レビュー

女武者・巴御前をモチーフした明朝体フォント「姫明朝ともえごぜんmini」

教育用漢字1,006字を収録。美しさの中にも芯の強さを感じさせる“姫明朝”シリーズの最新作

「姫明朝ともえごぜんmini」

 「姫明朝ともえごぜんmini」は、女武者・巴御前をモチーフした明朝体フォント。教育用漢字1,006字を含むOpenTypeフォントで、現在フロップデザインの公式サイトから無償でダウンロードできる。

 「姫明朝ともえごぜん」は、木曽義仲に仕えた女武者・巴御前をイメージしてデザインされたフォント。巴御前といえば容色もさることながら、膂力に優れた強弓の手練れ、反りの大きい優美な薙刀の遣い手という印象が流布している。本フォントにもこうした要素が取り込まれているという。

 字形は基本的に明朝体だが、漢字にうろこはなく、終筆は少しだけ斜め上に跳ね上げたようなデザインに留めている。明朝体の堅苦しさはなく、どちらかというとレトロな雰囲気だ。ひらがな・カタカナの連綿は舞うように優雅なつくりになっており、筆で書いたような、しなやかな躍動感がある。女性的ではあるが、未熟さゆえの可愛さというよりも、美しさや優しさを連想させるデザインだ。

 “姫明朝”シリーズの前作「姫明朝しらゆき」はひらがな・カタカナを小ぶりに作って“守りたくなるかわいさ”を表現していたが、それに比べると、今作の「姫明朝ともえごぜん」は“芯の強い女性”といった面持ちだ。和の佇まいと優雅さを前面に押し出したい場合は、こちらの方を積極的に使っていきたいところだろう。

 なお、本フォントには製品版の「姫明朝ともえごぜん」もラインナップされている。製品版はあらゆる商用・デザイン用途に利用可能で、収録文字数も4,600文字に拡充されている。無料版と違い縦書きも可能で、幅広い環境に対応するためTrueType形式が同梱されているのも差別化ポイントだ。

 また、製品版の特典として、文字の角を少しとったレトロな「姫明朝ともえごぜん古」、文字の先端を“かぎ爪”にしてインパクトを強めた「姫明朝ともえごぜん月」が付属する。価格はダウンロード版で3,480円(税込み)。

ソフトウェア情報

「姫明朝ともえごぜんmini」
【著作権者】
フロップデザイン
【対応OS】
Windows 2000/XP/Vista/7/8/10など
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.00(19/01/10)