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グラフィックスAPI「Vulkan」をサポートした「FFmpeg 4.3」が公開

5件の脆弱性も修正。最大深刻度は“Critical”

「FFmpeg 4.3」が公開

 The FFmpeg projectは6月15日、オープンソースのマルチメディアフレームワーク「FFmpeg」の最新版「FFmpeg 4.3」(コードネーム:4:3)を公開した。ソースコードは現在、本ソフトの公式サイトからダウンロード可能。

 「FFmpeg」は、音声・動画ファイルのフォーマットを変換するツールやライブラリから構成されるオープンソースのマルチメディアフレームワーク。「Google Chrome」や「MPlayer」、「VLC media player」といったオーディオ・ビデオを扱うさまざまなソフトで利用されている。Windows向け「FFmpeg」はWindows 7以降に対応しており、バイナリは“Zeranoe FFmpeg”で提供される(執筆時現在、未提供)。

 「FFmpeg 4.3」では、グラフィックスAPI「Vulkan」を新たにサポート。この「Vulkan」を介した「AMD AMF」エンコーダーがLinux環境で利用できるようになったほか、「Vulkan」を活用したフィルターがいくつか追加された。また、「Intel QSV」アクセラレーションを活用したMJPEGデコード処理とVP9エンコード・デコード処理、「VDPAU」によるVP9アクセラレーションもサポートされた。

 そのほかにも、MP4フォーマットで「TrueHD」と「MPEG-H Audio」の3Dオーディオが利用できるようになった。WebPパーサーの追加、「librav1e」によるAV1エンコーディング、対応プロトコルの拡充なども含まれている。また、Linux環境では「AvxSynth」から「AviSynth+」への切り替えが行われた。

 なお、「FFmpeg 4.3」では計5件の脆弱性が修正されている。深刻度は、“CVSS v3”の基本値で最大“9.8”(Critical)と評価されており、できるだけ早い対応が必要だ。