レビュー

プライバシーとセキュリティを重視した「Google Chrome」の兄弟分「Iridium Browser」

少しでもプライバシーの面で危険とみなされた機能は徹底に排除

「Iridium Browser」v54.0

 「Iridium Browser」は、プライバシーとセキュリティを重視した「Chromium」派生のWebブラウザー。Windows/Mac/Linuxなどに対応しており、本ソフトの公式サイトから無償でダウンロードできる。

 本ソフトは「Google Chrome」と同じく「Chromium」をベースとするWebブラウザー。「Google Chrome」の兄弟分にあたるソフトだ。ユーザーインターフェイスも「Google Chrome」とほぼ同じで、最初は違いに気が付かないかもしれない。

 「Iridium Browser」の最大の特徴は、プライバシーを非常に重要視している点だ。たとえば「Google Chrome」は水面下でさまざまなサービスと連携してブラウジングを快適にする工夫が凝らされているが、「Iridium Browser」ではそれがすべて無効化。クラウド印刷や翻訳機能、“Google Now”といったGoogle関連サービスとの連携もすべて削除されている(“セーフブラウジング”のみは有効)。

 そのほかにも、広告トラッキングを拒否する“Do Not Track(DNT)”ヘッダーや、サードパーティ製Cookieのブロックといった、プライバシー向上に役立つ機能は自動で有効化。その一方で、アドレスバーのサジェスト機能やネットワーク予測機能、パスワードの保存、入力フォームの自動補完といった、少しでもプライバシーを害する恐れのある機能は徹底的に無効化されている。

少しでもプライバシーの面で危険とみなされた機能は徹底に排除
既定の検索エンジンは“Qwant”。“DuckDuckGo”もプリセットされている

 さらに、既定の検索エンジンも“Google”ではなく、代わりにプライバシーへの配慮を謳う“Qwant”を採用している。これは好みに応じて“DuckDuckGo”などへ変更することも可能。また、開発プロセスも透明化されており、ソースコードは“GitHub”でチェックすることができる。

 「Adobe Flash Player」プラグインが同梱されていなかったり、拡張機能を手動でインストールする必要があるなど、「Google Chrome」に比べて若干不便な点はあるが、プライバシーを何よりも重視したいユーザーにとっては試してみる価値があるだろう。また、他の「Chromium」派生ブラウザーにはありがちな開発の停滞も今のところ見られず、安心して最新の機能とパフォーマンス、セキュリティを享受できるのもメリットといえる。

ソフトウェア情報

「Iridium Browser」
【著作権者】
Iridium Secure Browser Project
【対応OS】
Windows/Mac/Linuxなど
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
54.0(16/11/09)

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