石田賀津男の『酒の肴にPCゲーム』
連載3周年! 実は当初と変わった企画と、変わってきた私
ゲーマーの老後、CERO、AI……話題の裏で考えていたこと
2025年7月4日 16:00
3周年ありがとうございます
本連載は今回で3周年を迎えました。数え間違えていなければ第155回。窓の杜でPCゲームの連載という異色の内容ですが、ここまで続けられたのは読者の皆様のおかげです。ありがとうございます。
今回はいつもと内容を変えて、連載の舞台裏や、私自身の近況などをお話ししていこうと思います。
連載の方向性を変えています
本連載は3年前の企画時、PCゲームに関係するソフトウェアを絡めた話という制約を設けていました。窓の杜の記事として、ゲーム自体の紹介に加え、PCゲームに役立つソフトを紹介していこうというのが始まりでした。
この方向性は少しずつ変わっていまして、現在はPCゲームに関わることであれば制約なく、面白い話をしていきましょうという感じになっています。私はもともと時事ネタを語るのが好きなので、その時々のトピックを拾って、PCゲームをフックにした話題として展開しています。
日米の関税問題についてゲームに絡めて書いたりしたのも、そういった狙いがあります。残念ながら全然読まれませんでしたが(笑)、ネタ次第だろうと思いますので、今後も政治経済に関わる話は入れ込んでいこうと思います。ゲームをきっかけに、皆様が学びを得る機会になれば嬉しいです。
ここ1年で最も人気の記事は?
本連載で直近1年のうちに最も読まれた記事は、ゲーマーの老後問題を扱った記事です。私は現在48歳で、若い頃は対戦ゲームで常に第一線にいましたが、今は加齢に加えて育児などでプレイ時間が激減していますし、お金も以前ほどかけられません。
ゲームに関わらず、歳をとるとできなくなっていく趣味がどんどん増えていく中で、今何ができて、いつ何ができなくなるのかを考えておくことは、とても大切なことだと思います。目を背けたくなる気持ちはわかりますが、身体的にも環境的にも、いつか避けては通れない問題は出てきます。
備えあっても患いのある話だからこそ、まずは心構えが必要だろうということで、問題提起として執筆しました。人はだれしも歳をとるといっても、人によって起こる問題も解決方法も違うので、続きを書くのがとても難しいのですが、また少しずつ話を展開していきたいと思っています。
最近はあえて前作の「モンハン」をプレイ中
仕事以外でのゲームだと、最近は「モンスターハンターライズ:サンブレイク」を、週末に妻と8歳の息子の3人で遊んでいます。CEROレーティングはC(15歳以上対象)の作品なので、小学生に遊ばせる是非は親が判断してください。
私としては、『ヒゲのおじさんが相手を踏みつけてペシャンコにする暴力性は子供でもOKとする基準に全く同意できない』ので、子供に遊ばせるゲームは私自ら個別に、私の責任で判断しています。オールフリーで許しているわけではありません。CEROレーティングの意義についてはこちらの記事で詳しく語っています。
ゲームの話に戻ります。私以外の2人は本作が初の「モンハン」で、早いうちに行き詰まるのではと思っていましたが、最後に実装されたモンスター「原初を刻むメルゼナ」まで討伐できてしまいました。現在はマスターランク100辺りですが、まだ続けられそうです。
私が8歳の頃は、父やその友人が寄ってたかって1年近くクリアできなかった「スーパーマリオブラザーズ」を2週間ほどでクリアし、『子供の適応力はすごい』と感動させたそうですが、当時まだ30代半ばだった父よりは私の方が頑張れていると思います。だから老後も大丈夫だとは思いませんが、いつまでやれるのかは自分自身でも楽しみです。
最新作の「モンスターハンターワイルズ」ではなく、あえて古い作品をやっているのは、3人でまともにプレイできる環境が足りないからです。「モンスターハンターワイルズ」は要求スペックが非常に高く、我が家では動かせるPCを捻出できても2台まで。もう1台組むのはかなりの出費になります。
息子は以前から「マインクラフト」などを遊ぶのに、GeForce GTX 960Mを搭載した古いゲーミングノートPCを使っています。「モンスターハンターライズ:サンブレイク」であれば、画質を中程度にすれば、ほぼ60fpsを維持して快適に遊べます。割と頻繁にセールも行われているので、未プレイの方はぜひお試しください。今から始めても十分面白い作品だと思います。
ただし、GeForce GTX 1000シリーズより古いGPUは、まもなくドライバのサポートが終了するという話も出ています。すぐさま古いGPUが使えなくなるわけではありませんが、Windows 10だけでなく、GPUにも終了の波が押し寄せている状況に青息吐息です。
LLMの活用法を探る趣味
ゲームから離れると、最近はAI、特にChatGPTを代表としたLLM(大規模言語モデル)の活用方法を考えています。ジャーナリストの私としては、AIが記事を書けるようになると仕事を奪われる側になるのですが、そういう怖さは全然なく、むしろ編集・企画者の視点で活用しようと思っています。
AIの進化は外から見てもわかりづらいことが多く、バージョンアップを数値で出さないこともあれば、数字の上では後発版なのに先発版の方が特定の目的には向いている、といったことも当たり前に起こります。その時その時に実際に使ってみて評価するしかありません。マイクロソフトのCopilotも、以前は他社に後れを取っている印象でしたが、いつの間にかかなり改善されていました。
本連載を含め、私が執筆する記事はまだ全て人間の手で書いていますが、情報検索や校正(誤字脱字のチェックなど)はAIの手を借りています。企画のアイデアまではまだ頼れませんが、記事タイトルをいくつか提案させると面白い方向性のものが出てきて、一部を拝借していることもあります。
ごく個人的なことで言えば、持病の分析にもとても役立っています。AIはデータ分析が得意なので、健康診断や血液検査などのデータを、病気や気になる症状と合わせて伝えると、次にどうすべきか、追加でどんなデータが欲しいかを示してくれます。
1つのAIに任せるのは怖いので、私はChatGPT、Claude、Geminiに同じデータを渡して、同じ質問をすることで、検討材料としています。AIに任せきりにするのではなく、ユーザー自身も勉強して判断材料にするという感じですが、素人が何も知らずに医者にかかるより、はるかに有意義に医療を受けられると思います。
かかりつけ医に『こういうことをAIが答えました』と言ったら爆笑されましたが、このアプローチ自体が新鮮でとても面白いので、疑問がある方はどんどんAIに相談してみるといいと思います。その際にはできるだけ多くのデータを渡しつつ、個人情報は伏せることをお忘れなく。
今後ともよろしくお願いいたします
最後にもう少しだけ本連載の話を。窓の杜でゲームの話をするという特異性のためか、ページビューが最大100倍くらい変動するのが私としては面白いです。編集部は安定させてほしいようですが、そうできたら私はもっと売れっ子になっていると思います。
今後も編集部に怒られない範囲で、皆様に役立つ、興味深いと思っていただける、あるいは笑える記事を提供していきたいと思います。私の記事だけでなく、面白い記事がありましたら、ぜひSNSなどで感想をお寄せください。今後の励みにしつつ、企画の参考にさせていただきます。4年目もどうぞよろしくお願いいたします。
1977年生まれ、滋賀県出身
ゲーム専門誌『GAME Watch』(インプレス)の記者を経てフリージャーナリスト。ゲーム等のエンターテイメントと、PC・スマホ・ネットワーク等のIT系にまたがる分野を中心に幅広く執筆中。1990年代からのオンラインゲーマー。窓の杜では連載『初月100円! オススメGame Pass作品』、『週末ゲーム』などを執筆。
・著者Webサイト:https://ougi.net/
PCゲームに関する話題を、窓の杜らしくソフトウェアと絡め、コラム形式でお届けする連載「石田賀津男の『酒の肴にPCゲーム』」。PCゲームファンはもちろん、普段ゲームを遊ばない方も歓迎の気楽な読み物です。