NEWS(10/07/21 10:10)

CPUのハードウェア支援機能で高速化したドライブ暗号化ソフト「TrueCrypt」v7.0

Intel製Core i5/i7に搭載された“AES”暗号化・復号命令セット“AES-NI”に対応

「TrueCrypt」v7.0「TrueCrypt」v7.0

 米TrueCrypt Foundationは19日(現地時間)、暗号化された仮想ドライブを作成できるソフト「TrueCrypt」の最新版v7.0を公開した。Windows 2000/XP/Vista/7に対応するフリーソフトで、現在作者のWebサイトからダウンロードできる。

 本ソフトを利用すると、暗号化された仮想ドライブを作成可能。作成した仮想ドライブは、本ソフトを利用してマウントでき、当該ドライブにファイルを移動させるだけで自動で暗号化される。また、既存ドライブの暗号化にも対応しており、システムドライブを丸ごと暗号化することも可能。あらかじめ本ソフトで暗号化しておけば、ノートPCやUSBメモリの盗難・紛失があっても、中のデータを第三者に見られずに済むので安心。

 メジャーバージョンアップとなるv7.0では、ドライブの暗号化および復号処理で“AES”方式を利用する際に、Intel製のCPU“Core i5”“Core i7”に搭載されている命令セット“AES-NI(Advanced Encryption Standard Instructions)”を利用可能になった。“AES-NI”は“AES”暗号化・復号のハードウェアアクセラレーションを行うための命令セットで、これにより処理速度を大幅に向上させることが可能だ。

暗号化仮想ドライブを管理する“Favorite”機能では、さまざまなオプションを指定可能に暗号化仮想ドライブを管理する“Favorite”機能では、さまざまなオプションを指定可能に

 また、頻繁に利用する暗号化仮想ドライブを管理できる“Favorite”機能では、読み取り専用でマウントしたり、ログオン時に自動マウントするといったオプションが多数追加され、仮想ドライブへ指定可能になった。PCへデバイスを接続する際に当該デバイス上の仮想ドライブを自動マウントするといったオプションも用意されており、USBメモリを本ソフトで暗号化して利用する際の使い勝手が著しく向上する。

 そのほか、Windowsが休止する際に作成されるハイバネーションファイルや、Windowsがクラッシュした場合に作成されるダンプファイルを暗号化する際に、マイクロソフトが新たに提供した標準APIを利用するように変更された。本ソフトは、もともと独自にこれらのファイルを暗号化する機能を備えていたが、標準APIを利用することで、より安全に暗号化処理を行えるようになるという。

 なお、Windows XP以前の環境では標準APIによる暗号化を行えないので注意。

【著作権者】
TrueCrypt Foundation
【対応OS】
Windows 2000/XP/Vista/7
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
7.0(10/07/19)

(柳 英俊)

お詫びと訂正:記事初出時、Windows XP以前でも標準APIを利用したハイバネーションファイルの暗号化が可能になったと記載しておりましたが、正しくはWindows Vista以降のみで可能でした。お詫びして訂正させていただきます。