDEC、Microsoft DXVA2/D3D11VAなどを利用したハードウェアアクセラレーションによるデコードがサポートされた。SVT-AV1エンコーダーによるCPUベースのAV1エンコーディングや、AV1の低オーバーヘッドビットストリームフォーマットのデマルチプレクサー、AV1モノクロエンコーディングなどにも対応するなど、さまざまな拡張が行われている。
そのほかにも、「AudioToolbox」出力デバイスに対応。VDPAUによるHEVC/VP9の10bit/12bitデコーディングの高速化が図られた。また、Cineform HDエンコーダー、RPZAビデオエンコーダー、SpeedHQ エンコーダー、Microsoft Paint(MSP)マルチプレクサーおよびMSP v2デコーダー、OpenEXRイメージエンコーダーなども新たにサポートされている。
なお、「FFmpeg 4.4」では計4件の脆弱性が修正されている。深刻度は、“CVSS v3”の基本値で最大“8.8”(High)と評価されており、できるだけ早い対応が必要だ。
- CVE-2020-14212:ヒープベースのバッファーオーバーフロー(8.8)
- CVE-2020-13904:メモリ解放後利用(5.5)
- CVE-2020-35965:範囲外書き込み(7.5)