レビュー

夏の“お祭り”にピッタリな日本語フォント「白舟角崩」「白舟髭隷」

お祭りでよく使われる言葉が中心に漢字275字を収録

 「白舟角崩白文」「白舟角崩朱文」「白舟髭隷」は、夏の“お祭り”にピッタリな日本語フォント。TrueType形式のフォントで、「白舟書体」のWebサイトから無償でダウンロードできる。

 商用フォントとして有名な「白舟書体」の無償版。同フォントの無償版といえば、ひらがな・カタカナおよび教育漢字1,006字を収録した教育版が知られているが、今回紹介する「白舟角崩白文」「白舟角崩朱文」「白舟髭隷」は、“夏”をテーマにした少し変わった字体のフォントだ。

「白舟角崩白文」
「白舟角崩朱文」

 「白舟角崩」は、江戸時代盛んに使用された“江戸文字”のひとつ“角字(かくじ)”を再現したフォント。「白文」は白抜き、「朱文」は黒抜きのフォントになっている。

 “角字”は“腰文字”とも呼ばれる極太の四角い書体で、もともとは印鑑などに利用される古い書体“篆書”のバリエーションとして生まれたという。“篆書”と同様、印鑑に利用されることもあるが、お祭りの時に着る半纏・法被の大紋(背中に描かれる紋様)や腰柄で使われているのを見かけることが多いだろう。あまり可読性は高くないが、幾何学的なので紋様のデザインとしては取り入れやすい。

「白舟髭隷」

 一方、「白舟髭隷」は同じく“江戸文字”のひとつである“髭文字(ひげもじ)”を再現している。筆運びの速さによる画のカスレと、終筆のハネによりできた黒いヒゲが特徴で、生命の躍動感を感じさせる。波打つようにゆったりと書かれる“隷書”のフォント「白舟極太隷書」がベースになっているのも躍動感を高めるのに一役買っているようで、まさに祭りにピッタリの書体といえるだろう。

 収録されている文字はそれぞれ漢字275字のみだが、お祭りでよく使われる言葉が中心となっているので、用途を限れば役立つ場面は多いはずだ。

 なお、本フォントは商用も可能だが、その場合はあらかじめ連絡の必要があるので注意。また、印章関連の商業利用は許可されていない。

ソフトウェア情報

「白舟角崩白文」「白舟角崩朱文」「白舟髭隷」いずれも
【著作権者】
(株)白舟書体
【対応OS】
Windowsなど(編集部にてWindows 8.1で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト(商用利用の場合は事前連絡が必要)
【バージョン】
1.00