NEWS(10/12/20 18:07)
Google、Webブラウザー上でAndroidアプリが開発できる“App Inventor”を一般公開
作成したアプリはAPKファイルへパッケージ化してダウンロードできる
米Google Inc.は15日(現地時間)、Androidアプリが開発できるWebサービス“App Inventor for Android”(以下、“App Inventor”)のベータ版を、同社のラボサイト“Google Labs”で一般公開した。
“App Inventor”は、プログラミング言語の知識がない人でも高機能なモバイル端末向けアプリケーションを開発できることを目標に開発されたWebサービス。インターフェイス(見た目)部分をWebブラウザー上で簡単にデザインできるほか、ロジック(動作を定義)部分をさまざまな機能をもつブロックの組み合わせで記述できるのが特長。普段プログラミングから縁遠いユーザーでも楽しみながら取り組めるだろう。
本サービスを利用するには、無償で取得できるGoogleのアカウントのほか、ロジック部分の記述を行うクライアントソフトが必要。なお、クライアントソフトの動作にはJavaランタイム(JRE)が必要で、さらにAndroid端末のエミュレーターを利用する場合は、「Java SE Development Kit(JDK)」および「Android SDK」が必要だ。
準備が整ったら、“App Inventor”のWebサイトへログインしよう。アプリは“Project”単位で管理する仕組みで、最初に名前を決める必要がある。新規にプロジェクトを作成すると、ユーザーインターフェイスのデザイン画面が現れる。
ここでは、画面左の“Palette”サイドバーから好みの部品(コンポーネント)を選択して、画面中央にあるデバイス画面へドラッグ&ドロップしていけばよい。ボタンやテキストボックスといったお馴染みのコンポーネント以外にも、加速度センサーや位置情報センサーも用意されているので、工夫次第ではかなり高度なアプリも開発できそうだ。
デザインが完成したら、[Open the Blocks Editor]ボタンを押して、クライアントソフトを起動しよう。初回起動時は、クライアントソフトをインストールしたフォルダのパスを入力する必要がある。
クライアントソフトでは、画面左側のサイドバーにあるブロックを組み合わせてロジックを作成する。サイドバーには、最初から用意されているブロックを集めた[Built-In]タブと、ユーザーインターフェイスをデザインしたときに利用したコンポーネントが登録された[My Blocks]タブが用意されているので、そこから好きなブロックをメイン領域へドラッグ&ドロップし、組み合わせよう。
アプリのテストは、「Android SDK」に含まれるエミュレーターや、Andoroid端末の実機に接続して行う。インターフェイスのデザイン画面と、ロジックを組み上げるクライアントソフトは双方向通信しているので、エミュレーターなどでアプリを実際に動かしながら、デザインを変更したり、コンポーネントを追加することも可能だ。出来上がったアプリは、インターフェイスのデザインを行うWebページ側から、APKファイルへパッケージ化してダウンロードできるほか、QRコードでAndroid端末へダウンロード用のURLを送信することもできる。
“App Inventor”には、豊富なチュートリアルやサンプルアプリも用意されているので、これを機会にAndroidアプリの開発にチャレンジしてはいかがだろうか。